これは国鉄末期の話ではない。東海道筋の荷物列車をEF62に置き換えるため、事前の準備段階でEF58を下関へ集中配置されたことがあったが、それよりの前の時代。
関東在住のアントンKにとっては、一番西の果てに所属しているゴハチ、下関区のEF58にはなかなか出会えるチャンスは少なかった。月に一度あるかないかの頻度だったが、おおよそは創臨と呼ばれる宗教団体客の臨時運用で、12系けん引が多かったように思う。こんな列車が上京するとわかると、撮影を全てに優先して挑んだものだった。EF5829/30/31/37号機の4台配置。どれも特徴のある憧れの機番たち。ゴハチ撮影で番号にこだわり出した時、やはり一番撮影しづらいのが、ここ下関区で上京を注視しながら待っていても、いつも同じ機番が上京することもしばしば(37号機)。気を揉んだ想い出も多い。
一番のハズレカマは37号機。ゴハチに関しては特に拘っていた友人達の影響からか、ヒサシのついた小窓機は下関区のゴハチ内ではハズレとなる。一番の当たりカマは、31号機や29号機といったやはり大窓機だった。それまで北のゴハチを見る機会が多かったアントンKだが、意識し出してから見た大窓機は、北のゴハチとは別物に感じて、どこか格調が高く美しさを感じたもの。まだ鉄チャン駆け出しの時代だから、そんな想いを画像に残せずとても残念に思う。EF5861号機も大窓機だが、ブルーのEF58の大窓機は全くロクイチとは印象が違っていたのだ。
掲載写真は、下関区のEF58から30号機の宗教臨けん引のシーン。幸いにもセキのゴハチ4台は、撮影することができたが、今にして思えば物足りず、もっとこだわって集中すべきだったと思っている。これも青春時代ど真ん中の良き思い出なのだが・・・
1978-06-10 回9111ㇾ EF5830 12系x12 東海道本線:新子安にて