懐古趣味になりつつあるアントンKだが、久々に朝比奈隆を聴いてさらに昔を思い起こしている。
しかし、あの頃の日々がますます遠くに去ってしまった感覚で、記憶もおぼろげになっていることも多い。年を重ねることは良い事もあるが、自分にとって一番輝いていた時代を、今になって粗末にしているようで情けなく思う。今のうちにアントンKの体験や想いを書き留めておくべきだと考え直しているところだ。これはもちろん自分自身のために。
学生時代、首都圏の旧型電機だけでは飽き足らず、泊りがけで遠征したことが何度かあった。飯田線は、北と南とに分けて考えられることが多く、北側にはED18・ED19という古典電機、南側にはEF10が貨物列車で活躍していた。今回は飯田線の南部を撮影した時のものから、EF10けん引の貨物列車。まだ東京機関区にもEF10が配置されていた時代だったが、このEF10は全41両のうち、その年代により形態がまるで違っていて、撮影時もそれだけで楽しかったことを思い出す。もちろん運用など詳細は不明の行き当たりばったりだが、何が現れるかわからないドキドキ感は、今思っても撮影冥利に尽きる感覚だった。ローカル線の貨物列車は、日によって貨物量もまちまちだが、この時は2軸貨車4連でコトコトとやってきた。
1976-07-21 263ㇾ EF1023 飯田線:早瀬-浦川にて