首都圏での旧型電機を続けている。EF10に始まり、次のEF11には間に合わず撮影は出来ていない。当時、八王子に数量まとまっていた覚えがあるが、カメラを持ち出す頃には休車状態であり、わざわざボロになった機体を撮影する気持ちにはなれなかった。今でもそうだが、廃車待ちのような哀れな姿をカメラには納めたくはないと思っているからだ。やはり電気機関車は、パンタグラフを上げてモーターが作動してナンボの世界。一番自然な美しい姿で残してやりたいと思うのである。
そしてEF12型電機。この形式は、首都圏の新鶴見区以外に高崎第二区にも配置されていて、両毛線、吾妻線に出向けばいつでも会える状況だった。年代からして、北関東での活躍ぶりは随分カメラに収めることができた。特に印象に残るのは、吾妻線を往く団体列車で、普段は貨物に従事しているEF12が、お座敷や12系客車を牽く姿には興奮を覚えたものだ。今回は、偶然にも都内で撮影できたEF12の貨物列車。当時は山貨の北行は赤羽の先で撮影することが多く、今では考えられない場所での記録が多く残っているが、これはどういう訳か、ホーム先端からシャッターを切っている。本線の出発信号機が目の前に鎮座し、とても見られたものではないが、これが赤羽かと思えるほどのうっそうとした背景の森や、鉄道施設が懐かしく、EF10の時代と合わせて特別に掲載させて頂く。EF10 の記事でも触れたが、EF10・12・13・15と共通運用で、当時は中々捕まえられず苦労した思いが残っている。貨物列車の本数も現在とは比較にならず、しばらく待てば、何かしらの貨物列車が現れた時代。本線でも東北・上信越線の優等列車が引っ切り無しに通り、どれにカメラを向けて良いか迷うほど。鉄道全盛期真っ只中の世界だったのだ。
1976-08-06 3488ㇾ EF12 8 東北本線:赤羽にて