大きく遡った45年も前の画像から、記憶に残る1枚を掲載しておく。
鉄道写真も見様見真似のこの時代、誰もが憧れたブルートレインが見たくて都心に行った日の事だった。すでに何度か東京駅の夜行列車ホームには佇んでおり、まじかで機関車や客車を垂涎の眼差しで見たものだった。しかしいよいよそれだけでは飽き足らず、走行写真にチャレンジしたくなって、都内沿線でカメラを向けていた。
何と言っても、ブルトレトップバッターである特急「さくら」には1列車の列車番号が与えられ、一桁の列番だけでも特別な想いに感じるのに、ファーストナンバーである「さくら」は、アントンKの中でも別格だったことを思い出す。同じ「さくら」でも、上りは2列車となり、どこか格下に感じていた単純な性格だったことも懐かしい。1列車はその後、「北斗星」でも名乗っていたが、同じ気持ちにはならなかったと思う。純粋無垢な青年時代は、ただそれだけで生涯忘れられない出来事になってしまったようだ。
1975-03 1ㇾ EF65541 さくら 東海道本線:浜松町にて