前出したように、特急列車に絵入りマークが装着され全国的に広がっていったが、それから数年の後、今度は機関車のヘッドマークも復活。これも全国全ての特急旅客列車の先頭に立つ機関車へ例外なく装着されることとなった。アントンKはこの日をどんなに待ち望んでいた事か。それまでは、東京発のいわゆる九州ブルトレ以外は、マーク省略の期間が長かったのだ。ワクワクしながら、どう撮影しようか何度も机上の旅人となったもの。時刻表をめくりながらの時間はとても楽しく、そんな時間が懐かしく思えてしまう。
マーク復活は、まずは九州内が早かったと記憶しているが、蒸機時代から受け継いだ独特のお椀型ヘッドマークが早く見たくて、当時は色々野暮用を作っては九州へ出向いたものだった。掲載写真は多々ある中から、ヘッドマークとしては新参者の「明星」を掲載しておく。このデザインは、電車の絵入りマークから始まったはずだが、赤い電機よく似合っていた記憶が蘇る。アントンKの中では、特急「明星」というとどうしても581系になってしまうのだが、それも忘れ去られた歴史だろう。
1986-07-30 ED76 59 特急「明星」 鹿児島本線:佐敷付近