前出の新鶴見界隈には、たくさんのEH10型電機が写っていたが、当時を思い返してみると一度東海道線の線路端に出れば、黒いマンモス機EH10型に遭遇することも多かった。もちろんいつ来るのかなんて情報も皆無で行き当たりばったりだが、驚くことに結構画像に残っている。しかしこの時代の撮影のお目当ては、東海道ブルトレでありゴハチだったから情けないものが多いのだ。
掲載写真は、まだ貨物線開通前に撮影した、保土ヶ谷付近を往くEH10型けん引の貨物列車。この画像の3年後に羽沢駅とともに新鮮が開通したわけだが、そんなことも全く知らず考えもせずお気楽にフィールドで撮影していたようである。今では魅力的な被写体が減少したように感じてしまうが、それはあまりに情報が溢れ在り過ぎるため、自然と取捨選択している結果なのではないか、と勝手に解釈している。今から40年以上も前のこんな緩い時代の方が、あらゆるものに刺激が多かったと感じてしまうのだ。
1976-02-25 4453 EH10 43 東海道本線:保土ヶ谷-戸塚