懐かしい普通客車列車の画像を続けていく。
憧れのブルートレインの20系客車や14系・24系客車等の華やかな列車シーンも良いが、前回掲載したような雑形客車を長大に繋ぎ、終着駅が遥かに遠い長距離列車の魅力も忘れがたいシーンだった。そしてもう一つ、地方のローカル列車として運用されていた客車列車には、長距離列車とは違う独特の雰囲気があり、乗車すると遥かなる地を肌で味わう寂しさと、どこか暖かい安堵の空気感を感じたものだった。こんな感覚は、現代では薄らいでしまった情緒であり、とても切なく思う。今では地方何処へ行っても、同じような車両が走り、乗車しても誰もがスマホに夢中。そんな印象しか持てず、まるで普段の通勤下と同じ光景が広がるのだった。
掲載写真は、スイッチバック駅の赤岩駅を後に、ゆっくり38‰の下り勾配を下りてきた朝一のローカル列車。ご存知奥羽本線の最大の難所、板谷峠を往くシーンだが、現在は新幹線が通る道へと様変わりしている。アントンKは、当時からこの特殊ともいえる勾配区間専用に生まれたEF71やED78が好きであり、国鉄時代にも何度か訪問する機会を持った。磐西のED77とともに、この交流機関車たちは、それぞれ個性に溢れ、どれも好んで撮影に明け暮れていた時代であった。そんな撮影旅行の折、数々乗車したローカル客車列車が、今はとても懐かしくノスタルジーを感じてしまうのだ。もうセピア色に変わってしまった情景は、今では夢の中でしか見ることができない。
1980-03-24 422ㇾ EF7115 奥羽本線:赤岩-庭坂
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます