アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

山貨を行くEF58の日常

2018-12-11 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

現代では、団体臨時列車そのものが減少し、効率化からか、そういった時世なのか、個々で移動する手段が目についてしまう。決して旅行者が減少しているわけではなく、移動手段が変化した結果なのだろう。昔は、滅多に見られない列車や、普段通らない路線を行く列車など、意外性や希少性がアントンKの写欲を掻き立てていた。もちろん、写真を記録として最大限に生かす方法として撮影していた。がしかし、今では随分とその感情も変わった。意外性や希少性よりも、日常の記録や光景の方が、親しみが沸き、思い入れやあるいは個人的執着に繋がっていく。どこか自分だけの世界が、その1枚に表されているとしたら最高なのだが。そんな納得できる1枚は、容易いものではない。

恵比寿ビールの倉庫前を行く、EF5870けん引団体列車。長い12系客車を牽いている。おそらく東海道線からの継承で品川から山手貨物線に入り、北に向かう列車だろう。前にも紹介したが、当時の山手貨物線は、こういった臨時列車がよくあり、これも当時は日常の光景だった。あの頃を思えば、ゴハチの12系なんて、なんの希少性もなかったはず。しかし長い月日が経過した現在、改めて眺めると、こういった日常こそ懐かしく心に響く。背後の倉庫も懐かしく、一時はビアガーデンに変貌していた時期もあったが、現在はそんな跡形も無くなっている。

1978-10-15   9101ㇾ  EF5870  12系  山手貨物線:恵比寿付近にて


65PF雪化粧

2018-12-10 20:00:00 | 鉄道写真(EL)

東京もだいぶこの季節らしい気温になり、師走の慌ただしさとともに時間に追われる日を送っている。よく考えれば、普段とは変わらない日常のはずだが、なぜか気ばかり焦る今日この頃だ。

先日の山口線行きで、冬場の鉄チャンのスイッチが入ってしまった。悪条件であればあるほど、その醍醐味は大きく求めるものも広がる。その万が一にチャレンジすることの期待感を思い出したのだ。年末から年始にかけて、少し計画を立ててみようと思っている。

上越国境を越えてやってきた、夢空間金沢号。この日は、典型的な冬型の気圧配置となり、新潟は大雪、関東は快晴となった。写真ではわからないが、快晴でも風がやたらと強く、待っている間、体温がどんどん削がれていくことがわかった。こんな天気でも、しっかり定時で上ってきたEF65PFは頼もしく思ったもの。雪だるまとは言い難いが、特に足回りの着雪状態はすごく、走行音も雪に収音されて実に静かだったことを思い出す。スノープロウで雪を蹴散らした形が残っているのが何ともカッコいい。

1994-02-14    9042ㇾ  EF651024 夢空間金沢  JR東日本/高崎線:北藤岡付近


極寒の山口線~D51200との出会い

2018-12-09 19:00:00 | 鉄道写真(SL)

急に思い立って山口線へ行ってきた。

週末の日本列島は、今季一番の寒気が入り強い冬型となり、全国的にも気温がグンと下がった。山口線沿線もその影響からか、上空には雪雲が沸き出し、いつ雪が降ってもおかしくない空模様だった。

蒸気機関車撮影の場合、天気や気温が大きく影響を受けると昔友人から聞いてきたが、確かにそれはそうで、天候でほかの鉄道車両よりも作品としての写真構成が決まってくる。それはやはり蒸機には、モクモクした煙が付き物だからだろう。やはり蒸機の煙の色や、形、質、量は重要なファクターとなる訳だ。蒸機撮影が冬場に好まれるのもそのためなのだ。

当日は、朝よりさらに気温が下がり、日中でも2℃がやっとというような真冬そのものだったが、こんな気温だからこそ、蒸機撮影にはベストコンディションと言えるのだろう。カメラを持つ手が寒さでかじかむが、ベストショットを狙って気合を入れる。今回はD51200との初対面で、特徴ある前面を狙った望遠レンズでまずは仕留めたかったため、徳佐付近の定番ポイントに狙いを定めた。雪がちらつき始め、時より吹く北風にヤキモキしながら、しばし待機したが、遠くに上がる煙に胸が高鳴り、目の前に現れたD51200は、怒涛の迫力で迫ってきた。思った以上の煙には満足いったものの、結構な雪が降り、被写体を霞めてしまい想像を越えられなかった。やはり蒸機撮影は難しいことを改めて実感した次第。写真の奥の深さが今は身に染みている。

2018-12   8521ㇾ  SLやまぐち  D51200  JR西日本/山口線:徳佐付近にて


哀しみのモーツァルト「かなしさは疾走する」

2018-12-06 20:00:00 | 音楽/芸術

モーツァルトの短調で書かれた楽曲のみを演奏するという、なかなか珍しい演奏会があった。

「哀しみのモーツァルト」と銘打った演奏会は、後でわかったことだが、司会進行をした三枝成彰氏による企画であり、彼の色に染まった演奏会、そして聴衆であったと思っている。三枝氏の話に相づちを打ったり、「ウン、ウン・・」「へぇ」と、会場から聞こえ、演奏会というより、彼の講演会の様相だった。当日配られたプログラムも、いつものものとは異なり、どちらかというと音楽の教科書風で、モーツァルト好きには重宝しそうな資料性の高いもの。純粋に演奏だけを楽しもうと駆け付けたアントンKだが、最初は少し面食らったことを白状しておく。会場はモーツァルトファン、そして三枝ファンのご婦人たちで溢れていたが、ここで演奏された内容は本物で、そんな周りの雰囲気など消し去るほど思った以上に凄くて心に響いた。

今回は、サントリーホールのブルーローズでの演奏。客席との距離はいつもよりさらに近く、演奏者を真近で感じられ大いに興奮したが、アントンKにとって今回の目的は、何と言っても崔文洙五重奏団を聴くことだった。いつも新日本フィルや大阪フィルのコンサートマスターの崔氏を通じて、多大な勇気や力を頂いているが、今回はオーケストラではなく、より個に近いソロや室内楽編成での彼の音色を聴いてみたかったのだ。そしてその音色は、やはりここでも本物であり、深く情感溢れる響きは、心の琴線に触れて熱くなる。それはソナタK304で開花したが、やはり一番気が伝わってきたのは、まぎれもない五重奏団の演奏したK516とK546だった。いつもの見慣れた顔ぶれにこちらもどこか安心してしまったのか、演奏開始からすっと音楽が入ってきたが、各奏者が息を合わせて奏する気迫が音色にのって伝わり圧倒的なパフォーマンスを感じた。そして最後の和音が鳴って終演した時、客席から思わずため息が漏れていた。ここには、もうモーツァルトを越えた独自の世界が形成されており、感情的で濃厚な演奏は、その先も聴きたくなるような、大いに感動したポイントだった。

ピアノの仲道郁代、ソプラノの小林沙羅も負けず劣らずの演奏であり、大いに満足できたが、やはり今回のプログラムは内容が盛りだくさんで、演奏をじっくり鑑賞するといった見地からは中途半端に感じてしまい勿体ない気がしている。今回が初めての企画とのことで、今後はまた違った形で我々を楽しませてくれることだろう。

モーツァルト

ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 K310

歌劇「フィガロの結婚」K492~カヴァティーナ

歌劇「魔的」K620 ~No.17 アリア

「泉のほとりで」の主題による6つの変奏曲 ト短調 K360

弦楽四重奏曲第15番 ニ短調 K421~1mov.

歌曲「希望に寄す」K390

歌曲「魔術師」 K472

歌曲「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき」 K520

ヴァイオリン・ソナタ第28番 K304

弦楽五重奏曲 第4番 K516~1mov.

弦楽のためのアダージョとフーガ K546

ピアノ協奏曲第23番 K488~2mov.

ピアノ  仲道 郁代

ソプラノ 小林 沙羅

ヴァイオリン  崔 文洙

崔文洙五重奏団 Vn/崔 文洙、ビルマン聡平 Vla/井上典子、安達真理  Vc/富岡廉太郎

お話  三枝 成彰

2018-12-04     サントリーホール ブルーローズ

会場前の長蛇の行列。自由席は一考願いたいものだ。


復活蒸機の老舗いざ山口線へ

2018-12-05 21:00:00 | 鉄道写真(SL)

復活蒸機のパイオニアとして今も君臨している山口線。あれからすでに40年の歳月が流れていることにまずは驚いてしまう。今を思えば、まだまだ鉄道撮影は駆け出しだったアントンKだが、やはり生きている蒸気機関車を間地かで見た時は、興奮して五感が震える想いがしたもの。諸先輩方の撮影に対するハマり振りにも納得したものだった。以後、各地でこんなにも多くの蒸機が復活を遂げ、我々を楽しませてくれているが、今年は少し雲行きが変わり、今後の動向を注視する案件も浮上しそうで目が離せないでいる。

国鉄末期の山口線C571の「国鉄記念」号。旧型客車を使い特別運転があった。日章旗が掲げられたため、迷わず正面狙いで篠目の直線へと攻め込む。ドラフト音が鳴り響き山にコダマしてから数分が過ぎるが、なかなか近づいてこない様子。しかし確実に歩を進めていることがわかる。目の前に爆音が迫っているが、まだ姿を現さず空が煙で薄暗くなって音だけが近づくが、釜がファインダーに飛び込んだ時、その煙の迫力に圧倒され身震いし、それでも必死になってシゴナナに立ち向かった遠い日。牛歩のような動きに完敗しそうになるが、この時初めて蒸機の魅力の底力を知ったように思う。何だかまた会いに行きたくなってきた・・・

1986-11-12 9522ㇾ  C571  国鉄記念号  旧客4連   山口線:篠目-仁保