そういえばと思い出す
歌というのは
時にどうでもいい
思い出まで
引き連れて
目の前に
その時の風景を見せつけてくる
アイツは
ロビンソンで
気をよくすると
畳め掛けて
【約束の橋】佐野元春を入れてくる
もともとかぐや姫、
南こうせつ好きなアイツが
シティー派気取って、
佐野元春ファンに
なっていたかを宣言するかのように
【約束の橋】のイントロが
流れ
「おお!佐野元春かぁ」と
周りが期待をこめて聞く体制にはいる。
奴の気取った佐野元春もどきの
歌が始まる
盛り上がってる風の陰で
僕はどうにも
ミスマッチな奴の選曲と
そちらを好む趣味に閉口した
(それじゃないだろ?)
いわゆる
そんなツッコミが
心の中に、響いていた
それでも、奴は得意になって歌う
これも、マウントを取ったように
勝ち誇るように
奴は歌う
奴の、選曲にもう一つ
橋 のワードが出る歌が、ある
サイモン&ガーファンクルの
【明日にかける橋】である
いわゆる奴の必殺パターン
また、きたよって、流れ。
ロビンソン
約束の橋
ときて、
明日にかける橋
へと続く
約束の橋は
僕も好きな歌なんだけど、奴が歌うから
どうも
奴の勝ち誇った顔が浮かんで
嫌なのだ
おとな気無い
まぁ
どーでもいい事なんだけどね
約束の橋
僕らは何を約束したのだろうか?
どこかでボタンを掛け違えたように
♪今までの、君はまちがいじゃない
君のためなら七色の橋を作り
河を渡ろう
と歌っていたのは
自分にいいきかせてたのか?
好むと好まざるとで
その歌を歌うもの、聞くものに
なんらかの、メッセージを
放つもの
面と向かって言えたことも
歌に込めて
伝えたりもすることもある
そこから
察する何かを
僕らは見逃してたのか?
聞き逃したのか?
互いの気持ち、思いが
どこかに置き去りにされてしまったのだろう
あの頃の僕らは、歌を通して
心のうちのメッセージを
飛ばしていたはず