明日の葉っぱ(8×8)=69

思いつくまま 気のむくまま書いてます。

ah-面白かった ラストアルバム 吉田拓郎

2022-06-30 20:52:24 | 僕の音楽日記
拓郎さんのラジオで
アルバム曲を流して
いたのは知っていた。
でも
手元にアルバムが来てから
じっくり聴こうと
僕は一切耳にしなかった。


拓郎さんを聴き始めてから
48年

始まりがあれば…
終わりがあったなんて


でもこれは凄い事なんだと思う


例えば
僕自身が拓郎さんより
先にこの世からいなくなってたら
拓郎さんのラストアルバムまで辿り着けずにいたのだろうし

また逆に拓郎さんがなんらかで
リタイアしてラストアルバムとして
の作品として残す
方法をとられずに
消えていたら
それもまた、悲しいことで

奇跡というのは条件が揃わないと
体験できないことでもあるわけだ。

当たり前だけど
当たり前じゃなかった

吉田拓郎さんを初めて
耳にした時は
なんて雄々しく勇ましく
カッコいいと引き込まれた
そして悲しい歌を悲しいと歌うところに人の喜怒哀楽を
言葉とメロディーでこんなに伝えてくれる
アーティストがいるのか!
とのめり込むように
拓郎さんの虜になっていった。


音楽への傾倒は
吉田拓郎さんを知ってから
一気に深さを極めた。
あの時も聴き始めた時の20代の
拓郎さんも「今」を
歌っていた


もがいていた
常に戦っていた
無理矢理にでも
こじ開けなければ開かない
扉を開ける事に先頭になって
突き進んでいた。

傷つきながら
身を擦り切らせ
「愛」を手に入れるため

今回の作品
そしてDVDに
拓郎さん自ら
「愛」を手に入れるために苦労し、
そして今手に入れたと
おっしゃっていた。
回り道をたくさんしましたね
お疲れ様でした。
そう思ったら
涙が溢れて
そしてDVDでつま恋の地で
女優の奈緒さんに
時計をプレゼントする場面にまた
涙。
それは形見のように手渡される時計
父親と娘
いや、孫といっても
おかしくない
そんな世代間ギャップはあるのに
そこには
音楽で繋がった
縁のもと、気負いもてらいもない
自然体な拓郎さんと奈緒さん
篠原ともえさんが
いた。
自然の風と光の中で
この場面が訪れることを計算されていたかのように
素敵な縁は続いていたんですね

ここには(つま恋)神様がいる
と拓郎さんは言う。
あの日
あの時
確かに時代を動かしたのは
1975年8月2日〜3日
静岡県掛川市つま恋の地から
だった
選ばれたものだけが受け取れる
言葉では言い表せない
とてつもない恩恵を
たしかに拓郎さんは
あの日もらったんだろうと思う。

アルバムも聴き込むたび毎に
本来メロディーメーカーである拓郎さんが
綺麗にメロディーにのせて
歌うというやり方を崩して?
歌っている風に気づく。

それは
歌詞に込められた
メッセージを感じてもらいたいがため?
僕には
演奏とボーカルが分離して
聞こえてきてならない。
拓郎さんの歌詞、歌だけが全面に入ってきて
演奏は邪魔しないように流れてる
それでいて今回の演奏、アレンジは
素晴らしいにつきるのだが…

拓郎さんの
しなやかに
フェードアウトしていく
そんな雰囲気を醸し出すには
もってこいの
アレンジと演奏なのだ。

聞いていて
いくつか過去の作品と
雰囲気が被ったものがあった
【Contrast】と言う作品は
[明日に向かって走れ]を彷彿させてくれた。
今回のアルバム中で
一番好きな作品でもある

♪一本の道を生きました
心のままに許すままに
一本の道がありました
誰も知らない
小さな…

で曲は終わったアウトロへ

♪だから明日に向かって走れ
こぶしを握りしめて…
と歌った拓郎さんと
なんら変わってなかった。
怒りとか
悲しいばかりじゃなく
それでも
前を向いて生きていくその
命の強さをみせてくれている。

そして、タイトルチューンの
ah-面白かった 
これは
僕だけの感覚なんだけど
「いつか街で会ったなら」
という作品の香りがする

否定的な
事もあった中
全て肯定しつつ
面白かった!って叫んで
終わる
それでもいつかどこかの街で
あったなら…
肩を叩いて微笑みあおう
と結んでる
二つの詩には

良かったんだよって
これで良かったんだよ
何も言うことないんだよって
悔しさも
寂しさも
切なさも
悲しさも

関係ないんだよって

自分で終わりを決められる
そんな贅沢な生き方は
そうそうないものだから


「はい!カット!」
そう言ってDVDインタビューは終わった

もうここで終わりだよ
わかった?
もういいじゃないか?
もう充分だろ?
色々あるけど
もういいんだよ
色々やったからね
ありがとね
楽しかったよ
ah〜面白かった

そう拓郎さんは言ってるようだった

でもね
俺たちは面白くねーんだよ!
あんなことやこんなことも
やって欲しかった
ことあったんだけどなぁ

48年ファンからすれば
ah〜面白くない!なんだけどね


でもやっぱり
お疲れ様でしただね。
吉田拓郎をよく頑張って
やりぬきました!
僕もファンでいて
楽しませてもらったよ!

ah〜面白かった!



消えていくもの 吉田拓郎

2022-06-26 08:13:00 | 僕の音楽日記
スポーツ紙に
吉田拓郎リタイアの文字

一時代を築いた
日本の音楽シーンに
大きな影響を残したアーティスト
吉田拓郎以前と以後
という言い方もされ
それほど
吉田拓郎さんの出現において
音楽シーンが
変わった。


コンサートツアー
レコード会社
オールナイトコンサート
島でのコンサート
TVの歌番組に出ない姿勢


やることなすことが
最先端をいってたし
大きく価値観と 
自分のやり方を
通そうと突き進んだ
アーティストだった。

同じ時期に活躍したアーティストたちが
1人2人といなくなっていく昨今
引き際を
ちゃんとしているうちに
自らが
プロデュースして行なう。

それも
やはり吉田拓郎流
最後まで現役感を持つ
素晴らしいアーティスト
限りなく「今」を見つめ続けた。

生き方を示す
終わり方を示す
アーティストは終わり方が決まってない。
色々なアーティストが
手探りで駆け抜けてきた
それぞれの人生があり、やってきた土俵も違う。

それぞれのアーティストがいる中
吉田拓郎というアーティストは
こういう形で
終わっていく
消えていく
去っていく
リタイアしてく


僕たちに示している

最後のアルバムがもうすぐ発売になる。

多分、涙なくして聴けないと思う

当たり前だったものが
無くなっていく
消えていく

「消えていくもの」
この歌詞にもあるように
角のたばこ屋さん
仁丹を頬張ってた先生
優しい歳上の人

たしかにあったものが
消えていく…

なんだかせつなくて

なんだか虚しくて

なんだかやりきれなくて

どうしようもない
手持ち無沙汰の感情が
行き場をなくして
立ち尽くす。

消えていくんだね
消えてしまったね

それでいいんだよ…

って拓郎さんは
言ってるんだろうか?…










時代遅れのRock'n Roll Band 桑田佳祐 feat 佐野元春、世良公則、Cher、野口五郎

2022-06-24 21:26:00 | 僕の音楽日記
歳を取ることは
決して嫌なことばかりではなくて
素敵に
優雅に
今を実感できた時
老いた自分に
愛おしさを思う瞬間が
訪れる

身体も知らないうちに
ガタがきて
知らない痛みや不安がのしかかる
一晩寝たら治った疲れや
不安も
いつまでも尾を引くことも…

いつかはこんな瞬間がくることなんか思いもしなかった
60という還暦の時

「60歳?死に損ないのジジイじゃん!」
そう言ったやつが
今その60を目の前にしてる
若かった頃を懐かしみ
若さを疎ましく思い
後退的な思いに駆られてばかり

でもまだまだ
歳を取ることは
捨てたもんじゃない
素敵に歳を重ねていけるかは
自分次第。

青春真っ盛り、歌のヒーローたちは
それこそもうジジイなれど
日本のポップスシンガーたちも
なかなかいい歳の取り方をしていて
それこそカッコいい!
イカしてる!
まだまだ、
若い奴らには負けやしない!
なーんて気負いもなくて
自然体だ

いつまで
変わらないは
難しくとも
変わっていく時間も
楽しんで
老いた今をも
楽しんで
音を奏でる
素敵な
Rock'n Roll Band!!




時の女神 岩崎宏美

2022-06-22 20:59:00 | 僕の音楽日記
時間は誰にも等しく
あるとは
誰もが理解している
だけど
人によっては
短く感じたり、
長く感じたり

苛立ちや焦りや
喜びや悲しみが
入り乱れる
時の中に
僕たちは生かされている

「時は金なり」
お金という価値にも勝るとも
劣らない
「時」
「時」の対価は「金」

よく新人のときに上司から言われた
目的意識をもって仕事しろ
次に何をやるか
考えながら目の前の仕事が
片付いたら
すぐに取り掛かれるように
無駄な時間をつくるな

無駄だと思えることっていうのは
他人から見て思えるだろうけど
本人はそれに気づかなかったりもする。
時が過ぎて
あー、あの時…
って感じで思うことがあったりもする
それは
仕事にも恋愛にもいえること



「時の女神」という作品では
最初で最期の組み合わせ
が実現!

作詞 呉田軽穂
作曲 吉田拓郎
言わずとしれた
ユーミンのペンネーム
歌うは岩崎宏美
しっとりと大人の雰囲気を噛み締めるように
丁寧にうたってくれている
歌唱力が安定しているって
凄い武器なんだと
改めて思う
作品をつくった
作家冥利に尽きると思わざるえない。


軽快なアップテンポなラブソング
詩の内容はいかにもユーミンワールド
この手の世界は得意分野
得手して
中島みゆき氏も書き出しそうな
内容でもあるから
女心は可愛いほうにメモリが振ると
こんな感じにもなるのだろうか?
拓郎さんの曲の作り方
サビの作り方も変わってる

迷惑ですか?
迷惑と言って
都合も聞かずに会いにいって
迷惑ですか?
迷惑と言って
雨に打たれてシャツが透けてく
こんな時には
まごころだけに
時の女神が微笑んでくれるの


なんとも乙女チックな歌詞だけど
一生懸命さ、一途さにほのぼのとするそんな作品
なにしろ
安心して聞いてられる
安定の歌唱力。
見事!岩崎宏美さん!


憂鬱な夜の殺し方 吉田拓郎

2022-06-19 22:09:00 | 僕の音楽日記
1990年1月10日 発売
フォーライフレコードから
18枚目
オリジナルとして
15枚目の
「176.5」タイトルの
このアルバム
等身大の吉田拓郎を90年代に入って
標榜しつつ
日本のポップス界に
メロディーメーカーとしての
名を刻んだ
ソングライターは
未だ現役であり、
世は打ち込みサウンド全盛の中
御多分に洩れず
吉田拓郎さんもその中にいた。

あの当時
何を言ってるんだろう?
何が言いたいんだろう?
メッセージを拾おうと
聴く側は必死に探し求めていた
今のように
情報がたくさんあるわけじゃない
時だったから

音楽雑誌、ラジオ、ごく一部に出演されるTV
それでしか
吉田拓郎を知る由がなかった
80年を超え
90年に突入
吉田拓郎は吉田拓郎を越えられず
かといって
新たにつくりあげながら迷い
決まらないスタイルに
苛立ちに似た感情が
やはりどこかしこに
滲み出ていた。
焦りにも似たその思いは
次第にファンにも伝わっていった。

「今」を歌ってはいるものの
本人が楽しく、充実している感覚ではなかったはず
よくいえば
わかりやすい人だったからそれが
また説得力を持していた人
だったから…

作家に
森雪之丞さんと組んだアルバム作品
それまで
アイドル関係への提供曲でいうと
森雪之丞作品で共作してるのは
西城秀樹さんと倉沢淳美さん
のお二人だけ
80年代には歌謡界に沢山の作品を世に出していた
森さんだったから
その辺の「今」感を味わうためにも
吉田拓郎に雰囲気を変えていくカンフル剤的なコンビ組みを仕掛けた
アルバムだったのだと思う。

少しドキッとするタイトルをもってくる
森雪之丞さん
「憂鬱な夜の殺し方」
まさしく
吉田拓郎にあらぬ世界観。

憂鬱な夜なんて
吹き飛ばしてきた男が
歌う歌ではない
しかも
殺すというショッキングなワードも…

そこには
時代にもがき、苦悩する
吉田拓郎が見え隠れしていた

だからこそ
あの頃
僕はもう、吉田拓郎離れになりかけてた
見限って行く時期だった。

しかしながら
そんなある意味苦しかった時代、時期の音源をしっかり
吟味してきいてみると
今の自分に響くものはあった
タイトルからも惹かれるものがあり
夜が憂鬱に思える
朝も憂鬱
気力にエナジーが点火しない
そんなここ数ヶ月

還暦の歳は、厄年にもあたる
とにかく色々ある
まるで
次々と点火して
火を散らす花火のように…

今までなんてことの
なかったことから
今この時期にという
ことまで

夜は邪悪な生き物ならば
それの殺し方を…


希望に満ちた朝を迎えるために