実は、私は静岡の小さな建設会社で経営管理者兼主任技術者の取締役をしています。と、いっても特別な仕事をしているわけではなく毎日快適な事務所でお留守番をしています。事務所には他に29歳になる女子事務員さんが一人いますが、この人は私の息子の同級生です。
最近、会社で営業職員を新規採用することになりました。その人は58歳で教員免許を持っているそうです。
数日前のこと、この試用期間中の元先生が、仕事の受注先へ提出する書類を持ってきましたので、自分で記入するように言いました。すると元先生は、前の会社では事務所の人間が書いてくれたとか、記入事項が分からないからとか言って不満そうでしたので、必要な事項は全て教えるが、我社では営業に関することは営業担当者で解決してもらいたいと命じました。
私の会社は静岡市葵区昭府2丁目というところに所在し、代表者は斎藤といいます。この辺りは昔は菖蒲ヶ谷(しょうぶがや)と呼ばれていたところで、日本郵政の郵便番号で検索しても読みは「しょうぶ」です。斎藤は当然「さいとう」です。
ところが新入社員は「ショーブ」「サイトー」とカタカナ表記しましたので、私は「ショウブ」「サイトウ」と書き直すように指示しました。すると新入社員は何を血迷ったのか、貴方がなんと言おうと、日本郵政がなんと言おうと、「ショーブ」「サイトー」という表記方法は文部科学省の学習指導要領に決っていることだから絶対に直さないということでした。
私はこのとき、まだ本採用もしていないこの新入社員の反抗的な態度に違和感を覚えると同時に、自分自身が受けた小学校の国語教育の中では心当たりがないことなので大きな疑問を感じました。
件の提出書類については丁度その場へ社長がきて自分は「サイトウ」だからということで一応は収まりましたが、無学な私には本当に学習指導要領に「ショーブ」「サイトー」と長音表記するようになっているものか、或いはどちらでも良いものか疑問が残りました。
その晩のことですが自宅のパソコンの前に座ったら突然妙案が閃いたのです。私には俳句のお仲間がたくさん居りますが、中には大学の名誉教授もいれば現役の教師もいます。そこで千葉県成田市の現役の小学校の先生にことの顛末を詳しく書いたメールを送りました。その方は普段から小学生に俳句を熱心に指導されている国語の先生です。
翌日、早速届いた返事の概略は次のとおりです。
「長音の表記方法と長音符」・・・ウィキペディア参照。
①片仮名表記
長音符は主に片仮名で外来語(例:テーブル)や擬音・擬態語(例:ニャーン、シーッ)の長音を表記する場合に使われる。
現代の日本語の表記では外来語や擬音・擬態語以外で片仮名を使う場合は限られているが、外来語や擬音・擬態語以外では、片仮名表記であっても原則として長音符は使わず、下記の平仮名と同様の方法で長音を表す(例:シイタケ、フウトウカズラ、セイウチ、ホウセンカ、オオバコ)。一方でヒコーキ、ケータイ等のように長音符を使う方が標準となっている言葉もある。
②平仮名表記
平仮名では通常、長音符は使われず、現代仮名遣いに基づいた別の方法で長音を表す(例:かあさん、にいさん、すうじ、ねえさん、けいさん、とうさん、そのとおり)。ただし、非標準だが感動詞(例:「ああ」の代わりに「あー」、ありゃー)、擬音・擬態語(例:どすーん、そーっ、あーん)や方言・俗語(例:てめー、あぶねーっ!、あちー)、語調の強調による長呼(例:ながーい、よーく、たかーい)の表記などに平仮名でも長音符が使われることがあり、特に漫画の書き文字に多用される。
③漢字音の振り仮名
漢字音を示す振り仮名の場合、現代的な中国語や朝鮮語の発音には片仮名表記で長音符を使うが、それとは別の日本漢字音には片仮名表記、平仮名表記のいずれの場合も原則として長音符は使わず、上記の現代仮名遣いにもとづいた方法で長音を表す。
④長音符の歴史
長音符は外国語を表すのに使われたのが始まりといわれ、江戸の儒学者なども使っていたが、明治時代に一般的となった。引く音の「引」の右側の旁(つくり)から取られたという説がある。
1900年(明治33年)、小学校令施行規則によって小学校の教科書に棒引き仮名遣いを使うことが定められた。これは漢字音や感動詞の長音を「ー」を使って表すというもので、「校長」を「こーちょー」、「ああ」を「あー」、「いいえ」を「いーえ」とするような仮名遣いであった。しかし、1908年(明治41年)に文部省令で廃止された。
今回の場合は「昭府」「斎藤」の振り仮名で③に該当しますから長音符は使わないのが原則です。遵って、文部科学省の学習指導要領に書いてあるというのも新入社員の嘘っぱちです。
次の日に以上のことを書いたメールのコピーを元先生の新入社員に示し、ところで貴方の教員免許は国語科なのかと訊いたら実は社会科なんですというから、役にも立たない教員免許や大学卒業の学歴をひけらかす前に先ずは営業の実績を上げなさいといってやりました。
最近、会社で営業職員を新規採用することになりました。その人は58歳で教員免許を持っているそうです。
数日前のこと、この試用期間中の元先生が、仕事の受注先へ提出する書類を持ってきましたので、自分で記入するように言いました。すると元先生は、前の会社では事務所の人間が書いてくれたとか、記入事項が分からないからとか言って不満そうでしたので、必要な事項は全て教えるが、我社では営業に関することは営業担当者で解決してもらいたいと命じました。
私の会社は静岡市葵区昭府2丁目というところに所在し、代表者は斎藤といいます。この辺りは昔は菖蒲ヶ谷(しょうぶがや)と呼ばれていたところで、日本郵政の郵便番号で検索しても読みは「しょうぶ」です。斎藤は当然「さいとう」です。
ところが新入社員は「ショーブ」「サイトー」とカタカナ表記しましたので、私は「ショウブ」「サイトウ」と書き直すように指示しました。すると新入社員は何を血迷ったのか、貴方がなんと言おうと、日本郵政がなんと言おうと、「ショーブ」「サイトー」という表記方法は文部科学省の学習指導要領に決っていることだから絶対に直さないということでした。
私はこのとき、まだ本採用もしていないこの新入社員の反抗的な態度に違和感を覚えると同時に、自分自身が受けた小学校の国語教育の中では心当たりがないことなので大きな疑問を感じました。
件の提出書類については丁度その場へ社長がきて自分は「サイトウ」だからということで一応は収まりましたが、無学な私には本当に学習指導要領に「ショーブ」「サイトー」と長音表記するようになっているものか、或いはどちらでも良いものか疑問が残りました。
その晩のことですが自宅のパソコンの前に座ったら突然妙案が閃いたのです。私には俳句のお仲間がたくさん居りますが、中には大学の名誉教授もいれば現役の教師もいます。そこで千葉県成田市の現役の小学校の先生にことの顛末を詳しく書いたメールを送りました。その方は普段から小学生に俳句を熱心に指導されている国語の先生です。
翌日、早速届いた返事の概略は次のとおりです。
「長音の表記方法と長音符」・・・ウィキペディア参照。
①片仮名表記
長音符は主に片仮名で外来語(例:テーブル)や擬音・擬態語(例:ニャーン、シーッ)の長音を表記する場合に使われる。
現代の日本語の表記では外来語や擬音・擬態語以外で片仮名を使う場合は限られているが、外来語や擬音・擬態語以外では、片仮名表記であっても原則として長音符は使わず、下記の平仮名と同様の方法で長音を表す(例:シイタケ、フウトウカズラ、セイウチ、ホウセンカ、オオバコ)。一方でヒコーキ、ケータイ等のように長音符を使う方が標準となっている言葉もある。
②平仮名表記
平仮名では通常、長音符は使われず、現代仮名遣いに基づいた別の方法で長音を表す(例:かあさん、にいさん、すうじ、ねえさん、けいさん、とうさん、そのとおり)。ただし、非標準だが感動詞(例:「ああ」の代わりに「あー」、ありゃー)、擬音・擬態語(例:どすーん、そーっ、あーん)や方言・俗語(例:てめー、あぶねーっ!、あちー)、語調の強調による長呼(例:ながーい、よーく、たかーい)の表記などに平仮名でも長音符が使われることがあり、特に漫画の書き文字に多用される。
③漢字音の振り仮名
漢字音を示す振り仮名の場合、現代的な中国語や朝鮮語の発音には片仮名表記で長音符を使うが、それとは別の日本漢字音には片仮名表記、平仮名表記のいずれの場合も原則として長音符は使わず、上記の現代仮名遣いにもとづいた方法で長音を表す。
④長音符の歴史
長音符は外国語を表すのに使われたのが始まりといわれ、江戸の儒学者なども使っていたが、明治時代に一般的となった。引く音の「引」の右側の旁(つくり)から取られたという説がある。
1900年(明治33年)、小学校令施行規則によって小学校の教科書に棒引き仮名遣いを使うことが定められた。これは漢字音や感動詞の長音を「ー」を使って表すというもので、「校長」を「こーちょー」、「ああ」を「あー」、「いいえ」を「いーえ」とするような仮名遣いであった。しかし、1908年(明治41年)に文部省令で廃止された。
今回の場合は「昭府」「斎藤」の振り仮名で③に該当しますから長音符は使わないのが原則です。遵って、文部科学省の学習指導要領に書いてあるというのも新入社員の嘘っぱちです。
次の日に以上のことを書いたメールのコピーを元先生の新入社員に示し、ところで貴方の教員免許は国語科なのかと訊いたら実は社会科なんですというから、役にも立たない教員免許や大学卒業の学歴をひけらかす前に先ずは営業の実績を上げなさいといってやりました。