日々是好舌

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植物を学んだ先生顕彰す

2020年11月15日 10時38分17秒 | 日記
『静岡県植物誌』の著者・杉本順一先生の略歴を紹介して郷土の偉人として顕彰したいと思う。私が高校生の時に伊豆天城山系で採集した植物標本の鑑定をお願いした先生である。

1901年(明治34年)静岡市(旧豊田村)に生まれる。早くから植物学に没頭し、静岡県下をほとんど隈なく歩き、植物観察・採集を行う。また、国立科学博物館・東京帝国大学・京都帝国大学等に出向き、研鑽を重ねる。

1930(昭和5年)、天皇陛下が天城山に行幸の折には、県産の代表的植物の標本を天覧に供した。
この間に、静岡県天然記念物調査員・静岡県文化財専門委員・伊豆半島国立公園及び南アルプス国立公園調査員・登呂遺跡発掘調査員・牧野標本館研究員・天然記念物緊急調査員などとして植物関係の調査に従事した。さらに、静岡生物同好会々長、熱帯植物友の会々長などを務め、静岡県自然保護協会の設立にも参画した。

1974年(昭和49年)秋の叙勲において、文化に尽くした功により勲五等双光旭日章を受章する。

 杉本順一氏の主な著書には『日本樹木総検索誌』『日本草本植物総検索誌』『静岡県の植物』(共著)『伊豆半島の植物』(共著)『東海の自然』(共著)など多数がある。


 杉本順一氏の植物標本が静岡県に寄贈されたのは、31年前の1989年(平成元年)である。当時は県立自然史博物館の構想も固まっていなかった。

 寄贈された標本は維管束植物などの腊葉標本61,870点、果実・種子約 150点。合計約62,000点である。静岡県産の標本は約半数で、外国の標本も 2,844点ある。科別では90 ~ 100%収集されている科が多数あり、静岡県に該当する維管束植物は約90%が在中している。重要なことはアシタカマツムシソウのように、杉本氏が関係されたタイプ標本が多数含まれていることである。最近、植物の分類が新しく見直されていることから標本を分析することで、新しい種や分布の発見などもあることが予測される貴重な標本である。

 2020年8月には、静岡市駿河区の「ふじのくに地球環境史ミュージアム」で、静岡県を中心に活躍した植物研究家、故・杉本順一さんが戦前に県内で集めた植物コレクションが展示された。