サルビアの茎に付着したワタフキカイガラムシ(Icerya purchasi Maskell)
原産地はオーストラリアで、明治40年代に日本に侵入したとされている。なんとも奇妙な昆虫で、楕円形の形は赤っぽい前半部と白いロウ物質からなる後半部に分かれる。虫体は前半部であり、後半部の白いロウ物質のほとんどは卵嚢である。卵嚢を分泌しない幼虫は、後方のロウ物質がほとんどない(大きい成虫の下にいるのが幼虫)。雌成虫、幼虫は写真のように口器の口針を深く挿入し宿主である植物体にくっついている。雄成虫は翅があり、図鑑の写真ではまるで蛾のようだが、めったに出現しないらしい。このあたりでは、雌単独での単為生殖とされている。植物から摂取した糖分を利用してワックスを生合成するらしい。これは鳥が食うと不快な味がするのだろうか。