はるみのちょっとTea-time

日々の暮らしのなかで感じたこと、市民運動のことなどわたしのことばで、つづります。

風力発電のブレードやナセルの性能はほんとに基準をクリアしてる?

2009-05-29 | 風力発電

2009年5月29日(金曜日)
昨日ほどではないが、
あいかわらずの体調不良・・・

おなかがすいた~と感じるぐらいには
回復し、食欲も出てきたから、
まあ、よしとしよう。

さて、今日は風力発電の耐震について
お勉強しました。

先日の環境審議会で委員のみなさんからの
質疑に対し、
ほとんど答えられなかったCEF社の情けない対応・・・

ひょっとして、環境審議会のこと、
甘くみていたんじゃないのかな?
こんな質問が出てくるとは思っていなかった?
それこそ、思い上がりもはなはだしいよ、CEFは・・・

7か月以上も敦賀港に放置されている風車の
ブレード(羽根)やナセル(発電機の収納部分)は
欧州製のはず。
いったい、いつ製造されたものなんだろ?

欧州では台風がこないから、ボルトなどの設計基準は
台風並みの強い風を考慮していないとのこと。

昨日のブレードが折れてしまった事故なども
ブレードの設計が台風などの強い風を
考慮していないからじゃないかと、
ド・シロートのわたしでも勘ぐってしまう。

はたして、国の指定性能評価期間による
評価と大臣認定、ちゃんとクリアしてるのかな?

ただ、日本の甘いところは、海外規格が
JIS規格と完全に一致していなくても
使ってる材料の試験データが
JIS規格の範囲に入っていれば
JIS規格に適合しているとみなすんだそうな。

こちらはお勉強させてもらった
『建築基準法と風力発電設備支持物の性能評価』
石原 孟・東京大学大学院工学系研究科・教授の
論文です。
7ページもあるので、一部抜粋して
載せました。

ところどころに、風力発電を推進しているな~
と思わせる記述もあって、
なんだかな~・・・と思ってしまいました・・・

http://windeng.t.u-tokyo.ac.jp/TCWRDWT/performance_evaluation.pdf


建築基準法と風力発電設備支持物の性能評価


昨年6 月20 日の建築基準法の改正に伴い,
風力発電設備支持物が該当する工作物の確認申請の手続きが
変更され,高さが60m を超える風力発電設備は
支持構造の安全性を確認するために
指定性能評価機関による評価と大臣認定を
受けることが必要となった。
建築基準法の改正は風力発電設備支持物の安全性と
信頼性の向上に貢献する一方,
今年4 月2 日の朝日新聞)に指摘されたように,
耐震基準の厳格化により6 割以上の
風力発電の計画が遅れている事態も発生している。

  *********

現在欧州で広く使われている風車タワー接合部の
ボルト設計では離間を認め,疲労耐力と
終局耐力を別々に照査している。
疲労耐力の照査をクリアできれば,ボルトの
短期許容引張力を初期導入張力より
高く設定することを認めている。
ただし,ボルトの疲労耐力を照査する際の
風速の最大値は風車の設計風速の0.7倍としており,
高風速による疲労損傷を無視している。

欧州には台風がないため,
風速の確率分布はワイブル分布に従う。
そのため,高風速の出現頻度が極めて低く,
高風速による疲労損傷を無視できる。
一方,わが国では台風の影響により,
風速の確率分布は高風速側において
ワイブル分布に従わず,
台風により高風速の出現頻度が高くなる。
現状では設計風速までの強風を含めた疲労耐力評価を
行っておらず,台風に起因する高風速が
ボルトの疲労強度にどのような影響を与えるかは不明である。
また離間を認めた場合には極めて稀に発生する
地震力に対して,風車タワーのフランジ接合部を
剛結と仮定することができず,離間による非線形効果を
考慮した時刻歴応答解析の手法および離間を模擬する
非線形ばねモデルを確立する必要がある。
さらに,風力発電設備支持物の大臣認定を受ける際
には1機ずつ受けるのが現状である。

    *********

昨年6 月20 日の建築基準法の改正に伴い,
高さが60m を超える風力発電設備は
支持構造の安全性を確認するためには,
指定性能評価機関による評価と大臣認定を
受けることが必要となった。
本稿は,建築基準法の考え方および
風力発電設備支持物の性能評価と安全性照査の現状に
ついて紹介するとともに,風力発電設備支持物構造設計に
関わる技術課題を明らかにした。
風力発電設備支持物構造設計指針に関しては,
現在土木学会構造工学委員・風力発電設備の動的解析と
構造設計小委員会においてその改定を行っている。
極めて稀に発生する地震力に対する構造設計手法の
提案やタワーの接合部分に関する新しい設計手法の
導入を行うと共に,風力発電設備支持物の一般認証に
関する技術問題の検討を行う予定である。
これらの活動を通じて,風力発電設備支持物の
安全性向上や風力発電のさらなる導入拡大に
貢献できることを願っている。

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