2010年3月21日(日曜日)
春眠、暁を覚えず・・・
なんてものじゃなくて、朝も昼も
今日は、1日中、眠くて眠くて、どうしようもなかった。
パソコンにむかい、原稿を書きながら
ウツラウツラ・・・というより、完全に爆睡。
椅子に腰掛けたままだったので、目が覚めたときには
体中がこわばってしまって、頭を持ち上げるのにも一苦労。
なんとか、椅子からころげおちないですんだ。
もう一度、原稿にとりかかったけれど、生あくびがとまらない。
ヨタヨタしながら布団へもぐりこみ、また爆睡。
夕方になってやっと、布団から脱出。
タミヨさん家へ出かけようと外へでたら、
黄砂に雨風で、車は茶色の泥水をかぶったようになっていた。
春の甲子園、開幕第一戦は
敦賀気比高が天理に逆転勝ちしたことを知ったのは、
夕方のニュース。
よかった、よかった・・・
姪っ子は明日、卒業式に出るために新潟へ向かうけれど、
なんと、天気予報では、新潟は雪・・・
風邪ひかないように、気をつけていってらっしゃいね。
このあいだから、気になっていた本をアマゾンで注文。
手嶋龍一の「スギハラ・ダラー」である。
週刊現代の「インタビュー書いたのは私です」と
産経新聞の書評でも取り上げられた「スギハラ・ダラー」は
命のビザの杉原千畝さんのもうひとつの顔を明らかにした小説だという。
いま、はやりのインテリジェンス小説なんだそうな・・・
インテリジェンス小説とは「公開情報や秘密情報を精査、分析して、
近未来に起こるであろう出来事を描く小説」だと定義されているらしい・・・
産経新聞の書評は杉原千畝研究で知られる白石仁章さんである。
敦賀にも来ていただいたこともあって、あら!なつかしや~
なのでこの記事をアップします。
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100228/bks1002280837004-n1.htm
【書評】『スギハラ・ダラー』手嶋龍一著
■まさに前作しのぐ2作目
今から30年ほど前に大ヒットした映画シリーズの第2作に、
「前作をしのげないなら2作目を作る意味がない」という
自信溢(あふ)れるコピーが付され、強烈な印象を残した。
当時から今日まで、名作と呼ばれた小説や映画の第2作が
凡庸な模造品に終わった例は枚挙にいとまがない。
そこで、日本初のインテリジェンス小説として、
多くの読者を魅了した手嶋龍一氏の名著
『ウルトラ・ダラー』の第2弾である本書に対しては、
いささか厳しい目で臨まざるを得なかった。
しかし、久々に先のコピーに負けない
第2作に出会えたと断言したい。
手嶋氏のインテリジェンス小説の魅力は、
どこまでが事実で、どこからフィクションかという
虚実の皮膜にある。
本作品でも、前作以来の主人公スティーブン・ブラッドレーが
近年世界中を震撼(しんかん)させた金融パニック、
例えばブラック・マンデー、9・11事件に端を発する金融危機、
そしてリーマン破綻(はたん)といった諸事件の背後に
蠢(うごめ)く存在を探る。
その過程で、第二次世界大戦下、大勢のユダヤ系避難民に
日本の通過ビザを発給して、多くの人命を救った外交官、
杉原千畝(ちうね)にたどり着き、
「スギハラ・サバイバル」と呼ばれた難民の一人に
焦点が合わせられる。
彼は、アメリカに渡ってシカゴ金融界の大物になり、
革命的な金融商品を次々と生み出して、
今日の金融グローバル化の一翼を担うのだが、
実在の人物がモデルであることを知った時には
「事実は小説より奇なり」との格言を改めて実感した。
前作以上の知的興奮を味わったが、
それは一般小説の何十冊分にも相当する膨大な情報が
惜しげもなく盛り込まれているからこそと言えよう。
杉原とポーランド将校の情報面における協力という、
一見荒唐無稽(むけい)に見えるエピソードも
紛れもない事実である。
杉原のインテリジェンス・オフィサー面の有能さを
初めて明らかにし、杉原研究にも一石を投じたことは、
本書の奥行きの深さを象徴している。
近年とみに高まっているインテリジェンスへの関心が
十分に満たされるガイドブックの登場を心より歓迎したい。
(新潮社・1680円)
評・白石仁章(杉原千畝研究家)