朝焼けを見るために

神様からの贈り物。一瞬の時。

お別れ

2010-07-15 07:36:26 | 徒然に
また、大切な人が天国へ旅だっていきました。

家族ぐるみで、まるで家族のように、
その方の奥様も、娘さんたちも、お孫さん達も、御兄弟、そのご家族も、
みんなお付き合いがあります。

家の娘たちも、ご自分の孫のように可愛がっていただきました。
「じいじぃ」
と、私を含め娘たちもそう慣れ親しんでそう呼んでいました。

私たち夫婦が、仕事場で些細なことで喧嘩をしていた時、
「もうやめろ!明日、俺がそこに蛇口をつけてやる!」
そう言って、ちゃんと次の日に材料と工具を抱えて水がでるようにしてくれました。

お正月には、必ず娘たちにもお年玉をくださいました。

私が庭木を切っていたら、ご自分の家の高枝ばさみをわざわざ持ってきてくださったり。
これは、まだ我が家の倉庫にあります。

垣根を刈っていたら、
「どれ!」
と、私の手からバリカンを奪い去り、垣根を刈り始めたり。

亭主の仲間と一緒に、私が用意したおにぎりをほおばりながら、
我が家で、一晩中、麻雀に興じたこともあありました。

お宅には、いつもご家族がたくさん集い、
娘さんたち家族とともに、御兄弟のご家族、姪の家族までもが、
笑い声を響かせながら集うような、そんなご家庭でした。





長い入院生活でした。
担当医に猜疑心を抱いていた時期もありました。
まだまだ、またお孫さんたちと一緒に楽しい日々を過ごすことを描いていた時期がありました。
娘たちのことを、心配してくださったり、
「ちゃんとしてやってくれ!」
と、ご自分の孫のように言ってくださったり、

亭主がくるのを待っていてくださったりしました。

具合が悪く、お話もできずに、奥様とだけはなしをして帰るときもありました。
何も言わず、手だけを握って短い時間を過ごしときも。
寝顔だけをみて、そっと失礼する時もありました。

最後にお見舞いに伺った時には、
握り返す手の力もほとんどなく、熱で意識が遠のいているようでした。
それでも、力なく握り返してくれる手のぬくもり。

それが最後のお別れでした。


短い時間で失礼しましたが、もうそれが最後のお別れだと、そう私にはその時思えました。
「おかあさんも、お気をつけて。」
そう、病室をでてエレベーターに乗る時に奥様にごあいさつし、
『もういいよ。ゆっくりしようね。』
そう、心の中で告げていた私がいます。


昨日のお通夜には、亭主だけがお別れにいきました。
今日の葬儀には、行きません。


私の中で、お別れがすんでいます。


大切な人が、一人、また一人と旅立っていきます。
寂しいけれど、ちゃんと受け止めて、私のお別れをします。



安らかに、
ゆっくりと。。。

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