朝焼けを見るために

神様からの贈り物。一瞬の時。

抱擁

2007-09-24 04:12:58 | 流水子
「もしあの時、あの誘いにのっていたら、きっとあの時限りだった。」
あなたは、私から少し目をそらしゆっくりとはっきりとそう言った。
視線を私に戻しながら静かに笑い、戸惑いの中にその言葉の肯定をしている私の顔をみた。
「あの時限りではなくてよかったって、そう言っているの?」
真意を確かめようとするなんて、ばかなことをしている私がいる。
一回りも下の彼に、大人として上手く接することができないのは、彼がヒールを履いた私よりもまだ15cmも背が高いからなのか?それとも彼の人間としての大きさを認めているからなのか?
「出ましょう、送ります。」
無垢のグラスのあとがいくつもついた丸テーブルに。斜めに向かいあうように座っていた彼は、突然立ち上がり私の手をとった。
慌ててバックをつかみ、彼について店をでた。並びながら歩き始めた彼は、
「もう、何も言わなくてもいいでしょ。」
そう言って、雑踏の中私を抱きしめた。それは親愛のハグだった。


その日はどういう経緯だったのかは覚えていないが、彼と時間を過ごすことになった。狭い街の中、小さなライブハウスに行った。
ワンショットのスコッチを互いに舐めながら、そのライブを楽しんだ。










真夜中目が覚め、また夢の中に引き戻される。あなたと並びながら街を歩く私の姿が見えた。

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