『あのね。』
『ん?』
『神様、お願い!』
『うん?』
『そう、言うの。』
『ふうん。』
『すると、本当に、不思議なことが魔法のようにおこるの。』
『例えば。』
『例えば、こうして逢えること。』
『…。』
『時間が欲しいわけ、そして嘘を裏付けするものも。』
『ほう。』
『そのためには、何かないと。主人の信用を勝ち得ておくこと。あの子が機嫌よく目を覚まし、早めに幼稚園に連れて行くことができること。』
『そして、』
『そして、…貴方との時間を充分に楽しめること。』
『じゃあ、二人だけの時間を。後のことは今は、頭の中から除外しよう。』
『ふふふ。』
『何?』
『貴方は神様を信じないのかな?と思って。』
『信じているさもちろん。』
『そう?』
『神様がいるから、君にまた逢えた。』
『ずっと探していてくれた。』
『そぅ、神様が俺には君しかいない、そう教えてくれたから。ずっとずっと探し続けて、やっと君を捕まえた。だから。』
『だから?』
『だから、神様にいつも感謝している。』
『神様、ありがとうって。』
『そう、神様ありがとう。』
『同じね。』
『何もかも。』
『何もかも。』
『覚えていますか?石川です。』
家事を一通りすませた午前11時前、その日PCに入ったメールをチェックするのが日課だ。
登録されていないアドレス、が、気になって開いた。しまいこんだはずの記憶の中の名前。二昔近くもの記憶。蘇ってきた追憶の中、名前と記憶の中の顔が一致した。
その携帯からのアドレスを拾い、携帯からメールで返信をいれた。もちろんPCの受信メールは念のため削除して。
『ずっと探していた。君が結婚した直後に、実家の方に電話を入れたんだ。遅かった。』
そうその男性は言った。その瞬間、私の中でなんとなくしっくりいっていない、夫婦の関係が確かなものとなった。
私が、共に歩いていきたかった、歩いていくべき男性は、主人ではなくこの男性だったのだと。その時にはわからなかったもの、ある程度の人生をすごしてきたからこそ分かるもの。
全て神様はお見通しなのかもしれない。そして、今だから分かるそのこと。流されて生きてきたそのことにも、決して無駄とことはない。
『人生の選択の誤りは誰にでもある。君だって、そして俺だって。自分を一番理解してくれる、その人と暮らすことのできないことが、この世の不思議なんだ。』
もしかしたら、そう思い購入したことはなかった同窓生名簿を購入した。そこに名字の変わっている、その女性の名前とアドレス。
やっと探しあてた。
なぜか必ずアクセスがあると確信があった。ひたすらアプローチをし続けた学生時代。仲の良い仲間以上にはなれなかった。幾度となく擦れ違い、お互いそれぞれの家庭を持った。その時はそのことが間違いだと気付くこともなく。しかし、生活と言うものの中での歳月は嘘をつき通すにはあまりにも正直すぎた。
『助けて!』
悲鳴が聞こえた。続けてその女性の泣き顔が見えた。しかし、500km離れたこの土地から抱きしめに行くことはできない。
『大丈夫か?』
突然の俺からのメールに驚いた様子の返信が。テレパシーか?神様のお告げか?なぜだか、その女性の悲しみが苦しみがわかった。やっと探しだした女性。もう二度と擦れ違うことも、見失うこともないだろう。ただ、二人抱き合い共に歩き出すには、越えなくてはならないハードルは高い。
同じことを同じ時に、離れた場所で感じ合える。そうした体験をできる、万にひとつの出逢った者同士。十数年昔ではなく、今だからこそお互いを必要としている。
==第八話完==
『ん?』
『神様、お願い!』
『うん?』
『そう、言うの。』
『ふうん。』
『すると、本当に、不思議なことが魔法のようにおこるの。』
『例えば。』
『例えば、こうして逢えること。』
『…。』
『時間が欲しいわけ、そして嘘を裏付けするものも。』
『ほう。』
『そのためには、何かないと。主人の信用を勝ち得ておくこと。あの子が機嫌よく目を覚まし、早めに幼稚園に連れて行くことができること。』
『そして、』
『そして、…貴方との時間を充分に楽しめること。』
『じゃあ、二人だけの時間を。後のことは今は、頭の中から除外しよう。』
『ふふふ。』
『何?』
『貴方は神様を信じないのかな?と思って。』
『信じているさもちろん。』
『そう?』
『神様がいるから、君にまた逢えた。』
『ずっと探していてくれた。』
『そぅ、神様が俺には君しかいない、そう教えてくれたから。ずっとずっと探し続けて、やっと君を捕まえた。だから。』
『だから?』
『だから、神様にいつも感謝している。』
『神様、ありがとうって。』
『そう、神様ありがとう。』
『同じね。』
『何もかも。』
『何もかも。』
『覚えていますか?石川です。』
家事を一通りすませた午前11時前、その日PCに入ったメールをチェックするのが日課だ。
登録されていないアドレス、が、気になって開いた。しまいこんだはずの記憶の中の名前。二昔近くもの記憶。蘇ってきた追憶の中、名前と記憶の中の顔が一致した。
その携帯からのアドレスを拾い、携帯からメールで返信をいれた。もちろんPCの受信メールは念のため削除して。
『ずっと探していた。君が結婚した直後に、実家の方に電話を入れたんだ。遅かった。』
そうその男性は言った。その瞬間、私の中でなんとなくしっくりいっていない、夫婦の関係が確かなものとなった。
私が、共に歩いていきたかった、歩いていくべき男性は、主人ではなくこの男性だったのだと。その時にはわからなかったもの、ある程度の人生をすごしてきたからこそ分かるもの。
全て神様はお見通しなのかもしれない。そして、今だから分かるそのこと。流されて生きてきたそのことにも、決して無駄とことはない。
『人生の選択の誤りは誰にでもある。君だって、そして俺だって。自分を一番理解してくれる、その人と暮らすことのできないことが、この世の不思議なんだ。』
もしかしたら、そう思い購入したことはなかった同窓生名簿を購入した。そこに名字の変わっている、その女性の名前とアドレス。
やっと探しあてた。
なぜか必ずアクセスがあると確信があった。ひたすらアプローチをし続けた学生時代。仲の良い仲間以上にはなれなかった。幾度となく擦れ違い、お互いそれぞれの家庭を持った。その時はそのことが間違いだと気付くこともなく。しかし、生活と言うものの中での歳月は嘘をつき通すにはあまりにも正直すぎた。
『助けて!』
悲鳴が聞こえた。続けてその女性の泣き顔が見えた。しかし、500km離れたこの土地から抱きしめに行くことはできない。
『大丈夫か?』
突然の俺からのメールに驚いた様子の返信が。テレパシーか?神様のお告げか?なぜだか、その女性の悲しみが苦しみがわかった。やっと探しだした女性。もう二度と擦れ違うことも、見失うこともないだろう。ただ、二人抱き合い共に歩き出すには、越えなくてはならないハードルは高い。
同じことを同じ時に、離れた場所で感じ合える。そうした体験をできる、万にひとつの出逢った者同士。十数年昔ではなく、今だからこそお互いを必要としている。
==第八話完==
そこに答えはあるのだろうか。
みつけられるはずもないけど、答えを出さなければ。。。
なんて素敵なことなんだろうってね。
思いだけで繋がる何かがあってもいいかな。。。
それで満足できたら、なんて素敵なんだろうと。
思いだけで繋がっていられるなんて。。。
(私のことではないのですが)
答えはださなくてよいのですよね。