ファーストレディー
先日 知人のご好意で、演劇の公演前夜リハーサルをみせてもらう機会がありました。公演は、近松門左衛門原作の平家女護ノ島(へいけにょごのしま、紀伊国屋ホール)で、平清盛の盛衰とその取り巻く人々の運命を、女房、妾など女たちの立場から表現した物語です。武士(もののふ)たちの権力をめぐる争いの中で、翻弄されつつも生きていく当時の女性たちの悲哀を描いたもので、私のような歴史や人物像に疎いものでも、十分楽しめる内容でした。
芝居の趣旨とは直接関係ないことなのですが、清盛の妻を中心に、妾、その他の女官たちが六波羅という大奥の屋敷で、貨幣の製造と供給量、外国との外交や貿易、路の区画や整備など、政(まつりごと)所謂 国政に関して具体的に話し合い、決している場面があり、当時の総領の妻たちの役割に驚きました。戦や武士の統率は勿論、男の役割ですが、それ以外の国政、行政は、女房たちの裁量が多く働いたようです。その役割は 今のファーストレディーの比ではないですね。
ファーストレディーといえば、今回政権をとった民主党の鳩山代表の奥さん幸夫人は、世界中からの注目度は、代表以上です。「私はUFOに乗って金星に行った。」「トム・クルーズは前世 日本人だった。」などの発言がやや興味本位に紹介された影響が大きいようですが、英国タイムス誌は、古い自民党時代の日本の政治雰囲気を変える象徴として肯定的に捉ええいます。そのような意味では、既にソフトパワーとしてのファーストレディーの仕事をしているとも言えるでしょう。韓国の李明博大統領夫人の金潤玉さんも、大統領がソウル市長立候補当時、敵候補の様々なネガティブキャンペーンの中で「李候補に隠し子がいる。」噂が持ち上がるや、「いるなら連れて来なさい。忙しいから選挙を手伝わせるから。」と言って、ユーモアと共に夫への信頼示し、当選に貢献しました。
うちは「内助の功」でなくて「無い助の乞う」だと嘆くご主人!まず助けがいがある男になれと言う奥さんの声が聞こえてきそうですよ。
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