美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

無ク花(ムグンファ)と 桜

2010-10-27 12:51:34 | Weblog


無竆花(ムグンファ)と 桜

日本の国花は?というと桜がと考える人が多いと思います。しかし、国技と言われる相撲と同じように、日本では国花、国技を正式に定めてはいないようです。ただ、慣習的には桜と菊を 国の花として親しんできました。そもそも国花とは、長く国民に愛され、その象徴として考えられた花(植物、木)のことですから、その民族の意識や価値観を表現するものもあります。ちなみに中国は牡丹、台湾は梅です。

韓国の国花は、無竆花(ムグンファ、むくげ)です。学名はHibiscus synacusでハイビスカスの仲間のようですが、南国的なイメージはなく、むしろ東洋的で、白、紫、淡赤などの可憐な花びらをもった美しい花です。無竆花は、古代中国では、朝咲き夕方にはしぼむ花の短さから、瞬時の花として‘舜’と呼ばれていたようです。一方 昔から朝鮮では、一つ一つの花は短命でも、遅い春から夏をへて、秋まで次々と長く咲き続けることから‘無竆花’と呼ばれました。このように深く韓国で愛されてきた無竆花ですが、日本の植民地時代には、国の受難と共に試練の時代がありました。その当時、正式に制定されたものではなかったにせよ、民族の花として意識されてきた無竆花に対して、朝鮮民族・文化の日本化政策のなか、日本の統治政府は、独立運動の象徴として弾圧しました。全国に無竆花の植樹を禁止し、代わりに桜を植えさせ、また、無竆花を「目に血花」と呼んで見るだけで目が充血するとか、「おでき花」と呼んで、触るとおできができるなどの噂を流すなど、かなり執拗な花攻撃があったと言います。しかし、そのような悲遇のなか、無竆花はその名の通り、長く、しぶとく咲き続けたのです。

桜に日本人が感じる美意識には、あでやかに咲いたあとパッと散る潔さ、儚さというものがあるかも知れません。一方、無窮花には、一日々繰り返し、咲き変わり咲き続けるたくましさに民族の未来を映したのでしょう。

    

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幸せの経済学というもの

2010-10-14 12:00:12 | Weblog

 


 幸せの経済学というもの

「お金は幸福の必要条件である。」とは多くの人が感じることです。しかし一方「本当の幸せはお金では買えない。」ということも同時に思います。漠然と考えている経済状況と幸福感の関係を客観的に分析し、経済政策に反映させようというが研究があります。所謂 ‘幸せの経済学’というものです。

先日 米プリンストン大学の研究で報告された内容をみると、暮らしに対する満足度を示す‘生活評価’の数値は、年収が多さに比例して上昇したが、昨日笑ったか、悩んだかなどの‘感情的幸福度’では年収75千ドル(630万円)位が頭打ちで、それ以上だとむしろ減少したという結果でした。最近の不景気を考えると、アメリカで年収75千ドルを、どう評価するかは微妙ですが、高年収を得るために使う時間、労力、精神的な負担など考えると納得できる結果かもしれません。2004から2005年度に大阪大学社会経済研究所で、日米の家庭に対しておこなわれた「幸福度と所得の関係」調査でも、「所得の低い層では、幸福度と収入は比例して増加するが、所得のかなり高い層では、収入の増加は幸福感とは相関しなくなる。」と同様な結果がでています。ただ、面白いのは、「他人の生活水準を意識する。」「お金をためることが人生の目的だ。」と答えた人ほど、日本では不幸でしたが、アメリカでは幸福だという違いでした。アメリカ社会では、人との競争や、お金をもうけることをポジティブに考える為でしょうか。

過去30年間で最も幸福度が上昇した国アメリカの雑誌「GOOD」の調査によると、過去30年間で最も幸福度が上昇した国は、韓国とインドでした。他の調査対象国が比較的、先進諸国が多いことを見れば、やはり、その間の経済成長率と関係していると考えると、そろそろ韓国の幸福度もピークに近づいているかも知れませんね。「人生に必要なものは、勇気と創造力。そして少しのお金。」(チャップリン)


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インドの医療観光と耐性菌について

2010-10-14 11:49:15 | Weblog


インドの医療観光と耐性菌について


先日、独協医科大学病院に入院していた患者から、多くの抗生物質に耐性を示すNDM-1(ニューデリ-メタロβラクタマーゼ)産生菌が初めて検出され、テレビ、新聞で大きく報道されました。その当日の夕方まで、診療に追われてニュースさえ知らない私に、突然 テレビ局の報道番組から取材の依頼があり、話を聞きたいとの事でした。その男性患者は、インドにて医療行為を受け帰国した経歴があるため、インドの医療観光事情について詳しく教えてほしいとの内容でした。

 医療観光と言えば、アジアでは、マレーシア、シンガポール、タイ、韓国といった国々が、国策として政府関連機関の指導のもと積極的な事業化を推進してきました。特に韓国では、昨年観光公社(KTO)内に医療観光センターを設立し、1年まで有効な医療ビザを発行、医療観光客誘致を後押ししています。それらに続けとばかり、インドはIT産業に加え、医療産業でも、今後の成長分野として注目し、国を挙げて推進しています。国内の平均的医療水準は、まだ先進国レベルとは言えないかも知れませんが、脳外科や心臓手術、肝臓などの移植手術などの一部の高度医療では、欧米の優秀な大学で研修を終えた医師を雇用し、かなり高いレベルの治療を提供できる民間病院が存在します。また、その治療費は、欧米諸国の3分の1から5分の1ですから、英語が通じるということも合わせて、欧米や近隣のアジア諸国からの外国人患者の訪問は、年々増加傾向にあり、2012年には、その市場規模を1000億ルピー(約23億ドル)と予想しています。

 一方 このような医療観光が活発に行われることにより、今回のような外国で発生した細菌が国内に持ち込まれる可能性を危惧する人もいます。しかし、抗生物質に対する耐性菌の出現は、ある意味国内外に関わらず、薬を使用する限り避けることはできません。人のみならず、物、情報が世界の隅々まで流通するグローバル時代に、外国の影響を受けずに生きていくことは現実的に不可能だと思います。今回の検出された細菌を‘スーパー細菌’などと言って不安を煽る表現もありますが、多剤耐性はありますが、菌自体の病原性は変わらず、原則、空気感染はありません。ただ不安に思以前、その正体を見極めることです。院内における手洗い、マスク、手袋の使用など標準的予防策の徹底が重要でしょう。

 人間は、昔から細菌と闘い、自らも免疫力を獲得しながら共存して来ました。人も小さな微生物も、様々な環境に適応し存続しているのです。

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アンコール・ワット(2)・・・カンボジアの誇りと哀しみ

2010-10-04 19:26:53 | Weblog

アンコール・ワット(2)・・・カンボジアの誇りと哀しみ

クメール帝国として12世紀に最盛期を迎えたアンコール王朝も、クメール人の平和への願いにも拘らず、15世紀、シャム軍(タイ)の侵攻で、都を放棄し、その後400年以上、その荘厳な宮殿や、巧緻な石像や壁画とともに、森の中に眠り続けることになります。19世紀にフランスの植民地になったことで、フランス博物学者によって発見?され、神々しい姿は、世界中に知られるようになりました。しかし、地元ガイドさんに言わせると、こちらの人々は代々その存在を知っていたわけで、発見ではないと不満気でしたが、なるほど同感です。(もっとも、私のような観光客が、これらの遺跡を目にできるのも、世に知られるようになったお陰ですが・・・)


 他の東南アジア諸国がそうであったように、カンボジアも、フランスの次は、日本の占領下となり、第二次大戦後も大国の思惑の中で、翻弄されていきます。そして、
1975年、当時、親米政権を打倒したポルポトによる偏狂的ともいえる社会主義政策が断行されるわけです。鎖国、教育の廃止、文化宗教歴史の否定、強制集団生活が進められ、映画「キリング・フィールド(killing field)」で知られた有識者の大量虐殺が行われました。その数はポルポト政権下のわずか4年間で150万人以上、国民の4人に1人とも言われます。 今回の旅行中、街で老人を見かけることが少なかったのですが、ガイドさんによると、「実際当時、多くの知識層、年配者が殺されて年寄りはいない。」と、淡々と答えてくれました。

 カンボジアが政治的に安定したのは、ソ連の崩壊から東西冷戦が終結した後、国連の指導下で民主的な政治が行われるになってからですから、漸くここ10年ほどでしょう。まだ農業以外にはこれといった産業が育たず、簡単な日常品でさえも、多くが輸入されています。それだけに観光は国の基幹産業であり、まさにアンコール遺跡は今でもカンボジアの誇りだけではなく、実質的にも宝なのです。カンボジア国旗の中に描かれたアンコール・ワットは、古い歴史を持った若い国の未来への象徴なのでしょう。


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