「連絡ややり取りはメールで」というのが常識となって既に久しいと思います。実際、自分でも手紙らしい手紙を最後に書いたのはいつだったか思い出せません。そしてメールのかたちも、パソコン主体から携帯へ、そして携帯からスマートフォンへと進化?してきているようで、自称アナログ人間の私も、クリニックのスタッフに合わせて今ではスマホユーザーに1人です。さらによりクリニックのスタッフとの連絡が迅速にスムースにできるという事で、スマートフォンに適応した無料通話、メールアプリケーションとして‘カカオトーク’や‘LINE’を使用しています。
カカオトーク、LINEともに韓国企業が世に送り出したもので、お互いユーザー数を争って激しいライバル関係の中、アジアを中心に急速に広がっています。アメリカ発信のfacebookのような個人情報をオープンにすることには抵抗感を持つ日本人にも馴染み。スマートフォンでの使いやすさにこだわったスタイルからモバイルメッセンジャーとしてのシェアはfacebookを大きく上まり、過半数に迫りそうな勢いです。しかし、このLINEに関して、一部で韓国発なのか日本発なのかという議論が起きています。芳しくないことは相手のせいに、手柄は自分のものとしたい人間の性?ではあるでしょうが、こんな疑問が生まれたのは、LINEが開発された経緯にあります。韓国最大のインターネットサービス会社であるNHN(Next Human Network)の取締役会議長である李海珍(イ・ヘジン)氏の指揮のもと傘下の日本法人NHNジャパン研究陣の試行錯誤の中で生まれたのがLINEです。そのきっかけは、 李海珍(イ・ヘジン)氏が日本出張中に起きた東日本大震災でした。テレビの映像で震災の模様を見続けた彼は、「コミュニケーション道具は結局、大切な人との疎通を強化するのに使うものではないだろうか」と考えが浮かんだと語っています。その結果開発されたアプリには、自分がどこにいるのかを家族・友人に知らせることができる位置送信機能も追加されました。NHNジャパンは今ではLINE株式会社と変名していますが、韓国NHNの完全子会社であることは変わりません。
結局、開発地は日本であり、日本人研究陣ほか韓国、その他の多国籍のスタッフが共同で開発したソフトであることは間違いありません。会社や製品、ソフトに限らず、優れたものが世界中の人々の協力で生まれる現代、一々国籍を尋ねること自体が野暮なのでしょう。