写真を撮る時の掛け声としてお馴染みの「チーズ!」ちなみに韓国では「キムチ!」が一般的のようです。自然な笑顔を引き出すには、発音だけではなく、その社、ks会に親しまれている食べものであるからでしょう。明治8年に北海道の開拓庁試験場で初のヨーロッパ型チーズの生産が始り、戦後の食生活の欧米化により、生産とともに輸入も増大し、アジアにおいては、最大のチーズ消費国となっています。しかし、ここ数年、韓国、中国でのチーズ消費の急伸により、数年内に日本を追い抜こうという勢いです。人口比から中国は別としても、韓国人のチーズ好きは、発酵食品としてキムチに通じるという点と、古来、遊牧民であり、東アジアのチーズ発祥の地といわれるモンゴル地方も領土にした高句麗から伝わる食の遺伝子も関係しているかも知れません。
歴史をただせば、日本への‘チーズの様な物’の伝来は朝鮮半島からでした。記録によると、飛鳥時代、645年に百済(ベクジェ)の帰化人の善那によって牛乳と酪や蘇といった乳製品が天皇家に献上されたとあります。この‘蘇’が、牛乳を煮詰めて固めたもので、今でいうバターとチーズの中間のような食べ物だったようです。醍醐天皇は、諸国に命じて‘蘇’を作って天皇に献上させる「貢蘇の儀」を行わすほどで、そもそも「醍醐」とは、蘇を塾成し精製したものの名称で、それほど貴重な食べ物であったのでしょう。古代ギリシアでもチーズは、叙事詩「イーリアス」や「オデッセイ」にも登場し、神への供え物として、神殿に捧げる食べ物であったことから、時代や場所を超えて、不思議な共通点を感じます。
今では歳のせいか以前ほど手が伸びなくなりましたが、中学生の時に初めて食べたピザにたっぷり載せられたチーズの美味しさは、記憶に残っています。これこそ、飛鳥時代の貴族が初めて‘蘇’を口にした時の「醍醐味」だったのでしょう。
最近はどんどんハマってきました!!!!