「40年後には一人あたりのGDP(国内総生産)で韓国は日本の2倍になる」英国の経済紙「エコノミスト」に所属するシンクタンクグループが膨大なデーターをもとにまとめた「2050年の世界」の一章‘グローバリゼーションとアジアの世紀’で示された予想値の一つです。先に、国際的な格付け会社であるフィッチ・レーティングが韓国国債の信用格付を「AA-」へ引き上げたことで、初めて日本の格付けを追い抜いたことが話題になったこともあり、韓国内では大いに意気高揚している人々もいるようです。
しかしこういった断片的情報や、報道だけみると韓国が既に経済力では日本に追いつき、今後は差を広げていくばかりであるとも捉えられ易いですが、昨年の GDPでは5倍以上の差があり、それ以上に対外貿易立国である韓国全体の貿易黒字額に匹敵するほどの対日貿易赤字が未だに解消できずにいる現実があります。また、1990年代から始まった日本の「失われた20年」の構造的原因ともいえる少子高齢化による生産性の低下は、韓国においても全く他人事ではありません。そして景気低迷期に突入した場合、日本ほど長期的に耐えうる体力があるかどうか憂慮する経済学者もいます。
その他エコノミストによる「2050年の世界」の予想として、「経済規模での世界上位7か国は、アメリカ以外は、中国、インド、ブラジル、ロシア、インドネシア、メキシコ」「最大の人口を持つのはインド(17億)次いで中国、そしてアメリカを抜きナイジェリア」「人口減を要因にして中国の繁栄は長続きしない。日本、欧州と並んで最大の人口負け組になる」「貧しい国では億単位で貧困層から中流層に駆け上がり、豊かな国では中産階級がぼろぼろと貧困層にこぼれおちる。その為、国際間の格差は縮小し変わって国内格差が世界的に広がる」などがあります。
本の最終章は、「予言はなぜ当たらないのか?」題して過去のこのような未来予想がことごとく外れている理由に関して述べています。理論的に予言というものを分析しての内容ですが、結論的には人間は問題に面したとき、対策を講じるからというものです。未来に期待しましょう!