美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

男女平等?

2008-12-12 17:10:45 | Weblog

 

男女平等?

韓国は儒教の国であるといわれます。儒教はご存知のとおり孔子を始祖とする思想・信仰体系です。孔子は 君子の政治を理想として、仁義の道を実践して、上下秩序の分別を唱えました。その分化として朱子学が生まれ、13世紀には朝鮮に伝わり、朝鮮王朝では、高麗の国教であった仏教を排して、朱子学を国家の当時理念として用いました。両班(ヤンバン)を中心とした身分制度を確立して、社会規範として親子、夫婦、年功などの意識が根付いていくことになります。国家統治の手段として権力者に利用された部分もありますが、礼として良い意味で今も残っている部分もあると思います。

反面、時代の中で古い風習や差別として、女性にとっては不満の要因になってきているのも事実かもしれません。ダボス会議で知られるスイスに民間研究機関「世界経済フォーラム」が発表した「世界男女格差報告2008」で韓国は世界130国中108位でした。ノルウェー、フィンランド、スウェーデンが123位と北欧諸国が上位であることはわかるとしても、フィリピン6位、中国57位と比べて、アジアでも下位であると評価されました。

(ちなみに日本も江戸時代、明治とやはり朱子学などを倫理規範とした影響か、先進国中では最低の98位でした。)

この調査報告で、国会議員や閣僚の数などとともに、特に男女出生率の差、女性の技術、専門職への進出などで韓国の男女格差が指摘されています。世界的不況の中、特に資源の乏しい国では 人口の半分である女性の能力を最大限活用することが、国益にも繋がるでしょう。

しかし、韓国のように徴兵制が義務付けられている国の特殊性も考慮しなければいけないかもしれません。韓国の男子学生に対するアンケートで、兵役など韓国では男性差別があると答えた学生が半分近くいます。最近の男性は、逆差別を感じるほど進歩的になったのか、弱くなったのか・・・ 

『東洋経済日報 2008/12/5掲載』

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肌の色

2008-12-12 16:31:33 | Weblog

 

肌の色

米国初の黒人大統領が誕生し、非白人、マイナリティーの人々が涙を流しながら歓喜の声を上げている姿が報道されました。彼はいわゆる奴隷として連れてこられた黒人の子孫ではない為、黒人人権運動化の中には、やや冷ややかな目で見ている人もいるとの事ですが、あらためて人間にとっての肌の色について考えてみました。

肌の色の違いを決める主な要素は、皮膚内のメラニン量です。勿論その他にも血液内のヘモグロビン、カロチンなども色合いには関係はしていますが、わずかです。白人も黒人もメラニン細胞の数はそう変わりがありませんが、その働きははるかに黒人の場合活発なため、黒人の肌はより黒く見え、白人の肌は白いというわけです。そして東洋人のそれは中間的であるわけです。そもそも、メラニンは紫外線から肌を守る為に大事な役割をするので、赤道直下の地域の人間は、発達し、むしろ日当たりの少ない 例えば北欧の地域ではより未発達になったとも考えられます。つまり生物的適応の結果であり 人の進化とは全く関係ないものです。

日本のファッション雑誌、テレビCMを見ると、ここは欧米であるかの様な錯覚に陥るほど、白人のモデルが多く登場します。ファッション界のトレンドがヨーロッパ中心であり、アメリカのハリウッド映画が世界を席巻している現状では韓国、中国ほか他のアジア諸国でも美的価値観が欧米の影響が強いのは最もですが、特に日本は極端のような気がします。

明治維新後 和魂洋才といって西洋のものを無条件よしとして、貪欲に欧米の制度、価値観を吸収した土壌が残っているのではないかとさえ感じます。さらに敗戦後 豊かさの象徴としてアメリカ文化が入ってきたことは 重ねて日本人に白人=美という意識を植え付けたのではないでしょうか。韓国人にとっては、欧米文化に関する憧れはあっても、歴史的に懐疑的な部分もありそこまで受け入れにくいところです。

今回の黒人大統領の誕生は、アジア諸国にも何かしら価値観の‘チェンジ‘も起こさせるような予感がします。

『東洋経済日報  2008/11/14掲載』

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