美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

国籍と国家代表

2011-02-24 11:15:10 | Weblog

 

籍と国家代表

 

ーのアジアカップは日本の優勝で幕を閉じました。PK戦で惜しくも日本に敗れ、悔しい思いをした韓国ファンも多かったと思いますが、日本の決勝ゴールを決めたのが在日4世の李忠成選手ということで、韓日両ファンにとって最後まで堪能できた大会でした。特に在日外国人が増加していくこれからの社会を考えたとき、ある意味、最も理想的な結果、シナリオではないかとも感じました。

世界がグローバル化し、特に東アジア地域がより近く、より頻繁に交流する時代、国や民族に対する考え方や価値観も変わりつつあります。反面、外国に出ること、また外国人と接することで改めて自国や、自分の国籍をより意識することにもなります。比較的若い世代でも、一般の日本人よりも在日コリアンたちが、自分なりのアイデンティティー強く持った人が多いのは、物心つくころから周囲との違いを肌で感じ「自分とは何者なのか?」という問い一度は悩み、考える環境のためでしょう。勿論その結果、自分なりの価値観、アイデンティティーが生まれるわけですから、在日だからと言って十把一絡げに考える気は毛頭ありません。ただ、私などは、サッカーにしろ、他の競技にしろ、韓日戦を観戦するとき、どちらを心から応援すべきなのかと想うことがあります。勿論 心情的には韓国に勝って欲しいと思いますが、日本社会に住む一員としては、両国が善戦しフェアーな試合であることが勝敗よりも大切であるとも思うのです。そして、今回のアジアカップは、拮抗した好試合の末、韓国に日本が競り勝ち、決勝では、在日の李選手が試合を決めるヒーローとなり、観戦する在日ファンにも、韓日両国民にとっても納得できる結果ではないでしょうか。

韓国では昨年より国籍法の改正が進められ、今年前半にも施行されようとしています。その一つに、優秀な人材に対して二重国籍を認めようという項目が含まれます。少子高齢化の現実の中では、国が必要とする人材の確保は必要なことなのかも知れませんが、国のご都合主義かなとも感じるところもあります。李忠成選手が両国の二重国家代表になれないように、国を選ぶことと国籍を選ぶことは、似て異なるもので、やはり簡単ではありません。

 

 

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涙は女性の武器

2011-02-16 12:17:51 | Weblog

 

涙は女性の武器

韓流ドラマや映画を観て感じるのは、とにかく喜怒哀楽が豊かである事と、食べる場面の多いことです。特に泣く場面と、何かしら食べる場面は、物語のかなりの比重を占めるのではと感じます。特に、女性だけでなく、男性もよく泣きます。日本の男優の場合、ぐっと涙を堪える場面はあっても、大声で泣く場面というのは、あまり想像できないですが、韓国男優はよく大粒の涙を流し、且つそれが自然と見えるのは不思議です。感情表現も普段からの習慣が影響するのでしょう。

しかし、一般的にはやはり涙は女性の特権と思われています。「男がどんな理屈を並べても女の一滴の涙にはかなわない。」といったのは18世紀の思想家ヴォルテールです。この言葉の真意は別として、多くの男性諸氏が、様々な場面で経験し、実感したものではないでしょうか。反面、特に日本では、‘男は泣かないもの’‘男が泣くのは一生のうち3度だけ’などと、涙は簡単には見せてはならないものと教えられてきましたから、とても武器にはなりません。一方、‘涙は女性の武器’説を裏付ける実験結果が、イスラエルのワインツマン研究所により発表されました。研究チームは、複数の女性ボランティアに悲しい映画を見せ、涙を採取。涙と、塩水がしみ込んだシートを男性被験者の鼻の下の別々に貼り付けたところ、涙のシートを張り付けた場合でのみ、女性の顔写真に性的魅力を感じる度合いが減少したとのことです。これは即ち、女性の涙には、男の興奮を抑制する‘逆フェロモン’物質が存在すると可能性があるとしました。しかし、男の涙は調査したかは不明です。

また、副交感神経優位で分泌される涙の作用として、ストレス状態を解除するリラックス効果は、以前から指摘されています。涙は女性にとって、自分はスッキリ、男はしんなりさせる、まさに女性の武器の名に恥じないと言えるかも知れません。

 

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プライバシーと知る権利

2011-02-10 13:17:23 | Weblog

 

ライバシーと知る権利

現代では、様々な場所で‘プライバシーの尊重’ということが謳われて久しくなります。最近では病院でも患者さんお名前を呼ばず、番号などで知らせるところも増えてきました。しかし、患者や薬の取り違え事故なども考慮しなければならず、匿名にすることのリスク、それに対する十分な確認作業も同時に考えなければなりません。一方、マスコミなどでよく‘知る権利’に関して主張する論調も見られますが、最近ではウィキリークス(Wikileaks)で、国家の外交活動と国民の知る権利が話題になりました。

昨年Time誌の‘Person of the Year2010’に選ばれたのは、新しいソ-シャル・ネットワーク・サービス(SNSFacebookの創設者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏でした。SNSといえば、日本ではmixiがよく知られていますが、こちらは会員がお互いにニックネームを使用して匿名性を守るものですが、Facebookは原則、実名登録を推奨し、プロフィールや写真が公開されます。実名であることから、知人や友人、特定の人物を捜し、コンタクトを取ることで、新しいつながりが生まれていくものです。2004年の開設以来、会員は5億人を突破し、世界70言語に対応するまでになっています。世界のネット総人口を実名でつなぐ、というコンセプトを持つザッカーバーグ氏をもって「個人のプライバシーの概念を変えた男」と呼ぶ人もいます。

韓国でもFacebook は急激に普及し始めており、去年半年間の伸び率が60%と他の国と比較しても、目覚ましい伸びをみせています。反面、韓国のネット社会の負の部分でもあるプライバシー侵害という点で、韓国通信委員会で、Facebookが個人情報の取り扱いや第三者への情報提供に関して、韓国のプライバシー法に違反していると認定、改善を要求しました。

自分が載せたい情報、一面を公表し、ネット上で様々な分野、地域の人と瞬時につながりを持つという点は、特に仕事や目的によっては、今まで考えられない範囲、効率で行われていくという点は魅力的でしょう。しかし、世界の反対にいても自分が興味を持つ人とは特定の話題で関係し、家族や隣人とは挨拶もしないといった社会を想像してしまうのは、私が古いアナログ人間だからでしょうか。

 

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軍隊というもの

2011-02-02 15:13:37 | Weblog

 

軍隊というもの

 

韓国で、女性が嫌がる男たちの話題に、昔から‘軍隊’と‘サッカー’が挙げられてきました。2002年ワールドカップ以降は、国民全体の好感度も上昇した影響で、サッカーの話題は、女性にも関心は高まったかもしれませんが、軍隊に関しては、やはり女子禁制の領域であるようです。

韓国では、18歳以上の全ての健康な男子に2年間の兵役義務が課されています。当然、軍隊生活は過酷で、徹底的に軍人としての精神、肉体、そして規律や考え方をたたきこまれます。80%以上が大学に進学する韓国では、大学に入学した後、一時休学して兵役に就くものが多いようですが、一般社会から隔離され長い軍隊生活をすることは、大きな負担と言えます。特にスポーツ選手や芸能・芸術関係の若者にとっては、最も貴重な時期ともいえるため、あらゆる手段を使って兵役逃れをするものもいて、日本でも時々報道されています。それだけに兵役免除という褒賞がついた大会での韓国選手の頑張りには、やはりそれだけの意味があるからです。

過酷な訓練の中、兵役中の事故で死亡する者もおり、また上官、先輩兵からのしごきや苛めにより、懲罰覚悟で脱走する兵士や、中には暴発して死傷事件を起こす兵士も伝えられます。しかし北朝鮮と対する今の状況から、兵役や徴兵制自体に疑問を持つ国民は少ないでしょう。ある韓国人の男性に言わせると、軍隊とは、「男として、国民として、一度は行って来るべきものだが、二度はご免だ。」という表現でした。しかし、今回の延坪(ヨンピョン)島砲撃後、最も危険とされる海兵隊への志願者がむしろ急増したという事実は、国を守る意識の高さを示すものでしょう。

一方、躍進する韓国企業の強さを分析するアナリストの一人は、日本人より個人主義であるはずの韓国人が、集団として一致団結して行動力を示す秘密が軍隊経験にあると考えているようです。日本では酒席などで、たまに年配の人たちが、「最近の若者は軟弱で、軍隊でも行ってきたほうが良い。」などと愚痴っているのを聞くことがありますが、そのご当人も、軍隊のぐの字も知らない世代のようですが・・・

 

 

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