美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

渡来人と帰化人

2010-12-20 11:03:12 | Weblog

 

渡来人と帰化人

 

日、家内とドライブがてら一度訪れてみたいと思っていた高麗神社(埼玉県日高市)」行ってきました。高麗神社は、渡来した高句麗の王族、高麗王若光(こまのこぎしじゃっこう)を守護神として8世紀前半に創建された神社です。

高句麗と言えば、韓流ドラマにもなった「朱蒙(チュモン)」によって紀元前1世紀に建国され、4世紀後半、広開土王・談徳が王位についた全盛期には、朝鮮半島北部から中国東北部の広い地域を領有した東アジアの強国でした。その後も再々の隋、唐の侵略も防御し、7世紀半ばまで栄えますが、後継者争いから内紛が生じ、ついに新羅・唐連合軍により668年 首都平壌が陥落し、その700年の歴史を閉じました。滅亡の2年前、大和朝廷に向けて、国家の危急を伝える外交使節が派遣され、そこに随行していた一人が後の高麗王若光です。高句麗の命運を託され渡日した若光ですが、その後 二度と故国の土を踏むことはありませんでした。高句麗滅亡の前後、多くの高句麗人が新しい安住の地を求めて日本列島各地に渡り、彼らの技術、知識を持って各分野で登用されたようです。若光は、朝廷より従五位下の位と王(こぎし)の姓を与えられ、高句麗人1799名とともに、武蔵国に移住し、高麗郡を創設しました。高麗郡は、明治29年に入間郡へ併合され、その名は消えましたが、今の日高市,鶴ヵ島市、飯能、入間、狭山、川越市の一部にまたがる緑豊かな土地で、程よい高さの山並みが見渡せる地域です。やや高台から周囲を眺めた時、半島からの渡来人たちがどこか懐かしく感じたられる風景が、そこにあったかもしれません。

特に4世紀から7世紀の間、大陸、半島から多く日本に移住したと考えられていますが、そのずっと以前、縄文時代後期から人や物事の往来はあったことでしょう。彼らを、歴史的用語として戦前は「帰化人」と呼び、戦後は「渡来人」と呼ぶのが一般的であるようです。用語の時代的、意識的背景は別として、渡ってきた人々の血や文化は、しっかりと土地に溶け込み脈々と受け継がれて行くことは間違いないでしょう

 

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韓日美容外科比較論・・・サムスンとソニー?

2010-12-08 15:09:25 | Weblog

 

 

 韓国は、ドラマ、映画、音楽、アニメーションなどの芸能ソフト、コンテンツを90年代初めより、ソフトパワーとしての産業戦略の柱と位置付け、政府の支援のもと、積極的に世界に普及すべく、推進してきました。その成果として、「韓流」は、日本のみならず中国、東南アジア、中東にまで、一つの芸能ジャンルとして定着しつつあるようです。一方、形成外科、美容外科の分野は、国内の美に関する肯定的な価値観のもと、高い需要に後押しされ、医師の中でも専門科目中、高い人気を持つようになり、よって優秀な人材が集まる条件となりました。そしてこの2つが、政府の観光事業計画として融合することで‘韓流美容整形’という形で、韓国医療観光の一分野を担っています。私は、両国の形成外科・美容外科事情を専門医、また患者さんと関わる立場から、韓日の美容外科の微妙な違いを意識することがあります。

韓国の世界的企業サムスン電子の目覚ましい躍進は、しばしば日本の産業界でも話題になります。営業利益や純利益だけ比較すると、ここ数年では、ソニー、日立、三菱、パナソニック、シャープ、東芝の日系大手電機会社6社の合計でも、サムスン電子1社に及びません。勿論この成功は、多くの要因、努力があるでしょうし、急成長した故の課題も抱えていることと思います。最近日本の経済紙などで、サムスンやLGなどの韓国を代表する企業戦略の秘訣として「選択と集中投資」という表現がよく挙げられます。つまり、利益や効率を考えて、将来成長すると考えた分野に対して選択し、そこに集中投資を行うというものです。実はこの点では、韓国の形成外科、美容外科の分野でも感じることがあるのです。韓国の美容外科・形成外科は、非常に細分化されています。例えば、二重専門、鼻形成専門、顎の形成専門、脂肪吸引専門というように、一人の医師が一分野に特化して治療を行うことです。技術の習得時間、施設や機器の投資、を考えると確かに効率的であると言えます。患者さんもどの病院に行くべきか迷わずに済むうえ、医師も多くの症例を経験することで一分野においては技術の熟練も早いでしょう。一方、1か所にこだわると、とにかく何かしら手を加えるというように、治療の必要性が甘くなったり、過剰な手技になりかねないという部分もあるように感じます。

どちらのスタイルが優れているというより、結局は、医師一人一人が、常に患者さんの立場から、医療として最善の選択を心掛けるという原則を忘れてはいけないでしょう。

 

 

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民話、童話の世界

2010-12-01 12:42:49 | Weblog

 

民話、童話の世界

 

古くから代々口承によって伝えられてきた民話や童話は、その土地に住む庶民の生活や習慣、また願いが盛り込まれているものです。特に童話には、子供が聞いて面白い内容であるとともに、その時代、その民族の大人が子孫に伝えたい教訓や価値観が反映されていると思います。

私でも知っている韓国の童話に「青蛙(チョンケグリ)」という話があります。親の言う事に対して、なんでも反対の行動をする天邪鬼な子蛙の話で、母蛙があまりに言う事を聞かない我が子に対して、死ぬ前の最後の願いとして「自分が死んだら川の横にお墓を作って埋めておくれ。」と頼みました。何でも反対のことをする息子なら、そう言えばちゃんと山にお墓を作って埋めてくれるだろうと考えたからです。しかし、母が亡くなった後、息子は泣きながら、「最後くらいはオモニの言うとおりにしよう。」と考え、少し変だと思いながらも川の横に埋葬しました。案の定、雨の日に水嵩が増し、お墓ごと流されてしまいました。それで雨の日になると青蛙がゲロゲロ嘆いて泣くようになったという話です。儒教の国と言われる韓国では親孝行にまつわる話が多く、その中でも特にオモニと息子の愛惜を表した青蛙の話は、私には今でも韓国社会に通じる価値観があるようで面白いです。

動物がよく登場するのも民話、童話の特徴ですが、韓国の民話で欠かせないのがホランイ(虎)です。日本の「猿蟹合戦」とよく似た話に「パッジュク ハルメとホランイ(あずき粥婆さんと虎)」や「おばあさんと虎退治」という話がありますが、日本の民話での猿の役目がホランイ(虎)になります。韓国の昔話では、虎は「権力」や「外敵」の象徴として登場し、最後は力の弱い民衆によって退治されるというストーリーが多いのも特徴です。知恵や勇気を持つことで、強大な力を持った者にも打ち勝つことができるという教訓を、子供たちに伝えたかったのでしょう。

韓日の童話を読み比べると、話の内容やとらえ方、登場人物、動物などの違いの面白さを感じる反面、微妙な類似性も随所に見られます。例えば「こぶとり爺さん」とほとんど同じ設定の「ボッブリ・ヨンガム」の爺さんは、非常に陽気で歌まで披露し、金銀までお土産にもらいます。歌好きは、今も昔も変わりがないようです。

 

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