優しさの定義
‘憂’という漢字は、ヒトが静々と心細く、沈みがちなさまを 表した象形文字です。そこににんべんが付くことで、そのように振る舞う人間を指し、しなやかに悲哀を表現する人を俳優と言ったそうです。また、憂な状態にそっと人が寄り添うことが、‘優’になるとの解説もありました。漢字の語源を調べると、なるほどと納得させられますが、頻繁に使う「優しい」「優しさ」となるとその定義は、少し難しそうです。
韓流ファンの女性の声で、よくドラマや映画から韓国人男は、優しいというイメージを持つようです。一方、韓国女性の日本人男性に対するイメージも‘優しい’という言葉を多く聞きました。同じ‘優しい’でもその意味あいは、だいぶ異なるようです。そもそも韓国語で「優しい」に相当する言葉は一つではありません。幾つか挙げると부드럽다(プドゥロプタ)、착하다(チャッカダ)、친절(親切)하다(チンジョラダ)、자상(仔詳)하다(チャサンハダ)などでしょうか。確かにそれぞれ、「優しい男性」に対して使われる言葉ですが、微妙にその行動、状態は異なる観があります。私が考えるに、日本人のそれを‘柔’‘静’とすれば、韓国人は‘剛’‘動’と言えるのではないでしょうか。例えば、ドラマのシーンでもよく見られますが、女性が寒そうに見えたら、自分の上着を着せる、思い荷物があれば持ってあげる、足が痛いと言えば背負ってあげる、落ち込んでいたら無理矢理でも連れ出して付き合うなど、やや女性がためらっていても、強引に行動する「優しさ」が特徴的です。一方 日本のドラマだと女性の心を察して、そっとしておく、温かく見守るなど、気づかれないような思いやりが‘優しさ’として表現されることが多々あるようです。どちらがより優しいかは、判断が難しいところですが、韓国人のほうが、積極的でわかり易いとは言えますね。
「弱き人ほど薄情である。本当の優しさは強気人にしか期待できない。」心の強さがあれば、どんな形であっても、理解されるものだと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます