服部 鉛筆デッサン
岩田です。本日は、服部さんのデッサンをご紹介します。
油彩をずっと続けて描いてきた服部さんですが、ここにきて、もう一度モチーフをただ観察し描くことで、様々な気づきを得ていこうという気持ちになり、デッサンに励んでいます。
掲載した2枚のデッサンを見ると、出来るだけモチーフに寄り添い、丁寧に描き進めていることが見て取れますね。
漠然とモチーフを選び、並べるのではなく、個々のモチーフを吟味し、それらが台上に置かれた時の雰囲気や佇まいを特に大事にされていて、デッサン一つ取っても、それを1枚の作品として仕上げたいという作者の意思を感じます。
ガラスや布に増して、ドライフラワーには、強い思い入れが感じられ、その形状や質感をどのように画面に再現していこうかという工夫が見られます。順番としては右手の方が新しく描かれたもので、薬瓶の横に置かれた花や実は、1枚目のそれよりも複雑なものですが、根気よく緻密に描き切っています。
鉛筆でこれだけのものを描くことができるので、描画材が絵の具に移行した時に、確実に良い効果が表れると私は思っています。
今回描いたものをもう一度油彩で描いてみても良いですね。
描くことで得られた気づきを胸に、鉛筆で出せたこの雰囲気や佇まいを絵の具でも表現することができるか実験してみては如何でしょう。