海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

辺見庸『私とマリオ・ジャコメッリ』

2009-12-23 18:27:14 | 読書/書評
 今年読んだ本の中で強く印象に残った一冊。  マリオ・ジャコメッリのことはこの本で初めて知ったのだが、書店で辺見氏の名を目にして本書を手にしたとき、表紙の写真に目が釘付けになった。釘付けという表現は手垢にまみれたものだが、この写真についていえば、視線が中央の少年に一気に引き寄せられ、鋭く打ちつけられるような実感が伴う。その一点から生身の存在とは思えない黒服の女性たちや薄暗くぼんやりとした石畳の町の . . . 本文を読む
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