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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

政府・防衛省の名護、高江への圧力

2011-01-29 17:58:30 | 米軍・自衛隊・基地問題

 1月29日付琉球新報に防衛省・沖縄防衛局が、辺野古新基地建設に向けた現況調査を拒否している名護市に対して、行政不服審査法などに基づく異議申し立てをした、という記事が載っている。

 琉球新報は解説で〈行政不服審査は本来、公権力に対する国民の不服申し立ての道を開くのが目的。国が市に行使するといういびつな図式は、地元の反対にもかかわらず国が推進しようとする移設問題の構図が反映されている〉と指摘している。米軍再編交付金の凍結や名護防衛事務所設置に向けての動き、さらに今回の「異議申し立て」と、なりふりかまわずに稲嶺市長に圧力をかけ、追い詰めようという菅政権の強硬姿勢が露骨になっている。

 閣僚や民主党幹部が相次いで来沖し、仲井真知事にすり寄る一方で、稲嶺名護市長は面会すら行わず圧力をかける。ここまで分かりやすい構図で政治を演出すれば、名護市民や沖縄県民が考えを変えて、普天間基地の「県内移設」を受け入れるとでも菅首相や閣僚、民主党幹部、官僚たちは思っているのだろうか。むしろ、逆効果だろう。そのあからさまなやり方は、菅政権への反発や怒り、不快感を増大させるだけだ。

 1月26日に沖縄防衛局は、自らが高江区民を訴えた裁判が那覇地裁で行われているまさにその時に、ヘリパット建設工事を強行している。住民や支援者が裁判に行っている隙をついての工事強行であり、卑劣極まりないやり方だ。どう見ても裁判官の心証を悪くするとしか思えないのに沖縄防衛局がそこまでやるのは、裁判を住民弾圧と工事強行の手段としか見ていないことの現れであり、同時に、工事が進まないことへの焦りでもあるだろう。

 

 27、28日に高江に行った。写真は基地内のメンテナンスにきたという米軍。建設業者による工事は行われなかったが、沖縄防衛局はレンタカーを使ってヘリパット建設現場入り口付近の様子をうかがい、建設に反対する住民や支援者の数が少なくなるのを見計らって着工しようと狙っている。

 今日から名護桜祭りが行われている。本部町の八重岳、今帰仁村の今帰仁城跡、そして名護のナングスクの三カ所を結んで、ヤンバルの三大桜祭りとしてPR活動が行われている。ヤンバルの自然に触れ、桜の花を楽しむのはいいことだ。多くの人が桜祭りに訪れてほしいと思うが、同時に、辺野古や高江にも足を運んでほしい。ヤンバルを行楽地として楽しむだけでなく、無数の命が息づく森や川、海を政府・防衛省による破壊から守ってほしい。


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