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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

サボテンの花

2009-09-24 18:17:13 | 生活・文化
 今帰仁の実家では夜になると三角サボテンの花が咲いている。月下美人と同じように一夜限りの白い大輪の花である。この実がドラゴンフルーツで、ヤンバルでは民家の庭に植えてあるのを見かけるのも珍しくない。
 親戚がドラゴンフルーツを栽培していて、毎年もらってごちそうになっている。元々は建設会社を経営しているのだが、公共工事が減り、従業員を遊ばせてはいられないということで、農業にも手を広げている。そういう建設業者は少なくない。
 以前北部農林高校に勤めていた頃、職場の研修でマンゴーやドラゴンフルーツの栽培を本格的にやっている建設会社の農場を見学した。十数棟ある大型のマンゴーハウスは本業の強みで自ら建てていて、品質を上げるための努力や各棟ごとに温度調節して出荷調整する技術など、企業として生き残りのために農業分野に力を入れているのがよく分かった。
 その時に露地栽培のドラゴンフルーツ畑も見せてもらい、カラス対策の工夫も聞かせてもらった。ドラゴンフルーツに限らず、タンカン、ブドウ、パインなど露地栽培の果実がカラスの被害にあっていて、農家は大変困っている。面積が限られていれば畑の上にネットを張って防げるのだが、それにしても金がかかる。畑の横に竿を立てて仲間の死骸を提げておくと、しばらくは寄ってこないが効果は短い、といい、害がないと分かると嘴で紐を切って死骸を落とすカラスの賢さを経営者が話していた。
 趣味で作る分には花を愛でて気楽に実を待てばいいが、農家がどれだけの努力をして生産しているかを見ると、マンゴーやドラゴンフルーツなど値段は高くても、その理由を理解しなければと思う。ただ、そうそう買って食べるわけにはいかないので、売り上げの役には立っていないのだが。

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