尾っぽまで餡の詰まった鯛焼きってえっと豪勢に聞こえますが、ほんとの鯛焼きは尾っぽには餡が入ってないもんだそうで。
なぜかってえと,
「鯛焼きは餡が甘いから、尾っぽのところには餡を入れずに少し焦がして焼いて、甘くなった口の中をその尾っぽのとこでさっぱりさせるものでね。だから昔の人は、尾っぽまで餡を入れると、ドジな焼き方をしやがってといったもんだ。それに昔は、大工とか植木屋といった出入りの職人さんの三時のお茶うけによく鯛焼きを出した。そういう時、職人はいちいち手を洗うのがめんどうだからってんで、両手をパンパンとはたいて汚れた手のまま尾っぽの部分をつかむ。そして、尾っぽの部分は食べずに、犬にでもくれてやる。そういうこともあるから餡をいれるもんじゃない」
これ実は、八代目林家正蔵の言葉です。(今のは九代目)吉川潮の春風亭柳朝一代記に出てきます。
まあ、こんなこと聞いたって「そんなの関係ないわ、私ってしっぽ迄あんこがつまっている鯛焼きが好きな人じゃないですか。そんな古臭い人の話なんて無視、無視」とか「嘘、嘘、人の話は半分以上嘘。人の話はまともに聞くもんじゃない」って人は大勢いますよね、また見てもきました。
こういった近い過去の話に興味を持つということは大事なことと思うんですけどね。現在および未来が過去より賢いなどとは断定できません。また、現在、未来が過去より技術は進歩しているでしょうけれど世の中としてよりよくなっているとは断言できません。あなたの生活、心の中だって昔よりずっと良くなっているなんて断言できますか。
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