だいぶ以前のことになるが、千蛇谷を登っていた時のこと、山頂にあと一息というあたりで後方に数人のメンバーが辛そうに喘ぎながら登ってきた。
辛そうに歩くメンバーに向かってリーダーらしき男が振り返って一言、
「頑張れ、頂上はもうすぐだ、自動販売機があるはずだ。」
これも携帯はもちろん、スマホなんてない頃の話。
登山者の帰りの便利のため、地元のタクシー屋さんが山頂に無線機をあげていた。河原宿には別のタクシー屋さんがやはり無線機を置いていた。(電源は発電機、これも担いで登る。)
最寄りの駅からブルーラインを通って鉾立、あるいは八幡経由滝の小屋まで、どちらもタクシー代はその当時でも一万円くらいした。だからかなりの儲け口なのだった。
知り合いの以前タクシー屋さん勤務していた人もシーズン前には無線機を担いで山頂まで登っていた。
そんなわけで山頂の社務所の前に縦長の大きな看板に
「タクシー申込所」
と書いてあった。
下の写真の右手、ちょうど写っていないところだったと思う。
ある時、山頂にやってきた若いカップルがそれを見て
「へー、ここで申し込めばタクシーがこの裏側に来てくれるんですか?」
人の歩く道と別に車道が頂上まで続いていると思ったらしい。
なんとも平和なことでありました。
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