地形図の改訂はどのようにして行うものかと思い、その方法を国土地理院に問い合わせてみました。
両方とも国土地理院の地形図ですが左は従来の数値地図(オンライン)25000、右はオンデマンド形式で注文できる電子地形図25000です。現在オンライン地形図はオンデマンド形式で注文する電子地形図25000オンラインに変更となり、従来の柾版書式の紙型と同じ区域固定から自分で必要な個所をA4~A0サイズで切り取って購入できるようになりました。
先月投稿したように、今まであった建物の印が最新のオンライン地形図では消えています。これは私が国土地理院に、現在ここには石の祠以外何もありませんよ、といったことからこのように改訂したということですが、果たしてその方法は、その前に。
この地点には「山と高原地図」ではなぜか何年も前から見当違いな場所に「大沢神社」と記載されています。現在も記載されています。そのせいかGoogle Earth Pro でも大沢神社と記載されています。
画像はGoogle Earth Pro より。Google Earth 使うならProの方が使いやすいです、無料です。
左上の赤で囲んだ部分に大沢神社と記載されています。このルートを登った人々は最近でも大沢神社に何時何分と記録しています。不思議に思ったことでしょう、何もないのですから。実際の大沢神社は青く囲ったところ、赤い地肌が見えています。ソブ鉱石が露出した赤い滝が何本もあります。これが鳥海山奥の院と呼ばれた御神体、その中の一番左にある滝が御神体そのものの大沢神社です。拝殿は設けず、と書いてあるものもありますが、参拝時期だけ仮設の何かを置いていたとは蕨岡山本坊で伺いました。昭和三十年代頃までは横堂から鎖を伝って降りて綱を奉納する綱講が行われていましたが現在では行われていないようです。
鳳来山の三角点が遊佐と酒田の境界になっているようですので西ノコマイへの名称記載変更と同様に、建物の印が遊佐町に含まれているようなので遊佐町が調査し、国土地理院へ回答したのか、あるいは地域にそういったことを調べる人がいるのかと思いましたが違いました。
国土地理院にこの更新について問い合わせたところ、「数十cm程度の解像度の空中写真を使用しておりますが、ご指摘をいただいた鳳来山の北の建物は、空中写真の判読からは確認できなかったため、削除させていただきました。」とのことでした。
実際我々が目にすることが出来るのは地理院地図の「全国最新写真(シームレス)」で公開しているものです。
<https://maps.gsi.go.jp/#16/39
表示は、低解像度での公開となっており、詳細な画像は他機関の空中写真となるため、提供はできませんとのことです。実際の写真は「数十cm程度の解像度の空中写真」ということですからかなり詳細がわかるものなのでしょう。
我々が目にすることの出来る空中写真は裸地に近くなった登山道は判別できますが、木々に覆われた登山道はなかなか判別できません。ついでにもう一か所地図に記載ある河川、これは実際に見ればわかるのですが常時水は流れていません。溜池が増水したときのためのオーバーフロー用の流路なのです。それはジオパークガイドのOさんから教えていただきました。実際の水流は違う方向へ流れています。それは用水ですので地形図に現れることはありません。(用水はその保護、安全のため一般の地図に記載されることはありません。)
国土地理院電子地形図25000より
中央の池沼は水呑の池と呼ばれるものです。鳥海山蕨岡口旧登拝道の拝所水呑の下方に用水池として戦後作られたものです。庄内熊野川と書かれた河川に流れ込むように書き込まれていますがこれは、1973年(昭和48年)10月に撮影した空中写真からの判読結果をもとに作成したものだそうです。ということはその当時は流れていたということなのでしょう。現在は先に書いたように流れていません。「河川については常時流水があるもの」ということですので次回更新時に参考とするということです。
疑問に思ったことはどんどん直接所管の機関、部署へ問い合わせてみましょう。遊佐町、山形県は肩書も何もない個人からの問合せには一切回答する気がないようで問合せを出しても全く回答ありません。
さて、地形図で「南ノコマイ」が「にしのこまい」になったことで大きな問題が出てきます。現在呼ばれている「南ノコマイ熔岩」「南ノコマイ」水系がその呼称として、公的な地形図から「南ノコマイ」が消滅してしまった現在「にしのこまい」にある「南ノコマイ熔岩」「南ノコマイ」になってしまうのですから。国土地理院はこの名称を決定、変更するわけではないので別の機関になります。この件に関しては国立研究開発法人産業技術総合研究所に問合せしてありますが、果たして一個人の問合せに対して回答が来るでしょうか。
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