相方も私も、名古屋で生まれ育ちました。当然ながら使う言葉は名古屋弁で、特に相方は激しいものがありまして(苦笑)。
さすがにお客様や目上の人に対しては少しは気をつけているようですが、それでも気を抜くと出ていますね。
名古屋弁でしゃべることがいけないとは言いませんが、彼の使う名古屋弁はあまり、というより全く美しくない。だいたい世間一般の名古屋弁に対する見方と
いうものは、きれいな言葉遣いにはほど遠いものがあると思うんです。
だいたい市長からして同じような名古屋弁でしゃべるじゃありませんか。イメージが余計に悪くなっている気がして、そのことを私はかねてより憂いております。
なので名古屋人は他所ではなるべく名古屋弁を出さないように心がける人が多いように思います。名古屋弁コンプレックスとでも言いましょうか。でもどれだけ
自分が標準語で話しているつもりでも、イントネーションはごまかせないみたい。
でも本当の、というか、上品な名古屋弁だってあるんですよ。残念なことにそれを使いこなしている人はほとんどいませんけどね。
あの有名な名古屋めしのひとつ、ひつまぶしで有名な蓬莱軒の先代の大女将は、それは上品で美しい名古屋弁でおっとりと話す方でしたが、そういう方はもう
絶滅危惧種と言えそうです。
私のこのブログに検索してお越しになる方のなかで、どうも「さんばらまき」という言葉を検索している方が結構な割合でいらっしゃるみたいです。
私はこれも名古屋弁だと思っているのですが、この前から「もしかしたら、これも名古屋弁というか、この地方だけで使われる言葉かも?」と思っているのが
「ぱーぱー」。
扉や窓などを開けはなすときやそうなっている状態のことを表しているのですが、よそではそう言ったりするのでしょうか?
私はよく母親に「こんな風の強い日に窓をぱーぱーに開けとったら、埃が入ってかなわんでしょう。さっさと閉めなかんわ~」と言われましたっけ。
「閉めなかん」は閉めなければいけない→閉めないかん→閉めなかんと変化していった名古屋弁。名古屋弁ではこの「い」の字が発音するうえで抜けることが
多いですね。
相方の口癖に「やらなかん」というのがありますが、これもやらないかん=やらなければならないのこと。
そうそう、「いかんでかんわ」というややこしいのもありますが、わかります?これ、説明するのもなんだか難しい。名古屋人はごく普通に口に出すけれど、
若い人たちには死語かもしれません。
私も若い頃は名古屋人であることを隠そうという気持ちがどこかにあったのか、出来るだけ使わないようにしていました。でも今は気持ちの赴くままに
使っています。もちろん、仕事中などはそうではありませんが。
旅先などでその土地の言葉を耳にすると、なんだかいい感じ、しません?いかにもいつもと違う場所に来たんだ、みたいな。
私が特に好きな言葉が東北地方のもので、特に山形弁が大好き!ほんわか、あったかな気持ちになります。
でも実際には、旅先でも土地の言葉に出合うことはかなり少ないような気がしますね。特に若い人たちはどこへ行っても標準語っぽくて、どこかつまらない
気持ちになることも。
以前京都へ出かけた時、バス停でバスを待っていたら、ご近所さん同士の会話を耳にしました。はんなりとしたやわらかなその言葉使いに、やっぱりネイティブ
京都弁は違うなぁ!と心の中で思ったことがありました。このコロナ禍のご時世では、地元の人同士ですらなかなか会話する機会が持てませんが、早くマスクを
外して、土地の言葉で普通に話せる日が来ないかしらね。大声OK!になったらもっとうれしいけど。