「死ぬことさえ、許されない。ならば、運命を斬り開くまで」
原作者は、東北の架空の小藩・海坂藩を舞台にそこに生きる下級武士の悲哀などを描く作品を世に多く出している藤沢周平氏である。
この映画は、短編小説「隠し剣」シリーズの一遍である「必死剣 鳥刺し」が原作となっているとのこと。なお、これまでにこのシリーズの「隠し剣 鬼の爪」、「武士の一分」などが映画化されており、今までに何度か藤沢ワールドを堪能してきた。
この映画は2010年に封切られた作品であるが、上映されていた頃、映画館へ出向く事が出来なかったものでTV放映を待っていた。昨日、阪神と中山競馬場で開催の重賞レースの放送を跨ぐ時間帯の15時00分~17時00分に「時代劇チャンネル」で放送されていた。
勝馬投票の方は早めに購入して、この時代劇を優先してじっくりと観賞。両メインの実況は、短波放送をイヤホンで聞きながら・・・。(笑)
海坂藩の藩主・右京太夫が側室・連子に入れ込んで、側室の言いなりなって、政(まつりごと)を行なうから藩財政も益々厳しくなっていた。家来たちは、何とか藩主に改めてもらいたいと思っているが、それを諫言した重臣が切腹させられる羽目になるなどしていた・・・。
悪政は益々ひどくなっており、ついにこれを見かねた主人公の藩士・兼見三左ェ門が、能の舞台がお開きになったところで側室・連子を刺殺・・・殿や他の藩士たちが見守る中での出来事であった。
打ち首覚悟での所業であったが、意に反して一年間の閉門蟄居の処置となった・・・中老・津田から三左ェ門への思わぬ言い渡しであった。そして、一年後にはもとの職務に復帰することとなるが、これは中老・津田が三左ェ門の剣の技を利用したいと思ってのことであった。
そして、この物語は後段に待っている最大のクライマックスへと・・・展開する
藩の繁栄とそこに住む住民たちの暮らしが豊かになることを願っている藩士、妻に死に別れたこともあり、自らが悪政の元凶である側室・連子方を命を賭して刺殺する道を選んだ。ところがその後思わぬ展開になって、上司である中老によって翻弄される下級武士の悲哀が描かれる。
当方が好んで読んでいる池波小説、人の生き死にが見事に捉えられているが、藤沢小説の中でも“武士の、武士としての生きざま”がキチンと描かれている。
このために映像化されても観る人の心を打つものと思われる。
また最近、時折製作されている時代劇映画も、それぞれにその時代性がうまく映像化されており、見る方にとっても本物の時代劇として堪能できるからうれしい限りである。
この「必死剣 鳥刺し」も最後の思わぬ展開、やはり原作がしっかりしているから映画自体も見ごたえがあった。それぞれの役者さんが、それぞれの役柄をうまく演じているからいいですね。(夫)
[追 記]~あらすじ~
東北の小藩・海坂藩。藩主・右京太夫は側室・連子に入れあげ、彼女にそそのかされるまま奢侈を重ねていた。これを見かね諫言した重臣は切腹に追い込まれ、百姓一揆が勃発するなどして藩内は乱れるなか、妻に死に別れて間もない藩士・兼見三左ェ門は殿や他の藩士たちが見守る中で連子を刺殺する。藩主の悪政を改めることを意図した、確信犯としての行いだった。
斬首やお家取り潰しを覚悟する兼見だったが、中老・津田から下された沙汰は「1年の閉門並びに降格」というあまりに軽いものだった。戸惑う兼見だったが、津田が藩主に嘆願したため軽く済まされたと聞かされた彼は、温情に背かず刑期を過ごすのだった。姪の里尾のみを世話係として傍におき、禄なき暮らしを続ける兼見。
一方、藩主は連子を失った後も身勝手極まる政策を続け、農村は疲弊にあえいでいた。藩主の従弟・隼人正は、次第に藩主への不信の念を深めていく。彼が謀反をたくらんでいるとの噂を聞きつけた津田は、秘剣を会得するという兼見を呼び、お傍に仕えて殿を守れと密命を託す。
しかし、この密命には重大な裏があった。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
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原作者は、東北の架空の小藩・海坂藩を舞台にそこに生きる下級武士の悲哀などを描く作品を世に多く出している藤沢周平氏である。
この映画は、短編小説「隠し剣」シリーズの一遍である「必死剣 鳥刺し」が原作となっているとのこと。なお、これまでにこのシリーズの「隠し剣 鬼の爪」、「武士の一分」などが映画化されており、今までに何度か藤沢ワールドを堪能してきた。
この映画は2010年に封切られた作品であるが、上映されていた頃、映画館へ出向く事が出来なかったものでTV放映を待っていた。昨日、阪神と中山競馬場で開催の重賞レースの放送を跨ぐ時間帯の15時00分~17時00分に「時代劇チャンネル」で放送されていた。
勝馬投票の方は早めに購入して、この時代劇を優先してじっくりと観賞。両メインの実況は、短波放送をイヤホンで聞きながら・・・。(笑)
海坂藩の藩主・右京太夫が側室・連子に入れ込んで、側室の言いなりなって、政(まつりごと)を行なうから藩財政も益々厳しくなっていた。家来たちは、何とか藩主に改めてもらいたいと思っているが、それを諫言した重臣が切腹させられる羽目になるなどしていた・・・。
悪政は益々ひどくなっており、ついにこれを見かねた主人公の藩士・兼見三左ェ門が、能の舞台がお開きになったところで側室・連子を刺殺・・・殿や他の藩士たちが見守る中での出来事であった。
打ち首覚悟での所業であったが、意に反して一年間の閉門蟄居の処置となった・・・中老・津田から三左ェ門への思わぬ言い渡しであった。そして、一年後にはもとの職務に復帰することとなるが、これは中老・津田が三左ェ門の剣の技を利用したいと思ってのことであった。
そして、この物語は後段に待っている最大のクライマックスへと・・・展開する
藩の繁栄とそこに住む住民たちの暮らしが豊かになることを願っている藩士、妻に死に別れたこともあり、自らが悪政の元凶である側室・連子方を命を賭して刺殺する道を選んだ。ところがその後思わぬ展開になって、上司である中老によって翻弄される下級武士の悲哀が描かれる。
当方が好んで読んでいる池波小説、人の生き死にが見事に捉えられているが、藤沢小説の中でも“武士の、武士としての生きざま”がキチンと描かれている。
このために映像化されても観る人の心を打つものと思われる。
また最近、時折製作されている時代劇映画も、それぞれにその時代性がうまく映像化されており、見る方にとっても本物の時代劇として堪能できるからうれしい限りである。
この「必死剣 鳥刺し」も最後の思わぬ展開、やはり原作がしっかりしているから映画自体も見ごたえがあった。それぞれの役者さんが、それぞれの役柄をうまく演じているからいいですね。(夫)
[追 記]~あらすじ~
東北の小藩・海坂藩。藩主・右京太夫は側室・連子に入れあげ、彼女にそそのかされるまま奢侈を重ねていた。これを見かね諫言した重臣は切腹に追い込まれ、百姓一揆が勃発するなどして藩内は乱れるなか、妻に死に別れて間もない藩士・兼見三左ェ門は殿や他の藩士たちが見守る中で連子を刺殺する。藩主の悪政を改めることを意図した、確信犯としての行いだった。
斬首やお家取り潰しを覚悟する兼見だったが、中老・津田から下された沙汰は「1年の閉門並びに降格」というあまりに軽いものだった。戸惑う兼見だったが、津田が藩主に嘆願したため軽く済まされたと聞かされた彼は、温情に背かず刑期を過ごすのだった。姪の里尾のみを世話係として傍におき、禄なき暮らしを続ける兼見。
一方、藩主は連子を失った後も身勝手極まる政策を続け、農村は疲弊にあえいでいた。藩主の従弟・隼人正は、次第に藩主への不信の念を深めていく。彼が謀反をたくらんでいるとの噂を聞きつけた津田は、秘剣を会得するという兼見を呼び、お傍に仕えて殿を守れと密命を託す。
しかし、この密命には重大な裏があった。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
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