紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

酷暑の中でシベリア体験

2008-07-05 22:20:48 | 読書
 まだ梅雨も開けていないのに、この暑さはいったい何?

 一日常温で食べ物を置いとくと、確実に腐るぞ!というくらい。夜は夜で「もしかして熱帯夜?」というくらい。からだが気持悪くベタベタするくらい。

 それでも、やっと体調は回復して、今日は元気に一日を終えることができた。この感じをキープしとかないと。

 図書館の前の民家にあるサルスベリには、はやくも花が!! 夏休みが始まってもいないのに、それはあんまり早すぎるのでは・・・。

 Kちゃんの夏休みの読書感想文用の本の調達もあり、蕃茄さんおすすめの『ダモイ遥かに』(辺見じゅん/著)を借りて帰りの電車で読み、電車からあやうく降りそびれそうになったくらい、のめり込む。悲惨なシベリアの収容所生活を、大変に抑えた筆致で書かれておられるのが、素晴らしい。悲惨な場面をリアルに描かれるより抑えられている方が、たぶんすっと胸に届いて、しかも頭の中でゆっくりと静かに映像が流れて行く。えぐいシーンへの拒否反応がない分、どんどん入り込めるのだ。

 悲惨をリアルに伝えることが、かえって届かなかったり伝わらなかったり、それどころかシャットアウトされることすらあるのだけれど、『ダモイ遥かに』は、とても静かなのに、思わず引き込まれてしまう。点描のように静かな悲惨は、けれど無惨さや戦争という行為の愚かさや悲しみをしっかりと心に植え付ける。
 
 夏休みの読書感想文の候補として、実におすすめ。