電人S

　ついにスリルとサスペンスの季節が到来した。

　つるつると銀行に入ったばかりのお給料が出て行く季節。年賀状企画に悩ましい楽しさと焦りがつのる季節。ゆううつな法事が巡って来る季節。いつも直ぐ後ろからせかされ続けているような季節。山のような家事に明け暮れる季節。寒くて動きづらくて風邪が流行る季節。ああこれで陰鬱にならなければ、うそだよな。私は思いっきり「うそつき」な上意地っ張りなので、陰鬱にはならないけどさ。

　だけど何より日常的に「やんなる！」のは、『電人S』化することである。危険なくらい帯電するのだ。

　昨日は文房具屋さんの親切で清楚なおねえさんに、おつりをいただいたときバチッときた。静電気がかすかに火花を散らしたのを見た気がしたのだ。もちろんおつりは落としてしまい、探して拾い上げて片付けるまで、思わぬ時間ロス。オリンピックの平均台競技なら落下に等しいダメージである。
　
　車のキーを外すとき、ドアを開けるとき、よその人が見ていたら、間違いなく不審に思われる程、用心深くおそるおそる触ってみる。なんでこんなどうでもいいところで、注意を凝らさねばならないのか！？　これだけで、一日神経を磨り減らしてしまい、必要なところに神経が行き届かなくなるのではないか。大変な精神的痛手である。

　こんな風に私の時間を奪い取り、神経を磨り減らすに止まらず逆撫でしている静電気の消去法、ご存知の方があれば、求ム、コメント！の今日の記事なのである。