紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

正直者です。

2007-05-25 23:13:49 | ファミリー
 お兄ちゃんTくんは、小学校2年生の夏休みに高校野球にハマり、贔屓チームを心底応援した。彼らが最終的に負けたときは、大泣きであった。

 その後、お父さんにグローブとボールを買ってもらい、お父さんが在宅のときには、キャッチボールに明け暮れる日々だった。

 ハンパじゃ無い凝り性の血脈を受け継いだ3代目なので、ハンパじゃ無いくらいキャッチボールに付き合わされたお父さんだった。だがハンパじゃ無い子煩悩なお父さんは、グチひとつ言わず、ひたすら息子に付き合った。休みの日は延々とキャッチボールに明け暮れるハンパじゃない日々だった。

 しかし、さすがにその内、キャッチボール以外のこともしたくなる。バットを買ってもらうことになり、父子は一緒に地元の小さな個人スメ[ツ店へ出かけた。

 お店の主人とお父さんが「やっぱり金属バットやな、よう飛ぶもんな」と意見が一致する。「金色と銀色があるけど、どっちがいい?」と訊ねる父・H氏。

 が、Tくんの反応は予想外だった。

「ぼくは正直者やし、木のバットにしとくわ」

当時家庭内でイソップ寓話の「金の斧」のお話が、ちょっとしたブームだったのである。

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