紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

ヤンキー少女と歌曲など

2008-10-14 14:20:53 | 音楽
 家事をしながらラジオでクラシックコンサートライブ(録音)を聴いていた。オーケストラをバックにソプラノ歌手の独唱である。アンコールで「つれない心」が流れ始めた。イタリア語のタイトルは「カタリカタリ」という。ボリュームを大きくして耳を傾ける。

 懐かしかったのだ。高校1年生の時の音楽のテストの課題曲だった。イタリア語の歌詞のついた楽譜にカタカナで読みをつけて練習をする。(それはオッケーだった) もちろん私にイタリア歌曲が歌えようはずもなく、ピアノの伴奏に従ってなるべく音がはずれないよう、声が小さくならないようにだけ注意した。

 女子校で上に短大が付いている。入試科目は国語だけ。だからか国語のレベルは高かったが、それ以上に音楽のレベルも高かった。音大を目指す音楽エリート高校生の特進クラスがあり、一クラス3~5人という少数精鋭で、『のだめカンタービレ』に出て来る「ハリセン」みたいな先生がビシビシしごいていたらしい。国立音大を目指す子もいたので、音楽だけでなく5教科もビシビシだったので、その過酷さは推して知るべしである。

 私たちはゆるゆるの普通科なので先生もそれなりの授業をしてくれたが、でも彼ら彼女らのバリバリさ加減は伝わるので、緊張感はある。音楽の時間はお昼寝の時間、という学校もあるかもしれないが、とんでもないことだった。

 話は音楽のテストに戻る。そんな緊張しまくりの私の前の女の子は、いわゆる当時の「ヤンキー」で、パーマを当て髪を微妙に染め、お化粧も煙草も当たり前、スカートはもちろん違反丈である。
 そんな彼女がイタリアの恨み節な女心を切々と謳い上げたので、大島去q似の小柄な先生は「ほほう・・・」と感心したように見つめ、「では次の人」と私の番が来た。意外な才能の発露に呆然としていた私は、先生が聴くのをスルーしたいような歌いっぷりだったように思う。

 ヤンキーといえば学校を卒業してずいぶん立った頃、仕事の飲み会で、やはり元ヤンキーのネエちゃんだった、当時モデルクラブに所属するような綺麗でおしゃれな年下のお姉さんが、声楽を習っていたという意外な話を披露してくれた。ステージでの爆笑な話の後、店を出て二次会に向かうとき、横断歩道を渡りながら、モーツァルトのモテットを口づさんでいた。ソプラノの天上のはずむような幸福感に満ちた歌曲なのに、それはひどく切ないモテットだった。あんな切ない「ハレルヤ」という響きがあるなんて!

 あとは「サンタ・ルチア」と「流浪の民」、「マイウェイ」と「ピンクレディ」が私を高校生に引き戻す歌たちなのでした。

 

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2 コメント

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Unknown (一葉)
2008-10-22 19:20:40
紙魚子さんカマツカの件で返信ありがとうございました。音楽と言えば、私は車通勤ですので駅などには寄る事は少ないですけど、仕事で今年6月頃東北の某駅前で20代後半から30代後半いや40代かもしれない女性グループがアカペラで合唱していました。
清楚でありながら凄くセクシーで足を止めて見ていたかったけど時間に追われていたためスルーしました。残念。
話し変わって、kazuhaは洋楽ばかり聴いているものですから、日本人アーティストの才能を見落としてました。
最近わかったんですけど、MINMIのシャナナが超気に入ってます。(^-^)
紙魚子さんはどんな音楽がお気に入りですか。音楽の好みって千差万別ですからね。(^-^*)
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Unknown (紙魚子 )
2008-10-22 22:19:17
最近の音楽はさっぱりわからないヒトになってしまって久しいのですが、ジャンルは大体なんでも聴きます。クラシックから長唄まで。篳篥から馬子唄まで。主にNHK-FMを聴いているので。最近はラテン方面を聴いてとてもリラックスします。最近の音楽で耳に残ったのは沖縄のそよ風みたいな女性ディオ「やなわらばー」です。沖縄、行ったことないんですけれどね(笑)
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