ヘッドスライディング

2019年03月17日 08時02分00秒 | 少年野球

今回、私が球審を行っていた時の話です。

 

大事な大会の準決勝での事。回は終盤で、1点を争う攻防です。

Aチームが先攻、Bチームは後攻でBチームが辛うじて2点勝っています。

 

Aチームは超強豪チームで毎年決勝にいる常連チームです。

しかし今日に限り、打撃も野手正面を突いたり、有り得ないミスをしたりと、見ている方も?の感じでした。

 

そして、ついに最終回に。

Aチームの攻撃。打った打球はサードゴロ、サードが捕球してファーストへ送られアウトになってしまいました。

その時のバッターランナーは、1塁へヘッドスライディングをしておりました。

一応、大会規定では「1塁へのヘッドスライディングは禁止」ですので、選手へは

「あぶないから、ヘッドスライディングは駄目だよ。」と注意しました。

 

大会によっては「一塁へのヘッドスライディングは即アウト」というのもあるようです。

1塁へのヘッドスライディングは「ケガの危険性が高い」という理由で禁止にしています。

 

しかし、判っていても選手はヘッドスライディングをしてしまうのです。

理由は簡単です。

『絶対にセーフになってやる!』

という気持ちだけです。

何としても塁に出て、ホームに帰ってくる この気持ちだけです。

 

アウトになった後も、1塁コーチャーボックス付近で顔を下に向けて泣いてました。悔しかったと思います。

私も選手には「ヘッドスライディングは危険だからやならい」と子供たちに言ってます。

今回のこの選手は打った瞬間「アウトになる」と思っていたと思います。

でも、心では判っているけど、身体はまだ諦めていない…そんな精一杯のプレーがヘッドスライディングだとしたら、そのプレーを自分は決して責めることはできません。

 

だから私も

「あぶないから、ヘッドスライディングは駄目だよ。」

と口では言いながらも、心の中では「ナイスファイト!」と叫んでしまう自分がいました。