トンネルが専門の研究者と話をする機会があったので、本牧駅についていろいろ聞いてみた。
なおこの人は、みなとみらい線や本牧のことは全く知らない。
なので、質問するときに地理的な諸事情を細かく話すことになったのだが、以下のQ&AのQの部分では本牧住人なら当然知っている諸知識は省いて書く。
Q:
みなとみらい線が本牧経由で根岸駅に接続される計画はあったものの、それが元町中華街駅までで行き止まりになっているのは、地元の商店街が反対したからというウワサがある。
しかし、元町までだったら明治時代の埋め立て地なので地盤がやわらかくてサクサク掘れるのに対し、本牧までは山手の丘をトンネルでブチ抜かないと通らないので、掘りやすさの面を考慮して元町中華街駅までにしたのではないか?…という説もある。
トンネル屋さんから見てその説の妥当性を聞きたい。
A:
トンネルを掘るときは、トンネルの断面の形をした工作機械を入れて掘るのだけど、その工作機械の歯は1度取り付けてしまうと交換するのがものすごく大変で、途中で地盤が変わっても交換できずにそのまま掘るしかないということはよくある。
埋立地と丘の下だと地盤がそこで全く変わるのだろうからその問題はありそうだけど、行政が地下鉄を通すときは将来需要を見て決めるので、地盤が固くて掘りにくいかどうかは判断材料にはならない。
ただし民間の資本でやる場合、たとえばJRの第二新幹線とか、そのときは工事費用もちゃんと見積もってからどうするか考えるから計画の段階で議題にのるんだけど。
Q:
元町中華街駅から山手の丘の下ってのと、本牧から根岸までの割と平らなところって、地盤ぜんぜん違うんじゃないかと思えるんだけど、それ簡単に延伸できるもんなん?
A:
もしそうだとしたら、本牧から根岸まではさっき説明した工法でやって、その間の丘の下はまた別の工法ってことになるかもね。
やりようはいくらでも。
Q:
ふつうに考えたら地下鉄を追い出したなんて原住民はアホなんじゃないかとしか思えんのだが、そういうのに反対派ってのがつく理由がよくわからん。
なんで?
A:
地下鉄に限らずトンネルを掘ると地盤沈下が起こりやすい。
よそから現れた変なヤツが「地盤沈下が起こるぞ!」とか「トンネルで穴あけたら地脈が変わってそこらへんの木や草がみんな枯れるぞ!」っていって地域の住人を説得して回ることもよくある。
Q:
枯れるってwww
そんなことあんの?
A:
ないよwww
Q:
変なヤツが現れた実績って?
A:
それは広島の…(略
Q:
実はそこ朝鮮学校が近くだったような?
実は反対派の音頭取りしてるヤツって日本人じゃないとかじゃね?
A:
うーんwww
Q:
地盤沈下はあるの?
A:
それはあるよ。
Q:
地盤沈下にしても、もし起きても傾かなかったら別にどーでもいいような?
A:
その通り。
1メートルも地盤沈下が起きてもそのまま水平に沈下したんなら誰も気がつかない。
問題は不等沈下だけ。
Q:
地下鉄を掘ると不等沈下が起きやすいってこと?
A:
地下鉄を掘った上がそのままヘコむ。
Q:
もし2度傾いたら人が住めないだろうから大問題だけど、どんだけ傾いたらアウトって線引はけっこう難しそうだね。
A:
1/1000でも傾いたらビー玉が転がって大問題になる。
だいたいは1/1000になったかどうかだね。
Q:
もし本牧に地下鉄が計画通りに通った場合、ヘタすると俺の物件から徒歩1分のところに駅ができるかもしれないんだが、どれくらいの範囲で不等沈下に気を付ける必要があるもんなの?
A:
トンネルの幅の2倍か、トンネルから上にななめ45度の線を引いたところまでって見積もりをふつう使う。
Q:
トンネルができたあとに傾きましたってわかっても困るんだけど、どうすんの?
A:
ふつうは気にする人はトンネルを掘りながらどれだけ傾いたかを常時モニタしてて、傾きはじめたらストップさせて、対策が終わるまで掘るのをやめるってふうにしている。
Q:
どこまで本気にしていいのかアヤシイけど、イトーヨーカドー以降はメインストリートの道路の真下を通過するような感じになっているみたい。
これは道路なら地盤沈下しても誰も怒らないし、もしそのあたりで心配するなら道路のすぐ脇の物件でなかったら安心って理解でOK?
A:
道路の真下を通過させるのには別の理由があったんだけど、今は大深度地下は土地所有者の権利のおよぶ範囲外って法律ができたんで、そういう道路の真下に必ずしもしなくても良くなった。
Q:
法律って、民法とか不動産登記法とかでいう地下地上権のこと?
A:
そういうのは知らん。
(注:こいつは土木の研究者なので)
Q:
つくばエクスプレスみたいなやつがその大深度地下ってやつ?
A:
そうそう。
Q:
だいたいお上のやる土建工事って、工事費用よりも権利の買収費用のほうがかかるから、他の人の権利やら上物の基礎杭を避けるだとかのことを考えなくていいように道路の真下にしてるのかと思ってたよ。
A:
どっちがコストがかかるかはケースバイケースで何ともいえん。
杭を避けるのはもちろんだけど、それは大深度地下で硬い地盤の中を通して上がどうだろうが関係ないってふうに解決するかな。
Q:
まあこんな話してても、みなとみらい線の本牧延伸計画は計画だけあってお上の誰もマトモに相手してないみたいだし、まあ早くて30年後にできればええかってくらいなんだけどさ。
地下鉄ってそれぐらいのスパンなもの?
A:
まず将来需要を見て優先度が高いところからさっさと計画して着手に移る。
ってかマンションって30年後までの話してるのかwww
その1はこちら
本牧に駅ができる日は来るのか?
なおこの人は、みなとみらい線や本牧のことは全く知らない。
なので、質問するときに地理的な諸事情を細かく話すことになったのだが、以下のQ&AのQの部分では本牧住人なら当然知っている諸知識は省いて書く。
Q:
みなとみらい線が本牧経由で根岸駅に接続される計画はあったものの、それが元町中華街駅までで行き止まりになっているのは、地元の商店街が反対したからというウワサがある。
しかし、元町までだったら明治時代の埋め立て地なので地盤がやわらかくてサクサク掘れるのに対し、本牧までは山手の丘をトンネルでブチ抜かないと通らないので、掘りやすさの面を考慮して元町中華街駅までにしたのではないか?…という説もある。
トンネル屋さんから見てその説の妥当性を聞きたい。
A:
トンネルを掘るときは、トンネルの断面の形をした工作機械を入れて掘るのだけど、その工作機械の歯は1度取り付けてしまうと交換するのがものすごく大変で、途中で地盤が変わっても交換できずにそのまま掘るしかないということはよくある。
埋立地と丘の下だと地盤がそこで全く変わるのだろうからその問題はありそうだけど、行政が地下鉄を通すときは将来需要を見て決めるので、地盤が固くて掘りにくいかどうかは判断材料にはならない。
ただし民間の資本でやる場合、たとえばJRの第二新幹線とか、そのときは工事費用もちゃんと見積もってからどうするか考えるから計画の段階で議題にのるんだけど。
Q:
元町中華街駅から山手の丘の下ってのと、本牧から根岸までの割と平らなところって、地盤ぜんぜん違うんじゃないかと思えるんだけど、それ簡単に延伸できるもんなん?
A:
もしそうだとしたら、本牧から根岸まではさっき説明した工法でやって、その間の丘の下はまた別の工法ってことになるかもね。
やりようはいくらでも。
Q:
ふつうに考えたら地下鉄を追い出したなんて原住民はアホなんじゃないかとしか思えんのだが、そういうのに反対派ってのがつく理由がよくわからん。
なんで?
A:
地下鉄に限らずトンネルを掘ると地盤沈下が起こりやすい。
よそから現れた変なヤツが「地盤沈下が起こるぞ!」とか「トンネルで穴あけたら地脈が変わってそこらへんの木や草がみんな枯れるぞ!」っていって地域の住人を説得して回ることもよくある。
Q:
枯れるってwww
そんなことあんの?
A:
ないよwww
Q:
変なヤツが現れた実績って?
A:
それは広島の…(略
Q:
実はそこ朝鮮学校が近くだったような?
実は反対派の音頭取りしてるヤツって日本人じゃないとかじゃね?
A:
うーんwww
Q:
地盤沈下はあるの?
A:
それはあるよ。
Q:
地盤沈下にしても、もし起きても傾かなかったら別にどーでもいいような?
A:
その通り。
1メートルも地盤沈下が起きてもそのまま水平に沈下したんなら誰も気がつかない。
問題は不等沈下だけ。
Q:
地下鉄を掘ると不等沈下が起きやすいってこと?
A:
地下鉄を掘った上がそのままヘコむ。
Q:
もし2度傾いたら人が住めないだろうから大問題だけど、どんだけ傾いたらアウトって線引はけっこう難しそうだね。
A:
1/1000でも傾いたらビー玉が転がって大問題になる。
だいたいは1/1000になったかどうかだね。
Q:
もし本牧に地下鉄が計画通りに通った場合、ヘタすると俺の物件から徒歩1分のところに駅ができるかもしれないんだが、どれくらいの範囲で不等沈下に気を付ける必要があるもんなの?
A:
トンネルの幅の2倍か、トンネルから上にななめ45度の線を引いたところまでって見積もりをふつう使う。
Q:
トンネルができたあとに傾きましたってわかっても困るんだけど、どうすんの?
A:
ふつうは気にする人はトンネルを掘りながらどれだけ傾いたかを常時モニタしてて、傾きはじめたらストップさせて、対策が終わるまで掘るのをやめるってふうにしている。
Q:
どこまで本気にしていいのかアヤシイけど、イトーヨーカドー以降はメインストリートの道路の真下を通過するような感じになっているみたい。
これは道路なら地盤沈下しても誰も怒らないし、もしそのあたりで心配するなら道路のすぐ脇の物件でなかったら安心って理解でOK?
A:
道路の真下を通過させるのには別の理由があったんだけど、今は大深度地下は土地所有者の権利のおよぶ範囲外って法律ができたんで、そういう道路の真下に必ずしもしなくても良くなった。
Q:
法律って、民法とか不動産登記法とかでいう地下地上権のこと?
A:
そういうのは知らん。
(注:こいつは土木の研究者なので)
Q:
つくばエクスプレスみたいなやつがその大深度地下ってやつ?
A:
そうそう。
Q:
だいたいお上のやる土建工事って、工事費用よりも権利の買収費用のほうがかかるから、他の人の権利やら上物の基礎杭を避けるだとかのことを考えなくていいように道路の真下にしてるのかと思ってたよ。
A:
どっちがコストがかかるかはケースバイケースで何ともいえん。
杭を避けるのはもちろんだけど、それは大深度地下で硬い地盤の中を通して上がどうだろうが関係ないってふうに解決するかな。
Q:
まあこんな話してても、みなとみらい線の本牧延伸計画は計画だけあってお上の誰もマトモに相手してないみたいだし、まあ早くて30年後にできればええかってくらいなんだけどさ。
地下鉄ってそれぐらいのスパンなもの?
A:
まず将来需要を見て優先度が高いところからさっさと計画して着手に移る。
ってかマンションって30年後までの話してるのかwww
その1はこちら
本牧に駅ができる日は来るのか?