中国人民銀、対通貨バスケットで元の安定維持へ
http://jp.reuters.com/article/yuan-cen-chief-economist-idJPKCN0UP1J420160111
> 中国人民銀行(中央銀行)は、通貨バスケットに対して、人民元を基本的に安定するよう維持する方針だ。ただ、人民元の対ドル相場の変動は増大すると見通した。
これ、どういう意味だかおわかりだろうか?
通貨バスケットとはメジャーな通貨いくつかを適当に混ぜて算出した架空の為替レートのことである。
つまり。
中共政府は人民元をドルペッグにするのはやめた。
これからは通貨バスケットという中共政府が適当に算出した架空の為替レートにペッグすると宣言したということである。
どうしてこんなことをするのか?
一般論的な意味においてのいちばんの目的は、
第一に、自国での外貨決済の通貨別比率にあわせた架空の為替レートにしたほうが実用的だろうというもの。
第二に、自国の通貨の為替レートをアメリカの為替政策の都合にペッグしなければならないのは不都合だからというもの。
第一の意味が有効な場合として、たとえばユーロ圏との貿易額が大きい途上国は無理やりドルペッグにする意味がないというのがある。
これは今の中国にはあまりあてはまらない。
では中国の場合はいかに?
2015年の夏に人民元の為替レートを下げたとき、
「中国って通貨切り下げしないといけないほどヤバかったんか… ヤバイから今のうちに脱走しようぜ!」
となり、外貨が流出しはじめた。
するとどうなるか?
外貨が流出するとは、
その国のローカル通貨を売って外貨に両替するということであり、
ローカル通貨は需要が減って供給が増えるので、
つまり通貨の価値が下がる。
ドルペッグとはローカル通貨の価値をドルにあわせるということであり、
外貨が流出した分だけ政府が買い支えないとならなくなる。
そうなると外貨準備が取り崩される。
そして外貨準備が底をつくと今のウクライナのように国家が破産する。
これを回避するためにはドルペッグをやめるしかない。
しかし中国はメンツの国である。
「これ以上ドルペッグを維持すると外貨準備が底をつくから今日からやめます」
とは絶対言えない。
ならどうする?
「うちが独自算出した通貨バスケットに対してペッグするようにルールを変更したアル」
と言いはじめたのだ。
今日からは人民元が対ドルで値下がりしつづけようがメンツは保てるってぇ寸法である。
ちょっと待て。
通貨バスケットに対してペッグするっていうなら、数学的に厳密なルールにのっとって運用されるんじゃないのか!?
・・・と思う人もいるかもしれない。
しかし!
通貨バスケット制とはいいつつ、構成通貨の比率を公開する国はほとんどない。
為替レートをしばらく観察すれば構成比率を推定することができる程度のものだ。
だからこのルールを悪用すれば、
「去年まではドルの構成比率が90%だったけど、実は今年の夏以降はロシアルーブルの構成比率を30%に上げていたアル。だから人民元が対ドルで暴落したかのように見えても通貨バスケット制は厳格に今も維持しつづけているアルヨ」
という大本営発表を吹聴することも可能なのだ。
こんなインチキがまかり通るのか?
いやむしろ、これはインチキをする目的でのルール変更である。
いま人民元で外貨預金している人は今すぐおろしてきなさいと言いたい。
先のニュースは中共政府によるドルペッグのギブアップ宣言である。
それを言い訳して対外的にメンツを保ったように見せかけるとこうなる。
http://jp.reuters.com/article/yuan-cen-chief-economist-idJPKCN0UP1J420160111
> 中国人民銀行(中央銀行)は、通貨バスケットに対して、人民元を基本的に安定するよう維持する方針だ。ただ、人民元の対ドル相場の変動は増大すると見通した。
これ、どういう意味だかおわかりだろうか?
通貨バスケットとはメジャーな通貨いくつかを適当に混ぜて算出した架空の為替レートのことである。
つまり。
中共政府は人民元をドルペッグにするのはやめた。
これからは通貨バスケットという中共政府が適当に算出した架空の為替レートにペッグすると宣言したということである。
どうしてこんなことをするのか?
一般論的な意味においてのいちばんの目的は、
第一に、自国での外貨決済の通貨別比率にあわせた架空の為替レートにしたほうが実用的だろうというもの。
第二に、自国の通貨の為替レートをアメリカの為替政策の都合にペッグしなければならないのは不都合だからというもの。
第一の意味が有効な場合として、たとえばユーロ圏との貿易額が大きい途上国は無理やりドルペッグにする意味がないというのがある。
これは今の中国にはあまりあてはまらない。
では中国の場合はいかに?
2015年の夏に人民元の為替レートを下げたとき、
「中国って通貨切り下げしないといけないほどヤバかったんか… ヤバイから今のうちに脱走しようぜ!」
となり、外貨が流出しはじめた。
するとどうなるか?
外貨が流出するとは、
その国のローカル通貨を売って外貨に両替するということであり、
ローカル通貨は需要が減って供給が増えるので、
つまり通貨の価値が下がる。
ドルペッグとはローカル通貨の価値をドルにあわせるということであり、
外貨が流出した分だけ政府が買い支えないとならなくなる。
そうなると外貨準備が取り崩される。
そして外貨準備が底をつくと今のウクライナのように国家が破産する。
これを回避するためにはドルペッグをやめるしかない。
しかし中国はメンツの国である。
「これ以上ドルペッグを維持すると外貨準備が底をつくから今日からやめます」
とは絶対言えない。
ならどうする?
「うちが独自算出した通貨バスケットに対してペッグするようにルールを変更したアル」
と言いはじめたのだ。
今日からは人民元が対ドルで値下がりしつづけようがメンツは保てるってぇ寸法である。
ちょっと待て。
通貨バスケットに対してペッグするっていうなら、数学的に厳密なルールにのっとって運用されるんじゃないのか!?
・・・と思う人もいるかもしれない。
しかし!
通貨バスケット制とはいいつつ、構成通貨の比率を公開する国はほとんどない。
為替レートをしばらく観察すれば構成比率を推定することができる程度のものだ。
だからこのルールを悪用すれば、
「去年まではドルの構成比率が90%だったけど、実は今年の夏以降はロシアルーブルの構成比率を30%に上げていたアル。だから人民元が対ドルで暴落したかのように見えても通貨バスケット制は厳格に今も維持しつづけているアルヨ」
という大本営発表を吹聴することも可能なのだ。
こんなインチキがまかり通るのか?
いやむしろ、これはインチキをする目的でのルール変更である。
いま人民元で外貨預金している人は今すぐおろしてきなさいと言いたい。
先のニュースは中共政府によるドルペッグのギブアップ宣言である。
それを言い訳して対外的にメンツを保ったように見せかけるとこうなる。