教団「二次元愛」

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【レビュー】ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学

2016-08-26 10:50:33 | 経済/経済/社会

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784822279325

ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学
入山 章栄【著】
価格 ¥1,944(本体¥1,800)
日経BP社(2015/11発売)






みなさまの勤め先の経営陣って、優秀な方々だとお思いでしょうか?

わたしの勤め先は現在では正直ビミョーである。

なぜか?

以前、構内タバコ全面禁止と作業着着用義務強化で笑い話のようなことになったと紹介したことがある。



構内タバコ全面禁止 & 作業着着用義務強化
 ↓
喫煙者は会社の表の道路や近くの公園にいってタバコを吸う
 ↓
作業着着用義務のためどこの社員かが一目瞭然
 ↓
近隣住民から苦情がくる
 ↓
偉い人がブチ切れた社内ニュースを配信する
 ↓
それを読んだ社員に「ああ、やっぱりバカだったんだ…」と思われる



とまあ、こんな感じだ。

あらためてこの顛末を見るとジンバブエのコピペを思いだす。
一部だけ引用したい。



> 2000年、「(植民地時代に強奪された)白人の土地資産を黒人へ強制的に無償で権限委譲しろ!」法案
> 更に「外資系企業は保有株式の過半数をジンバブエの黒人に譲渡しろ!」法案
>
> 白人農業主・外資系企業「じゃあもう安値で資産売ってトンズラします」
> 農場の経営ノウハウ継承されず → 農業崩壊、外資不足
> 物資を輸入していた外資系企業撤退 → 物資不足
> 事態を憂慮したイギリスなどが海上封鎖 → 工業部門打撃
>
> 物資が足りない! そこで対策として「物資を持つ者は絶対に市場に売れ!」法案
>
> 強制売却でさらに物資不足が深刻化。需給のバランス崩壊で物価高騰
>
> 物価が高い? それなら「物資を絶対に安値で売れ!」法案
>
> 調達コストより安値で売ることで利益の出なくなった国内企業がバタバタと倒産

http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%96%E3%82%A8



これも何てバカなんだと皆に思われるアレな感じだ。
うちの会社にしろムガベにしろ、半日分の学習ですむくらいゲーム理論の知識があれば当然回避できることなんだがね。
我々が経営陣(独裁者は国家の経営者)を尊敬の対象どころかお笑いの対象に見てしまうのは自業自得という感じはする。

そんななか、
「経営学ってどう思われますか?」
なんて聞かれたら、どう思われるか。

経営陣がアレなんだから、連想でアレな感じがするというところではなかろうか。

だいたい、ドラッカーを読んでも、あれは精神論であり、経営「学」なる学問とは言いがたいと思うのが当然の感想ではなかろうか。

しかし!
最先端の経営学はそうはなってはいなかった!!

ではどういうことか?

それが冒頭に紹介した本である。

最先端の経営学では
「○○年において○○での企業の財務データ○○万社を用いて、○○と利益の間に相関がどれくらいあるか」
という、統計を用いた議論をしていたのだった。

これはおもしろい!

そこには精神論など入り込む余地はない。
もちろん構内タバコ全面禁止と作業着着用義務強化で自主的に風評被害を強めるおバカなことをやるようなヤツはそこには含まれない。

驚くべきことに、経営学はちゃんと学問として成り立っていた(笑)。






この本は、統計的に有意である経営に関する真理法則を見つける学問を経営学としているような感じである。

つまり、とある場合に正しい答えを教えてくれと言われても、統計的に有意である施策は○○である、としか答えられない。

経営学は答えを教えてくれない。

この本はそれが経営学の特徴だと言っている。

だが、そんなのは経営学に限らない。

電子物性の研究者やエンジニアに
「プラスのイオンとマイナスのイオン、どっちが体にいいんですか?」
と聞いてみたらいい。

「どっちが体にいいなんてのがあるわけないだろwww そういう質問をすること自体ダメな感じするわwww」
という答えが返ってくるはずだ。

それを聞いてどう思われるか?

科学は答えを教えてくれないと思うだろうか?

つまり、答えを教えてくれないのは経営学にかぎる特徴ではないとわたしは思っている。