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2020年までに世界大恐慌 その後、通貨は全て紙キレに〈上〉―ジム・ロジャーズ緊急警告!
浅井 隆【著】
価格 ¥1,512(本体¥1,400)
第二海援隊(2017/04発売)
まずこの本を買うときには、ネット通販でなく、本屋で手にとることをオススメする。
なぜか?
最初のページをめくるだけでその理由の半分はわかる。
異常に活字がスカスカのだ。
なぜこんなにスカスカなのか?
これは全部読めばわかる。
> ジム・ロジャーズ緊急警告!
などと書いてあり、
> 2020年までに世界大恐慌 その後、通貨は全て紙キレに
などとセンセーショナルなことを書いておきながら、なぜそうなるかは全く書いていない。
ほとんど未来人の予言くらい根拠がない。
いや、「ほとんど」ではないな、未来人の予言「よりも」根拠がない。
さらにはこの本はジム・ロジャーズとの対談による内容がまとめられているように錯覚するタイトルと序文がついているが、実は9割がたウソである。
9割は著者の浅井隆の持論であり、その部分はジム・ロジャーズとは関係ない。
なぜか?
ジム・ロジャーズとの対談の詳細を知りたければ別料金払ってくださいと巻末に書いてある。
ふざけてんのかこいつ!
マジでこれ振り込め詐欺のテンプレパターンじゃねえか!!
仮に情報量が少なすぎるのは譲ったとしてもだな。
この本は論理があまりにひどいんだよ。
アベノミクスにより国債の発行残高が増え続けていて財政がどうの、と書いてある。
たしかにアベノミクスにより国債の発行残高が増え続けていている。
しかし実態は、アベノミクスにより国債の金利が大幅に下がり、マイナスの金利で発行できるほどになってしまっており、財政負担はむしろ改善されている。
そういうところはこの本では全く議論されていない。
べつにこの件に限らない。
先の2020年までに世界大恐慌というところでも、その根拠は全く書かれていないとか、まあとにかく競馬新聞の予想がすばらしく見えるほど酷い。
我輩はこれをざっと見て幼稚な印象を受けた。
この本は極めて内容に欠ける。
事実、我輩はこれを本屋で立ち読みして10分で読み切った。
こんなに内容がないのに上下巻に分けるとか、出版社の担当もよくこれで許可したもんだと呆れるところだ。
実はこの出版社の第二海援隊は著者の浅井隆の私物みたいなもんだ。
だからこんな程度のものが出版できたわけであり、でなければこんなん売りもんになるわけがない。
間違って1冊買ってしまうのはやむを得ないとしても、こんな本を後生大事に自宅の本棚に陳列するような人物と人様に思われないように注意したほうがいいかと思われる。