あらかじめ断っておくが、わたしはゾロアスター教徒ではないし、なる気もない。
無信心だが、しいていえば仏教徒だ。
ふつうの日本人よろしく宗教なんてウサンクサイと思っている派だ。
しかし!
なぜかいくつか教典を読んでみたこともある。
もちろん宗教にハマりたいわけではなく、かといって人生について思い悩んだ末に指針が欲しかったわけでもなく、単なる小説代わりみたいな意味でだ。
旧約聖書も読んだし、ギルガメッシュ領事詩も読んだし、アヴェスタも読んだ。
みなそれなりに面白かった。
ゆいいつ新約聖書だけは道徳的側面の強調があまりにも濃すぎて、小説代わりとして読むには面白くなかった。
そのなかで小説代わりとして最もおもしろかったものを選ぶとすると、わたしならゾロアスター教の経典であるアヴェスタ(※1)を挙げる。
ゾロアスター教は太古の昔に栄え太古の昔に没落した宗教なので、どちらかというと新約聖書よりも旧約聖書のノリのほうに近い。
それに説教臭くもないので変にゲンナリすることもない。
もちろんそれだけが大きな特徴なわけではない。
最大の特徴は読んでいるときの高揚感にある。
アヴェスタは短いセンテンスに区切られており、それぞれがハイテンションな物語で、同じような情熱的な文体で、それが延々と繰り返される。
悪く言えば、かなり冗長でムダが多いとも言えるし、物語としてのストーリーも充実しているとはとても言いがたい。
ところが!
それはそういうモノだということで、そのまま気にせずにしばらく読んでみるといい。
あるとき、これの独特の読み方があることに気付くはずだ。
同じ毛色の文章が繰り返し繰り返し出てくることで、しだいに体がそのリズム感をつかんでしまって気分が高揚していき、それが恍惚とした読後感へと導く。
そして読んで面白かったという感覚は残っているのに、なぜか読んだあとストーリーはほとんど憶えていない。
原始的なシャーマニズムがそれと同じものだ。
同じ動作を繰り返し繰り返しつづけることで気分を高揚させ、しだいにトランス状態へと導かれ、そして神と一体となった者へ神託が下る。
まさにアヴェスタの読み方はこれにあったのだ!
ストーリーやキャラクタを最重要視する現代の読み物にはこの手のものはほとんど無い。
たまにはこういうのを読んでみるのもおもしろい。
新興宗教のようにとって付けたような薄っぺらなコピペ教義でもなく、かといってキリスト教のような論理的に完成された屈強な教義でもなく、フシギにライトな感覚で読めてしまうのも良いところだ。
追伸:
創始者ゾロアスターは名前ののこっている人物としては、姉萌え・妹萌え・母萌えをはじめて肯定的に解釈した最古の人物であろうと思われる。
今の日本の創作物を見るかぎり、あるいみ大変な先見性の明があったのかもしれないね。
【※1 アヴェスタ】
ゾロアスター教 神々への讃歌
岡田 明憲
ISBN4-89203-053-8
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%BE%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E6%95%99%E2%80%95%E7%A5%9E%E3%80%85%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%AE%83%E6%AD%8C-%E5%B2%A1%E7%94%B0-%E6%98%8E%E6%86%B2/dp/4892030538/ref=sr_11_1?ie=UTF8&qid=1245076660&sr=11-1
無信心だが、しいていえば仏教徒だ。
ふつうの日本人よろしく宗教なんてウサンクサイと思っている派だ。
しかし!
なぜかいくつか教典を読んでみたこともある。
もちろん宗教にハマりたいわけではなく、かといって人生について思い悩んだ末に指針が欲しかったわけでもなく、単なる小説代わりみたいな意味でだ。
旧約聖書も読んだし、ギルガメッシュ領事詩も読んだし、アヴェスタも読んだ。
みなそれなりに面白かった。
ゆいいつ新約聖書だけは道徳的側面の強調があまりにも濃すぎて、小説代わりとして読むには面白くなかった。
そのなかで小説代わりとして最もおもしろかったものを選ぶとすると、わたしならゾロアスター教の経典であるアヴェスタ(※1)を挙げる。
ゾロアスター教は太古の昔に栄え太古の昔に没落した宗教なので、どちらかというと新約聖書よりも旧約聖書のノリのほうに近い。
それに説教臭くもないので変にゲンナリすることもない。
もちろんそれだけが大きな特徴なわけではない。
最大の特徴は読んでいるときの高揚感にある。
アヴェスタは短いセンテンスに区切られており、それぞれがハイテンションな物語で、同じような情熱的な文体で、それが延々と繰り返される。
悪く言えば、かなり冗長でムダが多いとも言えるし、物語としてのストーリーも充実しているとはとても言いがたい。
ところが!
それはそういうモノだということで、そのまま気にせずにしばらく読んでみるといい。
あるとき、これの独特の読み方があることに気付くはずだ。
同じ毛色の文章が繰り返し繰り返し出てくることで、しだいに体がそのリズム感をつかんでしまって気分が高揚していき、それが恍惚とした読後感へと導く。
そして読んで面白かったという感覚は残っているのに、なぜか読んだあとストーリーはほとんど憶えていない。
原始的なシャーマニズムがそれと同じものだ。
同じ動作を繰り返し繰り返しつづけることで気分を高揚させ、しだいにトランス状態へと導かれ、そして神と一体となった者へ神託が下る。
まさにアヴェスタの読み方はこれにあったのだ!
ストーリーやキャラクタを最重要視する現代の読み物にはこの手のものはほとんど無い。
たまにはこういうのを読んでみるのもおもしろい。
新興宗教のようにとって付けたような薄っぺらなコピペ教義でもなく、かといってキリスト教のような論理的に完成された屈強な教義でもなく、フシギにライトな感覚で読めてしまうのも良いところだ。
追伸:
創始者ゾロアスターは名前ののこっている人物としては、姉萌え・妹萌え・母萌えをはじめて肯定的に解釈した最古の人物であろうと思われる。
今の日本の創作物を見るかぎり、あるいみ大変な先見性の明があったのかもしれないね。
【※1 アヴェスタ】
ゾロアスター教 神々への讃歌
岡田 明憲
ISBN4-89203-053-8
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%BE%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E6%95%99%E2%80%95%E7%A5%9E%E3%80%85%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%AE%83%E6%AD%8C-%E5%B2%A1%E7%94%B0-%E6%98%8E%E6%86%B2/dp/4892030538/ref=sr_11_1?ie=UTF8&qid=1245076660&sr=11-1
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