教団「二次元愛」

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八方塞がりのプーチン(笑)

2018-04-18 21:33:37 | 経済/経済/社会
カール・ビルトなるスウェーデン元首相らしい人物の書いた記事が、端から端まで全てにおいてツッコミどころ満載だったので、注釈をつけながら全文掲載したい。



八方塞がりのプーチン、軍拡競争の「代償」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180415-00215694-toyo-bus_all



> 再選は果たしたものの、八方塞がりのロシアのプーチン大統領(写真:Alexander Zemlianichenko/ロイター)

>  ロシアのプーチン大統領は再選されたが八方塞がりだ。経済成長率は極めて低く、プーチン政権が発足した2000年代初頭の好景気とは比べようもない。西側諸国との関係改善なくしてロシア経済が好転するとは考えにくいが、西側との対立は深まる一方だ。

>  経済成長に投資は欠かせないが、成長のカギとなる技術や国際金融市場へのロシアのアクセスは限られている。プーチン氏と親密なロシアの企業や大富豪には経済制裁が科せられており、成長投資の足かせになっている。



ロシア経済はモノカルチャー経済で、原油価格に連動するので、「西側諸国との関係改善なくして」ではなく「原油価格の上昇なくして」のほうが正しい。
たぶん本質的なところは経済制裁ではない。



> ■年次教書演説で将来への不安を露呈

>  西側からの経済制裁に耐えかねたロシア政府は、投資・通商の拡大を狙い、中国との関係強化を模索した。だが、米中首脳会談で習近平国家主席がトランプ米大統領を皇帝級の特別待遇でもてなしたことで、プーチン氏の望みはついえた。対米関係改善も同様だ。



実は中露は毛沢東の時代からすでに仲が悪かったことが後世になって判明している。
自由主義陣営に対する政策として、自分たちは仲がいいフリをしているほうが都合がいいのでそうしているだけだ。



>  3月の年次教書演説でプーチン氏は、図らずも将来に対する不安を露呈してしまった。ロシアが他国に後れを取る可能性があるとして、危機感をあおる場面がいつになく目立ったからだ。

>  「技術進化は一気に加速している」とプーチン氏は分析し、こう言った。「技術進化の波に乗ることができた者ははるか先を行く。波に乗れなかった者はおぼれる」。おぼれかかっているのがロシアであるのは明らかだ。

>  また、プーチン氏は年次教書演説の相当部分を、CGを駆使した最新鋭兵器のプレゼンに費やした。超重量級の大陸間弾道ミサイル、迎撃システムが追いつけないほど速い超音速兵器、核弾頭を積んだ長距離魚雷、原子力エンジンを搭載した無限の射程を持つ巡航ミサイルなどである。米国がどのような防衛網を構築しようとも、ロシアにはそれを突破する力があると証明したかったようだ。

>  だが、そのような言動に出ることで、プーチン氏は自らの恐れをうかつにもさらけ出してしまった。ロシアの戦略核兵器が時代遅れのものになることへの恐怖だ。



プーチンは、たとえばマッハ10で飛ぶミサイルを開発し、しかもすでに量産開始しはじめたと言っている。
だが、どうやらみなさんこれ本当にできたんかよと思っているようだ。

最近のアメリカは、テロリスト相手の非対称戦用の装備を特に充実させてきたんじゃないだろうか。
そういう意味では、注目してなかったロシアでそんな兵器がポンと登場したのであれば、西側諸国にとって一応それなりのサプライズになったんじゃなかろうかと思われる。
もし本当なのであればの話だが。



>  核戦力と国連安全保障理事会常任理事国としての拒否権を別にすれば、ロシアの戦略的影響力を支える基盤は弱い。経済規模は実質的にイタリア程度でしかなく、仮にプーチン氏が本気で米国と軍拡競争を続けるつもりなら、軍需産業を除く主要セクターは相当な経済的犠牲を強いられる。一般ロシア人の生活水準もさらに低下する。



アメリカにとって最重要なのはGDP成長率かもしれないが、どうもロシアはそうでもないようだ。
わたしもまだよくわかっていないが、ロシアにとって最重要なのは、たぶんソ連崩壊の悲劇を繰り返さないことである。
そのためには今現在の多少の困窮には十分耐えられる。

ソ連崩壊の悲劇とは、たとえば、かつてロシアの影響力の最前線は東ドイツだったが、東欧の旧共産圏諸国のかなりの部分はNATOに加盟し、ロシアに向いたミサイルを配備している、というようなことだ。
ロシア人は、クリミアをウクライナから強奪……ゲフンゲフン、クリミアの同胞を保護するのに成功したことで、やっぱり軍事力って大事だよねって絶対思ったはずである。

ロシアは軍事セクターのために経済を犠牲にしているという説はソ連時代から数多くみられるが、本人たちにしてみればそんな西側からの指摘にはほんの少しも情報量がない。
ロシア人なら、アメリカの靴にキスしてGDPがなんぼ上がったところで、キエフとミンスクとアスタナにNATOのミサイルが配備されたら何の意味もないと言うだろう。

いまのロシアは原油の相場のわりには思ったよりマシである。
ソ連が崩壊してしばらくは食べるものにも困窮し、たしか平均寿命が10年短くなるようなひどい有様だった。
いまさら多少困窮するといったところで、あのころに比べればどうということはないわっ!……と皆が言うだろう。



> ■軍拡競争はロシアを崩壊へと導く

>  一方でプーチン氏は近頃、紛争が泥沼化している東ウクライナに国連平和維持部隊を派遣する案を容認する考えを示している。年次教書演説で最新兵器を披露したのは、さらなる軍縮や開かれた対話の必要性があることを西側諸国に悟らせるためだったのだろう。



ドンバスの自称政府がロシアへの併合を望もうと、もとよりロシアは(クリミアと違って)ドンバスを併合する気はないと明言している。
どうやらプーチンは東ウクライナにキエフの手のつけられない親露の自称政府をこさえて緩衝地帯にするところまでで満足したようだ。

で、ロシアが文句を言っているのは、ウクライナ政府が選挙で選ばれたわけでもない暴力革命で乗っ取りした政権であり、それは民意を反映してないだろ、だからこの政府の言うことをそのまま鵜呑みにするわけにはいかんだろ、と言っているだけだ。
プーチン一味はドンバスを併合しようとして絶賛裏工作中だったのが急旋回して態度変えたみたいなニュアンスで書くのはよくない。



>  だが、たとえプーチン氏が対話を望んでいたとしても、ロシアの元スパイとその娘が神経剤によって襲われるという、3月に英国で起きた暗殺未遂事件を見過ごすわけにはいかない。放射性物質を用いた2006年の元スパイ暗殺と同様、英国政府は今回の事件もロシア政府の仕業だと結論づけている。

>  ロシア政府は事件への関与を隠そうと、うそと情報操作という露骨なやり方で対抗してきている。言うまでもなく、人を殺し、うそをつくような政府を対話の相手として歓迎するわけにはいかない。



これはかなり独善的な思考だな。

外交の世界では真実がどうなんかということは案外どうでもよかったりする。
そうじゃなくて、自分が仲良くしておきたい国の親分が何と言ってるから支持するとか、そういうのが外交だ。
たとえばベラルーシなら「ロシアが俺がやったんじゃねえって言ってるんだからロシアがやったんじゃないんでしょ」と表明しているはずだ。

ちなみにたしか日本は「真相の究明が必要だよね」みたいな超玉虫色なこといってたような気がする。

もちろん、誰が見てもロシアがやったようにしか見えないけどね。



>  だからといって、米国とロシアが真摯な対話を行わなくていいというわけではない。両国は核戦力の近代化を進めているからだ。長年にわたって機能してきた軍縮枠組みが無力化する危険性がある。

>  新たな軍拡競争はロシアを含む全世界を脅威にさらすものだが、それだけではない。かつてのソビエト連邦がそうだったように、軍拡競争はほぼ確実にロシアを崩壊へと導く。プーチン氏は4選を果たしたが、その未来は極めて不透明だと言わざるをえない。



だからロシアの未来が不透明なのは軍拡競争によるものじゃなくて、
アメリカのシェール革命のせいで原油価格は昔みたいに1バレル100ドルとか絶対無理ってなったからでしょうに。



> カール・ビルト :スウェーデン元首相



これで元首相かよ……、と思ったのだが、我が国には鳩山がいたでござる。


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