ケイブシューティングアートワークスを買ってきた。
読んで字のごとくケイブのシューティングのイラスト集である。
ただし初期作品は掲載なしのものも少なくない。
こうやって買ってきてあらためて見ると思う。
シューティングのイラストと他の作品との間には、雰囲気で決定的に違う点が1つだけあることに。
シューティングでは、笑った顔でもどこか物寂しげなのだ!
シューティングの自機のパイロットは、多くは望まない戦場に駆り出されている。
少数派であるそれを望む者がいたとしても、自分の望みをかなえる引き換えとして、また自分のいられる世界を戦場にしか見つけられなかったから、そこに赴くこととなる。
いわゆるTVゲーム諸悪の根源主義者の言うような
「敵を撃ち殺すことに快感をおぼえた人のための殺伐としたゲーム」
という前提で作られたものでは決してない。
ただし例外もある。
V・Ⅴ(ヴイ・ファイヴ)などでは、設定上ほんとうにゲーム感覚で気軽に戦地に赴いて命を落とすという話になっている。
そういうものも中にはある。
あくまでもごく少数のめずらしいパターンではあるが。
・・・まあそれはいいとして。
でだ。
ケイブシューティングアートワークスに描かれるヒロインたちも当然にその中の1人である。
いま自分がやらなければ世界を救うことができないから。
自分はあくまでも兵器として生まれてしまった忌むべき存在だから。
・・・そんな理由で彼女たちは戦いにいく。
それもただの戦いではない。
たった1発の被弾で撃墜する自機。
に対して、気が狂いそうになるほどの弾幕をばら撒き、おぞましいほどの被弾耐性を誇り、かつ万倍もの数の戦闘機を配置する。
そんな中へたった1人だけ(もしくは戦うのは自分だけでシナリオ上のお供が数人いるだけ)で、その絶望のなか戦いにいく。
彼女たちもきっとわかっている。
自分たちの希望がかなう前にきっと命つきる運命にあることに。
それでもごく僅かだが確かにある希望の未来を切り開く可能性に賭ける決意を持つことに。
わたしは時折心が痛む。
自らの腕前が未熟なゆえに、彼女たちを被弾させて死なせてしまうことに。
プレーヤーにはその世界の構造を変えて彼女たちを幸福にするだけの力がないのなら、
せめて彼女たちだけでもエンディングで希望をかなえさせてあげたいと思う。
プレイしてそう思う。
【※】
ケイブシューティングアートワークス
ISBN978-4-7973-6668-6
http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4797366680/ref=dp_image_z_0?ie=UTF8&n=465392&s=books
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