http://www.plastesia.com/index.html
(・・・前回からの続き)
塗るにあたり注意することを記したい。
・・・とはいうものの、塗るにあたり注意することのほとんどはタダでくばっている公式DVDを見ればわかる。
施工実例集『UMORK』、うま~くヌレール塗り方DVD のお申し込み
http://www.plastesia.com/top/1203/dvd.html
だが、あえて書く。
公式DVDに書いていないことを書きたい。
(1)
うま~くヌレールは古壁の上にそのまま直塗りしても良いと公式DVDで説明がある。
だがジョイフル本田の店員さんに相談したところ、
「いきなり塗ると丸ごとバタンと倒れるようにはがれることがあるからやめておいたほうがいい」
「(砂壁をはがしてから塗る案に対して)わたしならはがさずに下地材を塗ってから上塗りする」
というアドバイスを受けた。
ジョイフル本田ならうま~くヌレールのすぐそばにいっしょに買ってくれと言わんばかりに砂壁など用の補修材も置いてあるので、それを買って下塗りすればいい。
なお、砂壁用補修材の入れ物には2回塗りを推奨しているが、店員さんは1回塗ればいいと言っていた。
ちなみにわたしはマジメに2回塗った。
この砂壁用補修材、塗ったあと触ってみてもホントに効果があるんだかないんだかがよくわからない。
だが店員さんは効果はあるんだと言っていた。
(2)
公式DVDではうま~くヌレールの「仕上げ用」を2回塗りしろと説明がある。
だが、どういうわけかうま~くヌレールの「下塗り用」というものも存在する。
何が違うのかはよくわからないが、合板の上に塗るときは「下塗り用」を使うらしい。
あまったら処分に困ることもあって結局使わなかった。
(3)
うま~くヌレールの 仕上げ用には色が8種類ほど用意されている。
迷ったら好みで選べばいいと思われる。
わたしは白が最も漆喰らしい色だと判断し、また何缶も必要になることがあきらかだったこともあり、店頭(ジョイフル本田)にたくさん在庫がある白を選択した。
しかし!
白は注意したほうがいい。
砂壁の上にうま~くヌレールの「白」を塗ると、砂壁用補修材を塗ったとしても、「あく」が出る。
ほんのり黄ばんだ仕上がりになるのだ。
これがまだ全体的に黄ばんでいるならそういう調合カラーなんだろうとも思えるのだが、そうではない。
塗った凹凸に応じて黄ばみかたにグラデーションがかかるので、経年変化で色あせてそうなったようにしか見えない仕上がりになり、ようするにボロっちく見える。
これを見てしまうと
「純白ではないものを選択したほうが良かったかもしれないな・・・」
と思ってしまったが、いったん塗り始めた以上もはや後の祭りであった。
これを回避するためには2回塗りする必要がある。
だがここでも注意が必要になる。
うま~くヌレールは半日すればさわっても手につかないほどには乾燥する。
なのでさっさと2回目を塗りたくなるが、それはハマりパターンである。
次の日に塗ると黄ばみがあまり取れないのだ。
1回目を塗ったあと1週間待ってから2回目を塗ればだいぶマシになる。
とはいえ、こういう問題は下地が砂壁の場合だけかもしれないけど。
(4)
そもそも漆喰は可能なかぎり薄く塗るのがキホンである。
だがうま~くヌレールを可能なかぎり薄く(たとえば1mm厚で)塗ろうとすると、どうも下地がほんのり透けて見えるような感じになる。
だがそれは問題ない。
乾いたら完全に不透明になる。
だから薄く塗ったほうがいい。
逆に、塗る段階で下地が透けないように厚めに(たとえば2mm厚で)塗るほうが問題がある。
そう塗ってしまうと仕上がりのデコボコがさらに目立ってしまうのだ。
おまけに、厚く塗ったにもかかわらず、先の黄ばんだ「あく」の出かたもそれほど改善されない。
(5)
公式DVDでは、うま~くヌレールをすくって取るのために、おたまを用意するべしと説明がある。
だが必要ない。
豆腐に包丁で切りこみを入れるイメージで、うま~くヌレールこてで切込みを入れて必要量だけ取り出せばいい。
(6)
うま~くヌレールには専用のこてがある。
薄いプラスチック製のため、よくしなり、軽く、使いやすい。
しかし。
耐久性が高いとは言えないようだ。
わたしの場合は4缶塗ったところで亀裂が入った。
使い捨てまがいのものだと考えたほうがいいように思われる。
遠隔地にお住まいの人で通販で買う場合には、うま~くヌレールこてを必要数プラス1以上は買っておいたほうがいいはずだ。
(7)
うま~くヌレールには専用の角こてがある。
90°の凹面や凸面に使うと便利だとのことだ。
しかし。
慣れたら一切使わなくなる。
しばらく使っていれば、凹面だろうが凸面だろうがあらゆる場面で通常のこてを使ったほうが均一に塗れるようになる。
まあ高いものではないので、試しに1個買うのも悪い判断ではないと思うが。
(8)
公式DVDでは、養生用のテープは数mmほど空けて張るべしと説明がある。
その理由は公式DVDを参照いただきたい。
しかし!
数mmは大きすぎる。
なるべく薄く塗ったほうが良い仕上がりになる関係上、数mmだと空けすぎになる。
(10)
養生のテープだが。
公式DVDでは、よく見ると緑色のものと黄色のものの2種類を使っている。
たしかにジョイフル本田に行って見てみても緑色のものと黄色のものなど2種類以上ある。
これ、どちらがいいかというとだな。
店員さんに聞いてみたところ、
「古い家だと、貼った先の木材までいっしょにはがれやすいので、黄色のテープ(住友3M製)にしたほうがいい」
とのことだった。
たしかに両方使った感じでも、黄色のテープのほうが木材がくっついてはがれる度合いが少し少ないのではないかと思えた。
なお、
「(日曜大工なので工程が1週間空くため)築古の木造の家で1週間貼りっぱなしだと完全にくっついてしまって木材までいっしょにはがれてしまうので、いったんはがして貼りなおしたほうがいい」
という忠告を受けたのだが、次の日にはがしたところで木材までいっしょにはがれてしまう現象を完全に食い止めることはできなかった。
これはカンペキ主義者は手をださないほうがいい理由になる。
ちなみに我が家の場合は元がかなりボロっちいので
「ちっ、しかたねぇな・・・」
くらいのもんなんだが。
なお、売り物としては黄色のテープのほうが小さいのだが、それは黄色のテープのほうが厚みが薄いからであって、別に長さが短いというわけではない。
なのでその意味では安心していいどころか、むしろ黄色のテープのほうがかさばらないのでそのほうが良いくらいでもある。
また、塗れたときのはがれにくさでいっても、黄色のテープのほうが少し良いのではないかという感触がある。
これは下地材を塗る際に意味がある。
この住友3M製の黄色のテープがあらゆる意味で良好なように書いたが、1つだけ劣る点がある。
それは、緑色のテープは縦方向と横方向に粗に繊維が入っているため、手で切っても垂直に切りやすいというメリットがあり、黄色のテープの5cm幅のものはハサミほぼ必須となる。
それが唯一のデメリットかと感じる。
(11)
これは前回記事でも書いたことだが・・・。
公式DVDでは、こて以外の道具を使った(完全な平面にしない)凹凸パターンをつけたオリジナルの仕上げをする方法も説明してある。
だがそれは裏をかえせば、シロウトは完全な平面に塗るのは無理だということを暗に悟らせる意味も含まれている。
公式DVDでそこまでネガティブなことをダイレクトに表現するのは気が引けるからそういう表現にしたのではないかという政治的判断がそこにあったものと推測する。
これは日本プラスター社に悪意があるとか、故意に事実を告げなかったという瑕疵があり民法上問題があるとか、そういうことを言いたいわけではない。
世の中のCMなんてだいたいそんなもんで、それくらいのことは一般常識の範囲に含まれるはずだと言っておく。
DIYなので、どうしてもシロウト工作のような仕上がりになってしまう感は否めない。
プロの左官職人がやったのと同じレベルの仕上がりでなければイライラして気が収まらないというカンペキ主義者は絶対手を出すなと忠告しておく。
(12)
公式DVDやYouTubeにあがっている動画では、爺さんやおばちゃんが塗り作業をしている。
それを見れば体力に自信のない人でも誰でもできそうに見えるはずだ。
しかし!
1日6時間×3日連続でその作業をやっていると、もう次の日にはできっこないと感じるほど体力を消耗する。
はっきり言って会社に行っているほうが(肉体的には)疲れないほどだ。
我輩より体力のあるスポーツマンのマッスルジジイも世の中にはいるとは思うが、半数以上はそうではなかろう。
いくら軽作業とはいえ、それなりに体力を消耗することを覚悟したほうがいい。
1部屋単位でなければ途中で投げ出すわけにはいかないのだから。
(13)
前回書いたことでもあるが、コストも問題がある。
明らかに壁紙よりコスト高になる。
とはいっても、それでも壁紙では得られないものがあるからこそコストが高くてもやる価値があるのだ。
(まとめ)
ここまで公式では言いにくいネガティブなことをいろいろ書いた。
だが、うま~くヌレールはヤバイから使うなと言っているのとは断じて違う。
デメリットをわかって使いこなすのが本来のやりかたなのだ。
でこぼこだらけでした。厚く塗りすぎたせいなのかどうかわからない。どうすればきれいに塗れるの?
たしかに1回の塗り厚が大きいほうがデコボコ加減が大きくなりますが、いくら薄く塗っても根本的には解決しません。
プロの左官職人にオーダーすると百数十万かかるところをDIYで10万で済ませたことを考えると、仕上がりのデコボコ加減のマイナス要素よりコスト削減のプラスの要素のほうが高いとわたしは考えています。