DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

風(23)

2019-08-23 16:45:32 | ButsuButsu


令和の時になって、冷たい風が吹き始めた。
東アジアの地に、ふたたび戦人の声が聞こえなければよいが。

明治・大正・昭和と、この国を牛耳ってきた人々が、
過去の罪を恐れて臭いものに蓋をする。

権力を身にまとう人々は、いつまでもその鎧を脱ごうとはしない。
しかし、すでにうすら汚れて内から腐臭がし始めている。

びわ湖の北にある小さな川に、多くのアユが集まっている。
いくつかの背中は寄生虫に襲われ、泳ぐのもやっとだ。

白い腹を出して漂うアユの死体のそばでは、
暑さにあえぐツバメが溺れていた。

皆が自分だけのことを考えて、他の人のことを思いやらない。
私たちは思いやりという言葉をどこに忘れてきてしまったのだろうか?

主張することは悪いことではない。
しかし溺れているツバメに石を投げつけるようなことは止めよう。

令和の時になって、嫌な風が吹き始めた。
この地に、得意げに人を罵倒する声はいらない。
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風(22)

2019-06-26 11:41:09 | ButsuButsu


ジムグリだろうか?
久しぶりに見たヘビに、思わず好奇の目を向けた。
そう言えば、最近、路上でヘビを見る機会が少なくなった。

驚いたヘビは、懸命に石垣を登り始めた。
自分の背より高い壁を登るヘビに感激して、写真を撮り始める。
彼(?)は、登るときに壁の高さを理解してはいないのだろう。

少し登っては休み
また登る姿は、感動的でもある。
もう少しだ、ガンバレ。

蛇行、という言葉が思い浮かぶ。
ある程度の長さに体を折り曲げながら、重力に逆らって上昇する。
骨格とウロコで支えながらの登攀は見事だ。

ちょうどボルダリングを見ているようで、喝采を送る。
ふと気が付いたが、ヘビには降りる選択はないみたいだ。
こいつは登りきるしかない。
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風(21)

2019-06-20 16:15:42 | ButsuButsu


女の子のクツは、場所を移動して取り残されていた。
誰かが目立つように、車除けの上に置きなおしたのだろう。
クツの中には、クツ下が無造作に突っ込まれている。
誰が、何のために残したのか。
気になって仕方ない。
このクツの持ち主は、裸足で帰って行ったのだろうか。
小学校の低学年くらいだろうか。
手に取ってみたが、サイズはわからなかった。
明日からは雨が降りそうだ。
濡れたクツは見たくない。
やはり落し物として届けるべきかな。
日常の中の非日常が心の中に巣くってしまった。

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風(20)

2019-06-19 10:04:03 | ButsuButsu


今朝、通勤の途中、ある工場の門扉の脇に女の子の靴を見つけた。
妙にきちんと並べられた靴に、私は違和感を覚えた。
何かあったのだろうか?
ここに置かれてから、そんなに時間がたっているとも思えなかった。
確かに、昨夜の帰宅時にはなかったものだ。
忘れ物だろうか?
事件性はないのだろうとは思うけれども、もし心当たりのある人は早めに伝えて欲しい。
そう思ってネットにアップすることにした。

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風(18)

2019-02-23 00:52:54 | ButsuButsu
イスラエルから猫の話 第3弾



地中海からの風が

ぴたりと止んだ昼下がり

ぶらぶらと歩く海岸通り

石畳の路地を抜けると

小さな広場がある

春の日差しが暖かく

行き交う人々も

どことなく穏やかで

小さな男の子と女の子が

前となり後ろとなり

二人で追いかけあいながら

私たちに寄り添ってくる

おやっと思ってふと見る

暖かそうに昼寝をする

猫たちの一団

爆睡する四匹の猫と

落ちそうな猫が一匹

小さな車では

ちよっと定員オーバーかな

こんな野良猫たちが

無警戒に体をさらす

不思議な街の

なにげない午後

緊迫する中東とは

かけ離れた時間の歩み
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風(17)

2019-02-18 21:01:04 | ButsuButsu


さてはて、イスラエルには野良猫が多い。

街角で、ポーズをとる猫に出会った。

どこかで見たようなすまし顔だ。

ふと思い浮かんだのがモナリザだった。

巨匠レオナルド・ダ・ビンチには申し訳ないが、

こういう猫のことを

モニャリザと呼ぶのだそうだ。

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風(16)

2019-02-15 19:46:47 | ButsuButsu


浮世絵師であった菱川師宣(ひしかわもろのぶ)が、1670年ころに描いた「見返り美人」は、その後の画壇にさまざまな影響を与えたと言われている。

なかでも有名なのが、竹下夢二が描いたいくつかの見返り美人だろう。

肩越しに見返る立ち姿が美しいのは、何も女性だけではない。

ここイスラエルの街角で、小雨に濡れて振り返る「見返り猫」に出会った。

その姿には、何かしら色気があった。

猫の色気というのもおかしな話だが、確かにこの猫はそんな雰囲気を持っていた。

そして私は、その瞬間を捉えた。

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風(15)

2019-02-14 16:30:34 | ButsuButsu


イスラエルの北、ゴラン高原に隣接する、キンネレット湖に来ている。

キリスト教徒には、ガリラヤ湖と呼ぶ方がなじみ深いのかもしれない。

ここに巨大サイズのアオコが出ている。

イスラエルの研究者と一緒に、12日からその調査をしている。

が、高い断層に囲まれた湖には、時折、強い風が吹く。

今日は、強風のせいで、途中で調査を中止した。

手持ちぶたさに波止場をぶらついていたら、野良猫に会った。

痩せ細った猫の後を何気なくついて行ったら、低木を口に含んでうっとりとし始めた。

その恍惚とした様子が面白かったので、思わず写真を撮った。

猫は素知らぬ顔で枝をしゃぶり続ける。

中東の湖での、のどかな一日だった。
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風(14)

2019-02-03 21:58:57 | ButsuButsu


以前、さかなクンとテレビ番組に出たことがある。

彼の立派なところは、リハの時からすっと同じテンションだということだ。

プロ意識に徹底しているだろう。

おかげで私たちもリラックスして本番が迎えられた。

そういえば、先日、浦先生もさかなクンと共演していた。

浦先生がキチジの帽子をかぶっていたのは、傑作だった。

ご存じ、さかなクンの帽子は、箱ふぐだ。

これはネットで売っている。

浦先生のキチジ帽子も売れるかもしれない。

びわ湖だと、何かな?

やはりビワコオオナマズかな?

ちょっと長いから、いっそマフラー付帽子にすると暖かいかもしれない。



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風(13)

2019-02-01 16:29:47 | ButsuButsu


びわ湖トラストが実施しているジュニアドクター育成塾の2期生募集が始まった。

2018年度には35名が参加して1年間の研修を行ってきた。

2019年度には、40名を募集している。

すでに9名の参加があった。

締め切りは3月12日。

ぜひ多くの小中学生に参加して欲しい。

なにせ、はっけん号に乗ってびわ湖の調査が無料でできる。

しかも、優秀な生徒には海外実習もあるし、ノーベル賞受賞者の講演も聴講できる。

考えたら、私が子供の頃、こんなおいしい話はなかった。

苦学して京都大学理学部へ入学したら、学園紛争で半年間授業がなかった。

やることがないので山登りをはじめ、ついには5700メートルの初登頂までやってしまった。

もう少しで人生を終えるにあたって、あと少しやりたいことがある。

恥ずかしいから声に出して言えないが、自分の能力でできる範囲の望みをかなえたい。

そう思って、子供たちと対峙している。

この子たちには、未来がある。

その目は輝いているし、振舞には力がある。

彼らの若さに触れながら、私は自分の願いをかなえたいと思っている。

そうしたら、いつ死んでも悔いはない。

いま、私の周りをゆっくりと風が吹いている。

問題は、どうやって風に乗るかだ。

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風(12)

2018-12-31 22:57:23 | ButsuButsu


そう
いろいろなことがあったね

たくさんの
思い出ができた年でした

新しい
びわ湖の歌もできました

みんなも
歌ってほしいな

https://www.youtube.com/watch?v=3Q_PGXmWPAw

びわ湖塾に参加した
多くの子供たちも

それぞれが
力強く成長し

自分の信じた道に
突き進もうとしている

そうやって
時代が過ぎ

人間たちは
自分の立ち位置を踏みしめてきた

僕だってそうだ
そして君だって

がんばった一年
そしてあと一年

一緒に
語り合える日にしたいものだ
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風(11)

2018-12-06 11:43:01 | ButsuButsu


こんな気候だと、カタツムリも冬眠できないのだろうか?
殻を背負って移動する姿には、孤独感が漂っている。
右巻きのマイマイが、一般的なのだそうだ。
でも左巻きのマイマイもいるらしいから、世の中はバランスが取れている。

今頃、狭い獄中で、ゴーンさんはどうしているのだろうか。
早く狭い檻から脱出して、自由になりたいことだろう。
なぜ検察は彼を逮捕したのか?
この世には、よくわからないことが多い。

日産自動車の前身は、日産コンツェルンという財閥だ。
この財閥は、日立鉱山、日立製作所、日産自動車など多くの企業を抱えていた。
これらの企業群が形成されたのは、1933年(昭和8年)から1936年(同11年)のわずか4年の間である。
堀雅昭が書いた「鮎川義介 日産コンツェルンを作った男」の中に以下のような文言がある。

*****
日産コンツェルンの出発点となる日本産業は1931年(昭和6年)の満州事変を境に飛躍的に成長した。
その裏には、事変後に“建設”された満州国をアジアの自由主義圏にするという野望を持つ革新官僚、岸信介(戦後に首相)がいた。
岸は、「満州重要産業五か年計画」を作り、日満両国にまたがる巨大コンツェルンの構築を考えた。
その岸の肝煎りで、日本産業の主力会社を満州に移転させ、満州重工業開発としてユダヤ資本の取り込もうと鮎川は奔走する。
岸とは長州人脈でつながり、同郷の外相、松岡洋介、さらに東条英機と星野直樹をいれて満州支配の「二キ三スケ」の一人と言われる。
岸といい、満州といい、ユダヤといい、国策とつながった企業家の顔は、一代の風雲児というだけで片づけられない一面があることは否定しがたい。
*****

岸信介というのは、言わずと知れた、安倍晋三総理大臣の祖父である。
その日産自動車を、ルノーの子会社化にしようと目論んだのは、フランス大統領マクロンだ。
そして、ゴーンはトラップにはまった。
彼らは、日産と安倍首相の関係を知っていたのだろうか?

越えてはならない一線がある。
それを越えようとしたとき、カタツムリは死を迎える。
日本とフランスのせめぎ合い。
事態は簡単ではない。

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風(10)

2018-11-05 18:20:15 | ButsuButsu


毎日放送「ちちんぷいぷい」で、びわ湖の湖底遺跡の様子が放映される。

日時は、11月6日15時50分から。

場所は、北の端、葛籠尾崎沖の湖底。

今年の6月と7月の2回、調査を行った。

映像と画像の両方を解析しているが、思ったより多くの甕形土器が沈んでいた。

しかも、深さ60m~70mの岩の斜面に転がっている。

古墳時代から飛鳥時代にかけての丸底土師器だ。

まだまだ謎の多いびわ湖に、興味津々。

ぜひ見てください。

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風(9)

2018-10-27 12:02:00 | ButsuButsu


秋風が吹いて、10月も終わるころとなった。

もう冬の風に代わろうとしている。

通勤路にアケビの殻が落ちていた。

今年のアケビは、実が小さいようだ。

昨年は、大学校内で5個の大きなアケビを取った。

残念ながら、今年は食べれそうもない。

たぶん、夏の暑さの影響かもしれない。

年によって季節の様子が異なり、野山の植物も変化していく。

去年の秋にすれ違った老人に、今年は会っていない。

移ろいゆく自然は、心を豊かにするが、時には残酷でもある。

来年は、どんな色の季節が来るのだろうか。




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風(8)

2018-10-22 13:09:09 | ButsuButsu


近江デジタルファブリケーションの平山さんから以下のアナウンスが届いた。
興味深いので、紹介したい。
応援してあげよう。

*****

世界最大のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」にソーラーボート大会の技術の結晶を出品します。
https://www.picam360.com/projects/picam360_surfacewalker_ks

内訳は、
・$20 x 25
 サンゴ保全プロジェクトへの参加(サンゴ写真の世界地図の1区画がもらえる)
・$1200 x 1
 ソーラーボートキット
・$1500 x 1
 カメラ付きソーラーボートキット
となっております。
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